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「第8回協働まちづくり」受賞プロジェクト表彰式 開催される
「自治体総合フェア2016」(5月18~20日,東京ビッグサイト)における特別企画「第8回協働まちづくり」受賞プロジェクト表彰式が,5月19日(木)に開催された.公と民が共同・連携して魅力ある地域社会の実現に貢献した4つのプロジェクトが表彰された.
 本年度,準グランプリに輝いた『医療・介護ICT基盤「うすき石仏ねっと」活用推進事業』は,臼杵市医師会・臼津歯科医師会・臼津薬剤師会が協働で運営するICTシステムを活用した患者中心の医療・福祉ネットワークサービスである.これは,臼杵市内の医療や介護関連機関をネットワークで連携し,患者さんの受療データを共有するシステムである.
 本システムに同意された患者(現在市民25%が参加)の医療情報が,臼杵市内の医療関連機関で閲覧できる.処方薬,注射薬.既往歴などが医療機関を越えて閲覧できることにより,例えば,重複処方の予防.併用禁忌処方の予防.外科的処置対応での留意.専門機関との連携が容易となる.また,消防署とのシステム連携を行うことにより,緊急時には救急隊がその情報を瞬時に得ることができる非常に画期的なシステムといえる.
 2015年夏からは,市内100%歯科医院で本システムの参画がスタートし,口腔内状況,診査結果,歯の治療状況など,“口”に関わるデータの共有が可能となった.歯に関する情報を保有することは災害時での身元確認で非常に有用となり,東日本大震災の教訓から学んだ南海トラフ地震への備えとしての役割も担っている.
 本システムは平成15年度よりさまざまな段階を経て導入されてきたが,システム構築がなされていく中で,重複処方の防止,専門医への紹介など,適切な医療連携が図られた結果,臼杵市では平成24年度以降,医療費が徐々に減少するという驚くべき結果が出ている.行政機関での介護予防事業などの成果も含まれる結果だが,医療機関で情報を共有することにより,市民の意識にも変化が現れた結果だといえる.
 今後の課題は母子手帳の本システムでの運用.災害時利用のためのデータ遠隔地保存などがあげられる.臼杵市だけでなく,本システムが広がりをもち,全国どの医療機関でも受療状況が確認できるようになることが理想である.

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