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第15回 口腔インプラント専門医臨床技術向上講習会 開催される

 8月11日(日),ウインクあいち(名古屋市)にて,標記講習会が,「安全・安心のインプラント治療をめざして―難症例を見極める―」をメインテーマのもと,104名の参加者を集め開催された(公益社団法人日本口腔インプラント学会 教育委員会主催).同講習会は口腔インプラント専門医の臨床技術向上をめざして年4回開催されているもので,専門医更新時の必須項目である.同学会では,インプラント治療における患者の安全・安心を担保する一環として,このような講習会などの開催に意欲的に取り組んでいる(写真は同学会理事長 渡邉文彦氏).
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 今回は武田孝之氏(東京都開業),澤瀬 隆氏(長崎大学大学院医歯薬学口腔インプラント学分野教授),勝又明敏氏(朝日大学歯科放射線学講座教授),小倉 晋氏(日本歯科大学附属病院インプラント診療センター長),加藤仁夫氏(日本大学松戸歯学部口腔インプラント学講座教授),松坂賢一氏(東京歯科大学臨床検査病理学講座准教授)が「難症例」をキーワードに登壇した.
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 武田氏は「補綴学的な難症例」と題し,補綴学的問題の大半は「力」によって引き起こされるため,力のコントロールが最重要課題であるとした.また,いかにして患者を難症例の咬合に向かわせないようにするかを考えるため,インプラントの使い方の再考を促した.
 澤瀬氏は「インプラント補綴の難症例を考える」と題し,補綴に関するトラブルは各々の症例に対する術者の見誤りとともに,術者・患者両者のインプラント治療への過度な期待に起因するところも大きいとした.高頻度に起こるトラブルとして前装材の破折を取り上げ,その原因と対策について,患者側のファクターとともに,上部構造形態や材料学的な限界もあわせて考察を述べた.
 勝又氏は「難症例を見極めるインプラント画像検査のヒント」と題し,画像検査を正しく行い,結果を的確に解釈することは難症例を減らすために重要であるとし,インプラント治療に関連した診断と治療計画に役立つ画像検査技術について最新の動向を紹介した.
 小倉氏は「外科手術的難症例について」と題し,外科手術的難症例を分類し,トラブルに至らないためにはどうすべきか,また不測の事態にどう対応していくかについて述べた.また,インプラント治療に際しての外科的診査診断,治療計画を提示した.
 加藤氏は「外科手術的な難症例について―上顎症例について―」と題し,上顎前歯部と上顎臼歯部にわけて難症例の見極め方とその対応について述べた.また,骨造成(ソケットリフト,サイナスリフト)の難易度についても考察した.
 松坂氏は「全身からみた歯科インプラントの特殊性と注意すべき基礎疾患」と題し,注意すべき基礎疾患について埋入手術に伴うものと埋入後のインプラント維持に伴うものに分けて述べた.また,オッセオインテグレーションを阻害する要因や,一度獲得されたにもかかわらず予後不良な場合について,全身的な問題を挙げた.

 本講習会は専門医以外の歯科医師,あるいは学会会員以外の歯科医療従事者でも申し込みが可能である.次回は11月10日(日)に東京で開催予定である.
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