12月20日（土），ホテル・メトロポリタンエドモント（東京都千代田区）において，「米山武義先生 保健文化賞受賞祝賀会」が約130名の出席者を集めて催された．
保健文化賞とは，1950年に創設され，健康増進，疾病予防などの保健医療分野，高齢者・障害者の保健福祉分野等において，顕著な実績を残した団体，個人を表彰するもの（主催：第一生命保険株式会社，後援：厚生労働省ほか）．この分野におけるもっとも権威のある賞として位置づけられており，2014年で66回を数える．
米山武義氏（静岡県・米山歯科クリニック）は，1979年日本歯科大学歯学部卒業，同大学助手（歯周病学教室）などを経て，1990年に米山歯科クリニックを開業．この間，長年にわたり臨床，研究の最前線で活躍し，とくに，要介護高齢者に対する誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアの研究は，1999年にLancet誌に掲載されるなど国内外で大きな評価を受けている．今回は，その研究と，医療・介護施設における誤嚥性肺炎予防法の確立に多大な貢献があったことにより受章の栄誉に浴した．
米山武義先生
来賓として壇上に立った中原 泉氏（日本歯科大学理事長・学長），佐々木英忠氏（東北大学名誉教授），大久保満男氏（日本歯科医師会会長），住友雅人氏（日本歯科医学会会長），赤川安正氏（奥羽大学学長），鴨居久一氏（日本歯科大学名誉教授），岡本 浩氏（元奥羽大学教授），柳川忠廣氏（静岡県歯科医師会会長）らは，口腔ケアが肺炎発症を抑制することを米山氏が歯科から情報発信したことの大きな意義を口々に語り，超高齢社会を迎えた日本において健康寿命の延伸に口腔ケアの重要性がますます大きくなるなか，米山氏のさらなる活躍が期待されると祝辞を述べた．
イエテボリでの留学経験，茨城県牛久における歯周病に関する疫学調査など，米山氏のこれまでの活動の軌跡やエピソードが披露されるたびに，同氏の研究に対する真摯な姿勢と何より患者を想う心が出席者に伝わり，暖かな雰囲気に包まれた祝賀会となった．