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平成26年度 全国歯科技工士教育協議会総会,理事長・校長・教務主任会議 開催される

 5月16日(金),17日(土),鎌倉プリンスホテル(神奈川県鎌倉市)において,平成26年度全国歯科技工士教育協議会(全技協:末瀬一彦会長)総会,理事長・校長・教務主任会議が開催された.
 全国の53の歯科技工士養成機関から50校,約100名が参加した今年度の会合では,まず初日に理事長・校長・教務主任会議,特別講演,懇親会が行われた.

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 理事長・校長・教務主任会議では,まず基調講演として末瀬一彦会長が全国の養成機関の入卒者や就職状況を概説した後,本年3月にとりまとめられた厚労省「歯科専門職の資質向上検討会」報告書における「歯科技工士国家試験の全国統一化に向けて」について,国家試験の全国統一が目前に迫っていること,それに伴って歯科技工士の養成についても教育内容の大綱化・単位制の導入や教育体制の見直しが必要なことなどを解説した.
 次に時事講演として,小口春久氏(日本歯科大学東京短期大学学長)が「新時代の歯科技工士教育に必要なもの」と題し,現在の歯科技工士教育の問題点と課題を示したうえで,モデルコアカリキュラムの作成と,そのうえでの各養成機関のカリキュラムプランニングの緊急性について強調した.
 特別講演では,橋本光生氏(NPO法人 学生キャリア支援ネットワーク理事長)が「中途退学する学生の心とその対応」と題し,中途退学をしようとする学生にかかわる実際の相談事例や自らが取り組んできた対応例について紹介した.また,「ニート状態」の若者やコミュニケーションが苦手な若者の特性について言及し,学生教育にあたる各養成機関からの参加者と活発な質疑応答・意見交換が行われた.
 2日目は総会と企画講演が行われた.鳥山佳則氏(厚生労働省医政局歯科保健課長),瀬古口精良氏(日本歯科医師会常務理事),南部哲男氏(日本歯科技工所協会理事長)を来賓に迎えた総会では,末瀬会長の挨拶,来賓3名の挨拶,功労賞表彰,教員研修認定証授与に続いて,収支決算審議,事業計画案審議,収支予算案審議が行われ,いずれも可決承認された.
 厚労省「歯科専門職の資質向上検討会」報告書をうけて催された企画講演では,まず末瀬会長が「これからの歯科技工士教育を考える」と題して,モデルコアカリキュラム,養成機関独自のカリキュラム,国家試験出題基準の関係性などについて概説した.その後,「モデルコアカリキュラムの概説」と題して尾崎順男氏(日本歯科大学東京短期大学准教授)が,大綱化による教育内容・教育目標と現行の教育内容との違い,現行の出題基準と見直しが予定されている出題基準との違い等を解説し,全技協としてモデルコアカリキュラムを早急に提案すべく検討中であることを紹介した.
 歯科技工界,歯科技工士教育の積年の悲願・課題であった国家試験の統一化を目前に控え,歯科技工士教育についても変革の必要性が生じているなかで開催された2日間の会合は,例年にも増した緊張感を漂わせるものであった.

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