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第25回ライオンNew Yearセミナー開催される
 2016年1月31日(日),よみうり大手町ホール(東京都千代田区)にて標記学術大会が開催された.「健康寿命の延伸を目指した口腔機能への気づきと支援」というテーマのもと,今年は「新たな時代の歯科衛生士の役割」と題し,各分野の最前線で活躍する講師陣を招き,会場は大盛況を博した.
 基調講演「免疫と長生き」では,奥村 康氏(順天堂大学医学部免疫学教室特任教授)が登壇.遺伝学に関するさまざまな研究報告や,ヒトの免疫システムについての最新の知見を紹介しながら,本セミナーのタイトルにも掲げられている「長寿」の鍵が日常生活にあること,そこにかかわる歯科衛生士の職能の重要性を示唆した.学術的な内容がわかりやすく,ユーモラスに解説され,会場は大いに沸いた.
 つづく講演1「歯科衛生士が行う歯周基本治療の可能性と優位性」では,関野 仁氏(東京都立心身障害者口腔保健センター診療部 治療室長)が講演.心身障害をもつ患者の歯周治療に対する行動変容を動画で紹介しながら,健常患者のモチベーションにも共通する側面があることを示唆.どのような患者であっても,歯科衛生士が柔軟な視点と質の高い技術をもつことで長期的なSPTが可能になり,患者のQOLが向上することを強調し,聴講者にエールをおくった.
 講演2「食べることに問題のある患者に歯科は何ができるか?」では,菊谷 武氏(日本歯科大学教授)が登壇.はじめに健康寿命ならぬ“不健康寿命”にフォーカスを当て,通院できなくなった患者を支援する取り組みを紹介した.そこで「臨床における摂食嚥下障害への対応」として歯科界に普及する多くの認識を覆すような実情を示し,高齢期における咀嚼機能障害の考え方を解説しながら,臨床にいる歯科医療者こそ「来られなくなった患者」について考えることの重要性を訴えた.

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