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「第3回 K.S.I.オープンセミナー」開催される

 2014511日(日),白水貿易大阪本社6Fホール(大阪市淀川区)にて標記講演会が開催され,歯科医師,歯科技工士ら約100名が参加した.

 

 主催団体であるK.S.I.Kansai Skill-up Innovation)主幹の奥森健史氏(奈良県奈良市/デンタル・プログレッシブ)は「ここから始めようパーシャルデンチャーを機能させるためのキーワード」と題し,パーシャルデンチャーの永続性を担保するためには残存歯に積極的な把持を求めることが重要であると指摘したほか,奥森氏ならではのアイデアとテクニックを表現した事例として,支持領域の被圧変位量の違いに対応してサスペンションのような緩圧機構を組み込んだインプラントオーバーデンチャー機能時の動画を供覧した.

 

 次に,本年度より新会長に就任した小山邦宏氏(大阪府高槻市/デンタラディア)が「欠損歯列から咬合支持回復を考える」との演題で登壇.本多正明氏(大阪府東大阪市/本多歯科医院)が考案した咬合支持指数を始めとする欠損歯列の評価法や,パーシャルデンチャーの支台装置に組み込むべき6要素(維持・支持・把持・拮抗・受動性・取り囲み)など,同会で重視している基本概念を解説した.

 

 続く今西秀郷氏(京都府綴喜郡/ジールイズム)は「力のコントロールを目指してチェアサイドとラボサイドのコラボレーションの重要性」との題で,同会への入会をきっかけにして「Thinking Dental Mechanic」(考える歯科技工)を実践する姿勢が身に付いたとして,的確なマウスプレパレーションをラボサイドでサポートすることで良好な結果を得られた自身の臨床例を供覧した(月刊「歯科技工」第41巻 第11号リレー連載にて治療・技工工程が詳述されています).

 

 「サベイドクラウンの重要性~欠損補綴を咬頭嵌合位の安定から考察~」と題した藤尾 明氏(兵庫県加古川市/アクシアデンタルテクノロジー)の講演では,欠損補綴治療における歯列の連続性や咬頭嵌合位の安定を図るうえにおいて,プロビジョナルデンチャーのための「サベイドプロビジョナルクラウン」が適切に設定されることが,パーシャルデンチャーを用いた治療の成否にかかわると力説した.

 

 最後にメインゲストとして登壇した歯科医師の米澤大地氏(兵庫県西宮市/米澤歯科醫院)は,「パーシャルデンチャー設計に必要な基礎知識」として,リジッドデンチャーの設計においては支持(レストの設定)が最も重要であり,支持域を可及的に広くとること,顎堤(口蓋部)も積極的に支持に利用することが肝要とし,さらに後者は側方力を分散して把持を得るうえでも効果的であると指摘した.

 

  次回講演会は本多氏をメインゲストに招聘して20153月に大阪で開催される予定である.

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※各講演の詳細な内容は「歯科技工」後続号にて掲載します.

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