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文部科学省選定 課題解決型高度医療人材養成プログラム「健康長寿に貢献する実践的チーム医療人育成」『キックオフイベント』開催される

 2015年3月6日(金),東京医科歯科大学歯学部特別講堂(東京都文京区)において,文部科学省選定 課題解決型高度医療人材養成プログラム「健康長寿に貢献する実践的チーム医療人育成」のキックオフイベントが開催された.
 急速な少子高齢化の進展および疾病構造の変化等が進むなか,健康長寿社会の実現や国民からの多様な医療ニーズに対応していくためには,多職種連携によるチーム医療を推進し,高い技術力をもつメディカルスタッフの養成が喫緊の課題となっており,口腔機能回復支援領域として歯科衛生士・歯科技工士を医療チームの一員として活躍できるように育成するための教育プログラムの改善・充実が急務である.
本事業は,「健康長寿に貢献する実践的チーム医療人育成」を推進すべく,東京医科歯科大学・広島大学・九州歯科大学の3大学が連携して,各大学の歯科衛生士・歯科技工士養成教育の特色をいかしたチーム医療実践プログラム,チーム医療指導者養成プログラムを実施することにより,多職種連携を推進する5年(平成26~30年度)計画のプログラムである.この事業の幕開けとなるキックオフイベントにて,関係者が一同に介し,本事業が社会的に求められている背景や3大学の現在の取り組み,今後の展望等について,情報発信された.
 基調講演1「課題解決型医療人養成について~本事業への期待~」では,吉光紗綾子氏(文部科学省高等教育局医学教育課医療技術係・薬学教育係長)が,本事業を実施するにあたっての背景,概要および本事業への期待を言及.栄養サポートチーム,摂食嚥下チーム,呼吸サポートチームなどの医療チームにおいて,歯科衛生士・歯科技工士は重要なチームメンバーであること,また,歯科技工士が口腔内の器具の開発・改良を提案することで,より効果的な口腔ケア法を創出するといった役割も期待されていると提言した.
 基調講演2「多職種連携における歯科衛生士の役割」では,白田千代子氏(元・東京医科歯科大学大学院教授)が,自らの専門領域にとどまらず,活動の領域を広め,多職種と連携・協働しチーム医療を推進できる知識,技術,コミュニケーション能力を培い,歯科衛生士として活動を実践していくことが急務であることを,永年の地域での経験をもとに提言した.
 また,各大学の現在の取り組みとして,東京医科歯科大学より遠藤圭子氏(大学院口腔健康教育学分野准教授)が「実践的チーム医療人育成に向けた取り組み」を,九州歯科大学より秋房住郎氏(口腔保健学科口腔保健管理学講座教授)が「回復期病棟での食支援にかかる人材育成に向けての取り組み」を,広島大学より杉山 勝氏(歯学部口腔健康科学科長)が「広島大学口腔健康学科の取り組み」をそれぞれ報告した.
 今後は,3大学の教職員の相互派遣やコースプログラムのオンライン会議,eラーニング教材の相互活用など具体的に本事業が展開されるが,全国に普及できるような課題解決型高度医療人材養成プログラムの構築を期待したい.

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