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7月12日(金),13日(土),北海道大学学術交流会館にて,第32回日本歯科医学教育学会学術大会が,「未来へ-歯科医学教育を開き,拓くために-」をメインテーマに開催された(大会長:鈴木邦明氏/北海道大学大学院). シンポジウムⅠ『診療参加型臨床実習に関する現状と課題』では,岩瀬鎮男氏(文部科学省高等教育局医学教育課),小畑充彦氏(厚生労働省医政局歯科保健課歯科保健医療調整官),安井利一氏(明海大学),俣木志朗氏(東京医科歯科大学)の4氏が,診療参加型臨床実習に関する現状と課題および歯科専門職の資質向上について講演した.文部科学省では,平成23年の歯学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂とそれに基づいた,診療参加型臨床実習のコア・カリキュラム事例集(案)と診療参加型臨床実習・臨床研修連携手帳(案)(連携ログブロック)を歯学調査研究チームが作成し,各大学歯学部に周知を行った由報告があり,文部科学省からは,診療参加型臨床実習で得た能力をより適切に評価できるような歯科医師国家試験問題が必要であるとのコメントがあった.両省から同時の講演ということもあり,国民に対して臨床実習への理解・協力を得られるようなメッセージの発信を,各大学で努力しているものの,国からも発信してほしいという強い要望が会場内からあがるなど,活発な議論が行われた. シンポジウムⅡ『守る-患者を,学生を,医療者を-』では,相馬孝博氏(榊原記念病院),岡田智雄氏(日本歯科大学附属病院),岡田唯男氏(医療法人鉄蕉会亀田ファミリークリニック館山)の3氏が,世界標準の患者安全教育,歯科医学教育,医療現場での医療者の育成と患者安全について講演した.患者安全のカリキュラムへの組み込み方は各教育施設に委ねられているが,重要なことは現場で実践しながら学ぶことができるように工夫することで,コミュニケーション教育にも重点を置くべきと提言があった. 特別講演『小惑星探査機「はやぶさ」の挑戦」』では,阪本成一氏(独立行政法人宇宙航空開発研究機構:JAXA)より,度重なるトラブルに地球への帰還が危ぶまれた「はやぶさ」の成功ドラマが小気味よい口調で語られた.成功した理由として,①大胆に挑戦,②仕事への愛,③技術より根性,④失敗に学びあらゆる事態を想定,⑤できない理由を羅列するのではなく,どうしたらできるかを皆で考える,⑥皆の意見を聞き,よいものを採用,⑦各サブシステムのリーダーがその分野に専門性をもっていたこととあげ,教育に十分通じるJAXAの挑戦に会場内は大きな拍手に包まれた. 次回,第33回学会・総会は,2014年7月4日(金),5日(土),北九州市にて開催予定(大会長:西原達次氏/九州歯科大学).
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