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「第12回 モリタ歯科技工フォーラム 2014 TOKYO」開催される

125日(土),お茶の水ソラシティ カンファレンスセンター(東京都千代田区)にて標記イベントが開催された(主催:モリタ.以下,同社).CAD/CAM,デンチャー,審美の3テーマについての講演や延べ6題のハンズオンセミナーのほか,仮想ラボスペースの設置,『カタナシステム』(クラレノリタケデンタル)の体験コーナー,歯型彫刻コンテスト『ほるほる』の作品展示などが行われ,約550名が参加した.以下,内容の一部を抜粋して報告する.

 

「ファイナルを意識したプロビジョナル制作時のポイント 超入門編」と題しハンズオンセミナーで講師を務めた五十嵐 智氏(さいたま市大宮区/Correct-design)は,デンチャーやインプラント上部構造などの人工歯を用いた補綴物製作のガイドラインを供覧.「歯幅の中間線を引き,歯軸の位置と方向を常に確認して排列作業を行う」「加圧加重測定器(編集部注:月刊『歯科技工』第38 8号に関連論文を掲載)にて可動粘膜の位置を測定し,それを避けるように補綴物を製作する」「ポンティックの形態は清掃性を考慮して,粘膜に触れる部位が凸面となるように設計する」といった事項を解説した.

 

(中略)

 

奥森健史氏(奈良県奈良市/デンタル・プログレッシブ)は「サベイドクラウンからパーシャルデンチャーへの連携」と題して,5457欠損のサンプル模型を用いて義歯の設計とワックスアップに焦点を絞ったハンズオンセミナーを行った.特に設計の要点に関しては,左右対称性を含めた審美性を確保するために,模型上で解剖学的正中線を割り出した後に必ず蝋堤を試適して顔貌の正中との一致を確認すること,義歯脱着に際してのクロスアーチ(両側)での平行性を確保するためにはサベイドクラウンの設定が鍵となること,鉤歯の取り囲み(Encirclement)によって義歯の水平的な動きを抑制することが重要になると強調した.

 

堤 嵩詞氏(兵庫県芦屋市/PTDLABO)は「総義歯における技術の本質」と題して,自身の歯科技工士人生を振り返りつつ,機能に優れた総義歯製作のための諸要件について解説した.歯科医師による適切な印象採得なくしては優れた総義歯は製作できないと述べ,「咀嚼粘膜との無圧的関係」および「被覆粘膜との微圧的関係」を把握しうる印象が必要になると言及した.

 

(中略)

 

「個々の患者に応じたオールセラミック修復の支台歯形成の提案」との演題で講演した大谷一紀氏(東京都台東区/大谷歯科クリニック)は,まず補綴治療における歯肉部の考え方に言及.「“5mm程度であれば歯間乳頭は再生する”と言われていますが,その根拠となった調査は欧米人を対象としているうえに母数の少ないものであり,日本人には必ずしも当てはまらないと思います」と話し,韓国人や台湾人を調査対象とした論文を引用して,およそ4.5mmを基準にコンタクトポイントを形成すべきとの見方を示した.

 

(中略)

 

湯淺直人氏(大谷歯科クリニック)は「前歯部セラミック修復における陶材築盛の理論と実践~自然感を高めるインターナルステイニングテクニックの応用~」と題して,インターナルステインを活用した色調表現の手法を紹介した.講演のなかでは,口腔内写真における歯の色は歯肉色の影響を受けて,特に歯頸部で赤みが強くなっている,ボディ陶材とトランスルーセント陶材の組み合わせが仕上がりの明度に影響する,といった色調表現に関わる注意点やポイントを解説した.

 

なお,同イベントにおける“新人発掘プロジェクト”として,これまでプレゼンテーションを中心に審査されていた「歯科技工登竜門」について,今後は同社製品を用いたテクニカルコンテストも導入することが発表され,2015年には「歯科技工登竜門テクニカルコンテスト(仮称)」を行うとしてエントリーの受付が開始された.

 

 Web morita.bmp

 

※イベントの詳細については,月刊『歯科技工』後続号のRecord記事にて報告する予定です.

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