8月21日(水),平成25粘度(第19回)スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP) 日本代表選抜大会が日本歯科医師会館(東京都千代田区)で開催された.
SCRPは歯学部で学ぶ学生が自らの研究テーマの成果について,英語を用いたポスタープレゼンテーションで発表して競い合うもので,現在では世界36カ国において実施されている.
日本では1995年以降,本年で19回を数え,今回は22校からの参加があった.
6名の審査員による審査の結果,臨床部門第一位の岡山大学歯学部4年生の王 碩氏の「なぜ煙草をやめると太るのか?」(ファカティカル・アドバイザーは同大大学院医歯薬総合研究科の十川紀夫氏)が選ばれた.

受賞後,改めてプレゼンテーションを行う王氏
その他の入賞者として,基礎部門一位には坂本真一氏(研究テーマ:Porphyromonas gingivalis(P.g.)の歯性感染によって非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病態が増悪する-肝臓に到達したP.g.-LPSやP.g.が幹細胞に与える影響-),同部門第二位に北海道医療大学歯学部の清水綾氏(研究テーマ:P.gingivalis由来LPSの長期刺激によるマラッセ上皮細胞のDNAメチル化),臨床部門二位には岡部佑妃子氏(研究テーマ:新たに考案した歯肉血流測定法と歯肉マッサージによる血流量の変化)がそれぞれ選ばれた.

今回,発表したスチューデントクリニシャンの集合写真
審査員長である井上孝氏(東京歯科大学)は,「今回応募されたテーマは歯周病や生活習慣病などについての,高齢化社会を意識した研究が多かった.評価を分けたのは,発表の仕方や質問に対する応答であった.SCPRの目的は歯科医療の向上にあるが,その目的を達成するためには,今後,臨床的な内容の研究が増えるとよいと考えている」と述べた.
優勝した王氏は本年10月に米国ルイジアナ州ニューオリンズで開催されるアメリカ歯科医師会の年次集会に招待され,SCRPの各国代表および米国国内の上位入賞者とともに研究発表を行うことになる.