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「全都講習会」開催される

 11月16日(日),東京歯科大学水道橋校舎(東京都千代田区)にて,「歯科技工にすぐに役立つ解剖学・有床義歯補綴学」をテーマに標記講演会が開催された.本イベントは東京都歯科技工士会が主催する生涯研修事業の一環として催されたもので,当日は133名の歯科技工士らが参加した.

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 まず,「総義歯の人工歯排列を再考する」との演題で櫻井 薫氏(東京歯科大学有床義歯補綴学講座)が登壇.咬合支持の不足が低栄養や認知症をはじめとしたさまざまな全身疾患を誘発する可能性があることを文献をもとに供覧した後,総義歯の安定性を考えることの重要性に言及し,人工歯の位置不良,咬合接触状態の不良,咬合平面の不適切などの原因を分類して,それぞれへの具体的対応策を語った.

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 続いて阿部伸一氏(同大解剖学講座)が「歯科技工のために知っておきたい解剖学」と題して,咀嚼,嚥下に関わる口腔周囲の骨,筋肉の特徴を解説.咀嚼に関わる筋群はモダイオラス部に集中している,嚥下の際には頬筋や舌が作用して口腔内の空間を封鎖する,義歯床の良好な維持のためには頬筋などの周囲組織の量に合わせて床の厚みを変える必要があるといった事項を,普段は模型を相手に格闘する歯科技工士に向けて,生体の動きとそのメカニズムに基づき説明した.

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 両氏の講演の後は3グループに分かれてのローテーション形式の講義が行われ,上田貴之氏(同大有床義歯補綴学講座)による「エビデンスに基づいた義歯修理」と題した,義歯修理に関わる文献と自身の実験結果に基づくガイドラインの供覧,「CAD/CAM・3Dプリンターの応用」とのテーマでの,松永 智氏(同大解剖学講座),田坂彰規氏(同大有床義歯補綴学講座)による義歯分野のデジタルデンティストリーの最新知見,山本将仁氏(同大解剖学教室)による解剖標本の見学などを行った.

 特に,普段見ることのできない解剖標本の見学は参加者らに好評であり,「非常に勉強になりました」との声が多く聞かれた.

 

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