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第24回日本歯科審美学会学術大会開催される

 720日(土),21日(日)の両日,日本歯科大学生命歯学部(東京都千代田区)にて標記学術大会が開催された(大会長:奈良陽一郎氏).今回は,「歯科審美 調和の医療」をテーマに講演・シンポジウムなど15題,口頭発表6題,ポスター発表40題,ランチョンセミナー4題,市民公開講座,各社による企業展示が執り行われ,過去最多の約650名の歯科関係者が参集した.

 開会式において,本学会長の千田彰氏は,2017年のIFED(国際歯科審美学会)世界大会の日本開催に向けた誘致活動への熱い想いを述べた.また,総会では本学会の一般社団法人化が承認され,今後定款案の検討・作成にとりかかることが決定された.

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 シンポジウム1「三位一体の歯科審美医療」では,近藤隆一氏(東京都開業)が歯科医師として,五十嵐智氏(埼玉県開業)が歯科技工士として,山羽京子氏(愛知学院大学歯学部附属病院)が歯科衛生士として,それぞれの立場から歯科審美医療におけるチーム医療について述べた.

 近藤氏は,ホワイトニングを歯科審美へのファーストステップと位置づけ,歯科医師は適応・不適応の診断を確実に行い,歯科技工士はカスタムトレーを製作し,歯科衛生士は患者に対する説明と誘導,オフィスホワイトニングにおいては治療行為も担当し,三位一体となって患者の審美的欲求を満たしていきたいと述べた.

 五十嵐氏は,機能性と審美性を兼ね備えるために必要なチェアサイドとの情報共有とその具体的事項について,総義歯とボーンアンカードブリッジを中心に自身の臨床と経過観察を基に述べた.

 山羽氏は,歯学部附属病院に勤務する歯科衛生士の立場から,患者が心身ともに健康な美を獲得するためには,患者やその診療内容の情報共有こそが重要であるとし,三位一体のチーム医療の確立の大切さを述べた.

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 また,シンポジウム5CAD/CAMテクノロジーを応用した審美修復を成功させるための秘訣(日本歯科CAD/CAM学会共催プログラム)」では,岩田卓也氏(東京都千代田区),中村昇司氏(東京都中央区開業),冨田佳照氏(東京都文京区開業)が登壇した.

 岩田氏は,CAD/CAMによって普及が進んだジルコニアフレームを用いたクラウン・ブリッジの審美面でのメリットを述べつつ,臼歯部にフルジルコニアを用いるにあたっては耐久性を上げるためにフレームデザインと咬合様式の工夫が必要であると述べた.

 中村氏は,チェアサイド型CAD/CAMを用いた1dayトリートメントが患者にもたらす満足感について述べたと同時に,CAD/CAMで製作した補綴物の微調整は人の手によるものであるがゆえの人間と機械の調和を強調した.

冨田氏は,歯科技工士の立場から「CAD/CAMを中心とした歯科技工所における品質と工程管理」と題し,CAD/CAMシステムの導入から現在まで,約4年間の臨床実績の報告と,そこから導き出される留意点についてジルコニアを中心に概説した.

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 次回学術大会は,20141122日(土),23日(日)に,高松国際ホテルにて開催予定(大会長:吉山昌宏氏).

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