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「第4回 K.S.I.オープンセミナー」開催される

31日(日),グランキューブ大阪 イベントホールA(大阪市北区)において標記セミナーが開催された.主催団体であるK.S.I.Kansai Skill-up Innovation.以下,同会)は,「41クール」の周期を定めて年1回のオープンセミナーを開催しており,過去3回はメイン講師に本多正明氏(大阪府東大阪市/本多歯科医院)のプライベートセミナーで講師を務める著名な歯科医師を招聘し,チェアサイドの視点も交えて可撤性パーシャルデンチャー(RPD)の設計を考察してきた.今回は本多氏と氏の歯科医院にて歯科技工士を務める青木健治氏(本多歯科医院)のほか,同会から3名の歯科技工士が登壇し,歯科医師,クラウンブリッジ(サベイドクラウン)担当歯科技工士,デンチャー担当歯科技工士それぞれの目線から,RPDによる欠損補綴治療を成功させるためのポイントを語った.当日は歯科医師,歯科技工士ら約200名の参加者により,会場は満席となった.

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まず,同会会長を務める小山邦宏氏(大阪府高槻市/デンタラディア)が「機能するパーシャルデンチャーへと導くための押さえておくべきキーワード」をテーマに,欠損歯列の的確な診査・診断と力のコントロールを得ることの重要性を総論的に解説.(中略)続く藤野智之氏(名古屋市昭和区/藤野歯科補綴研究所)は「模型上と口腔内におけるアドバンテージを再考する」として,RPDによる歯列弓の保全を図ることの重要性に触れた.(中略)

 

「時間軸を意識したラボワークの時代へ」と題した同会主幹の奥森健史氏(奈良県奈良市/デンタルプログレッシブ)は,欠損の原因(過去)を踏まえて将来的な口腔内の変遷(未来)を捉え,補綴装置を設計・製作することが重要であると言及.(中略)歯科医師の診断に基づく基本設計を踏まえ,可及的に多くの残存歯に支持と把持を求める構造設計をラボサイドで行うことが重要であると話し,RPDによる2次性連結固定の達成により残存歯の動揺の程度が減少する様子などを動画で供覧した.

 

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青木氏は「欠損補綴におけるサベイドクラウンを考察」として,院内に勤めるクラウンブリッジ担当歯科技工士として,サベイドクラウン製作のポイントを解説した.固定性補綴装置となるクラウンの清掃性や歯列の連続性を確保するためには,天然歯(有歯顎)の形態を理解し模倣することが求められると語り,隆線・稜線とトランディショナルエリア,コンケイブラインといった歯冠形態における移行性のほか,歯頸線,切縁ラインなどの歯列全体の移行性を確保し歯列の保全を図ることが重要であると述べた.(中略)

 

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最後に登壇した本多氏は「欠損補綴の“Longevity”を考察 ~パーシャルデンチャー,ブリッジ,インプラント補綴の比較~」と題して,(中略)「臼歯部ブリッジは将来的に破損すると左右の咬合バランスを著しく悪化させるため,中間欠損はインプラントで対応すべきである」「エンサークルメント(取り囲み)による残存歯の保護は,ガイドに深く関わる33のある上顎で特に重要である」といった長期的に安定する欠損補綴を行うためのポイントを,豊富な臨床知見を基に解説した.

 

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※月刊『歯科技工』の後続号にて,編集部による取材記事と参加者によるレポート記事を掲載予定です.

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