2016/02/24
2016年2月20日(土)および21日(日),福岡国際会議場(福岡市)において第40回記念北九州歯学研究会発表会が開催された.テーマは「TRADITION~伝承と変革~」であった(会長・榊 恭範氏/福岡県開業).今回は40回目の記念すべき発表会ということで二日間の日程となり,メイン会場のほかにスタッフ発表会の場も別に設けられていた.
20日のシンポジウム1「保存~エンド・ペリオ・残根へのこだわり~」(プランナー・柴田紀之氏/北九州市,倉富 覚,氏/北九州市)では,北九州歯学研究会に流れる「歯の保存へのこだわり」を支えるX線写真からの診査・診断,徹底した歯内療法や歯周療法,残根への対応法などの術式や考察などが紹介され,長期経過観察の実際も示された(シンポジスト・津覇雄三氏,松木良介氏,田中憲一氏,中島稔博氏,木村英生氏,松延允資氏,中野宏俊氏,甲斐康晴氏).
21日はシンポジウム2「経過~学び,実践し,見えてきたこと~」(プランナー・野田邦治氏/北九州市,上田秀朗氏/北九州市)からスタート.本シンポジウムではベテラン会員が,研究会のなかで学んできたものを活かした長期経過症例を提示.治療のみならず患者さんとのかかわり方など,歯科臨床の醍醐味ともいえる内容を示した(シンポジスト・立和名靖彦氏,大村祐進氏,村上和彦氏,高島昭博氏,白石和仁氏,上野道生氏).
続くシンポジウム3「挑戦~時代の変化とどう関わるか~」では,若手の会員がCAD/CAMやマイクロスコープといった新技術の紹介とこれらを活用した症例を紹介.インプラントや歯周再生療法などの先端技術をいち早く取り入れてきた本研究会において,常に新しい技術・治療法への取り組みが続いているということが感じられた(シンポジスト・桃園貴功氏,白土 徹氏,山本真道氏,中野宏俊氏,樋口 惣氏,樋口克彦氏,甲斐康晴氏,筒井祐介氏,樋口琢善氏)
最後のシンポジウム4「提言~次世代を担う歯科医師へ~」(プランナー・松延彰友氏/福岡県,榊 恭範氏)では,40年研究会会員であった中野 充氏(北九州市)と下川公一氏(北九州市)の二人が歯科医師を志したきっかけや若い頃の自身の治療,現在の医院の状況,そして長期経過症例などを提示.歯科医師として歩んでいくことの意味,長期にわたって経過を観察することの意義を示した.