Ishiyaku Dent Web

歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士のポータルサイト

日本臨床歯周病学会 第2回九州支部教育研修会 開催される

 2014年2月2日(日),福岡県歯科医師会館(福岡市中央区)にて,「歯科医の想い,衛生士の思い―歯周病治療におけるチーム医療を考える」をテーマに標記研修会が開かれ,会場を埋め尽くす350名余の歯科医師・歯科衛生士が参集した.

kyushu1.jpg
 会の冒頭において,本研修会の企画者の一人である長谷川嘉昭氏(東京都・長谷川歯科医院)が,歯周治療においては,歯科医師・歯科衛生士双方が“想い”(相手を思いやる心)を共有したうえで,患者を中心に据えたチームアプローチを行っていかなくてはならないと述べ,3組の歯科医師・歯科衛生士がそれぞれに特徴ある“チームアプローチの形”を提示する本研修会の趣旨を説明した.

kyusyu2.jpg
 その後,岩崎由美氏・小森江海子氏(鹿児島県・ユミデンタルオフィス)が,「1から始めるチームアプローチ」と題し,開業5年を経てスタッフとともに作り上げてきたチーム医療を基盤とした医院システムを紹介.岩崎氏がチームアプローチの鍵として,①院長が“思い”を明確にし,スタッフに伝えること,②スタッフ教育や相互のコミュニケーションの充実等,スタッフがやりがいを感じられるような環境を整えることなどを挙げると,それを受けて小森氏は,歯科衛生士の立場から,実際の診療の流れに沿った医院内の連携の実際を解説した.

kyushu3.jpg
 つづく「長期経過観察から見えてきたチーム医療の姿―生涯にわたる関係づくりは,スタッフの力」では,35年前の開業当初よりともに歯周治療に取り組んでいる上野道生氏・山下知子氏(福岡県・上野歯科医院)が,密な連携のもとに行われた歯周治療の実際とその長期経過を供覧.上野氏は,歯科衛生士の症例を見極める力,そして,患者の近くで寄り添う姿勢が医院を支えていると述べ,「チーム医療の主役はスタッフであり,医院のカラーをつくりあげているのも一人ひとりのスタッフ」とエールを送った.

kyusyu4.jpg
 最後に登壇した長谷川嘉昭氏・川崎律子氏(フリーランス,長谷川歯科医院ほか勤務)の「デンタルカンファレンスの先にあるもの」では,デンタルカンファレンスを通して歯科医師・歯科衛生士が情報の共有・意見交換を行いながら治療の方向性,治療計画までもを決定していくチーム医療の形を提示.川崎氏が歯科衛生士には歯科医師の治療コンセプトを深く理解したうえで,歯科衛生士の視点から歯科医師に意見を提示する能力が必要であると述べると,長谷川氏がそういった意見交換の先に良好なパートナーシップ関係が成立する,とまとめ,両者の信頼関係が垣間見られる内容となった.

kyusyu5.jpg
 その後のディスカッションでは,会場からそれぞれの医院のシステム,歯科医師・歯科衛生士の関係性について質問が飛び交い,参加者の関心の高さを伺わせるものとなった.

kyusyu7.jpg

■他のニュース記事をさがす

日付から記事をさがす
<2024年4月>
31123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
2829301234
567891011
キーワードから記事をさがす

人気の歯科書籍(キーワード別)

歯科雑誌 最新号