4月5日(日),仙台市戦災復興記念館(仙台市青葉区)において標記講演会が開催された.技六魂〔会長:袴田勝彦氏(宮城県黒川郡/デンタルアジャスト).以下,同会〕とは「東北六県の歯科技工士魂」をその名の由来とし,東北地方全体の歯科技工士が一体となって,知識・技術の研鑽を図ることを目的に発足したスタディグループである.当日は歯科技工士ら150名が参集する盛会となった.

「写真は真実を写す?!」との演題で講演した小田中康裕氏(東京都世田谷区/oral design 彩雲)は,デジタルカメラの撮影におけるレンズの特性やストロボの型(リング,ツインなど)による写り方の比較をとおして露出のメカニズムを解説.(中略)
吉村知久氏(岩手県盛岡市/関錦二郎商店.同会所属)は「わたしたちにできること~マテリアルの特性を理解する~」と題して,各メーカーのレジン材料(保険適応の硬質レジンやハイブリッドレジン)の比較試験結果などを供覧し,各種材料の特徴を理解することの必要性を訴えた.(中略)
関 錦二郎氏(関錦二郎商店.同会所属)は「Gingival Characterize ~Anatomical Gingival Shading Technique~」として解剖学に基づく歯肉色再現法を紹介.解剖学的な性質を理解することでよりリアルな表現が可能になるとしつつも,「歯肉形態とインプラントフレーム上に塗布するオペークに配慮するだけでもある程度の自然感は得られます」として実際の製作工程を示した.(中略)
「インプラントポジションの重要性」と題した志田和浩氏は,冒頭でインプラント埋入症例の10%が5~10年でインプラント周囲炎に,11年で59%がインプラント周囲粘膜炎になっているというEAO(EUROPEAN ASSOCIATION FOR OSSEOINTEGRATION)の調査結果を示し,トップダウントリートメントに基づくガイデッドサージェリーの重要性を訴えた.(中略)
最後に登壇した赤坂政彦氏(東京都台東区/テクノアート デンタルリサーチセンター)は「BASIC PRESS CERAMICS」との題で,『IPS e.max Press』(Ivoclar Vivadent)を使用してプレステクニックのポイントを詳説した.(中略)
会の終わりには,2016年4月16,17日に仙台でも東日本大震災復興支援チャリティ講演会〔実行委員長:山本 眞氏(大阪市中央区/山本セラミスト)〕が同会の運営により行われることが発表され,「被災地・東北での実施は盛大な会としたい」との思いが語られた.
※月刊『歯科技工』後続号にて参加者によるレポート記事を掲載予定です.