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3月6日(日),都市センターホテル(東京都千代田区)にてSJCD 30周年記念講演会が「Make a voyage to our future-果てしなき未来へ-」をテーマに開催された. 講演会の最初には,本多正明氏(大阪府開業,SJCDインターナショナル副会長)が「“Longevity”から近未来の補綴治療を考察」と題して登壇.口腔の機能を回復し長期安定させるには咬頭嵌合位が重要であるとし,補綴物に与える咬合形態などを自身の豊富な長期症例とともに解説した. Alessandro Devigus氏(The University Freibur,The University Basel)は「Multilayered ceramics in CAD CAM Dentistry」をテーマに講演.氏は,CAD/CAMのシステムの変遷,材料特性などを解説した後,CAD/CAMシステムにおける光学印象の応用や,3ステップテクニックなどを紹介した.また,今後はミリングではなく,プリンターによって三次元的に作り上げていくシステムが発展していくとの将来展望を述べた. Inaki Gamborena氏(スペイン開業)は「Esthetic fine tuning in the complex implant case」と題し,予知性のあるインプラント治療の基準を,実際の症例を用いて解説.氏は,講演の中で,インプラント周囲組織における軟組織の重要性を説き,上顎結節付近の組織を用いた結合織移植併用症例などを供覧した. Greggory A. Kinzer氏(アメリカ開業)は「Managing Esthetic Dilemmas」と題して講演.修復物に生じたファセットを分類し,その対応法を実際の症例とともに紹介した. 記念講演の最後は,山崎長郎氏(東京都開業,SJCDインターナショナル会長)が「Interdisciplinary management of Complex Implant Treatment」をテーマに登壇.インプラント治療を行う際の無歯顎者における顎堤状態をClassⅠ~Ⅲに分類し,それらを審美性,機能性,耐久性,再治療の容易性,治療の複雑さといった観点から解説した.
また,記念講演会の前日の5日(土)には,同会場にて東京SJCD 3回例会が開催され,SJCDを代表する演者らが講演を行った. 茂野啓示氏(京都府開業,東京SJCD顧問)は,「Multi-Disciplinary Sequential treatment planning」と題し,故Raymond L Kim氏との思い出を振り返るとともに,Kim氏から教わった診断用ワックスアップからプロビジョナルレストレーションまでの重要性を解説した.また,臨床の最前線として,顎関節の動的MRIによる解析,下顎神経の再生に関する最新知見を報告した. 土屋 覚氏(歯科技工士,DENT CRAFT STUDIO)は,「The Functional Esthetic Restoration」をテーマに,10年間審美的・機能的に良好に経過した症例を分析し,チェアサイド,ラボサイドにおける役割を解説した.また,プロビジョナルレストレーションからファイナルレストレーションに移行する際に生じる患者の違和感を減少させるためのskip model methodを紹介した. 小濱忠一氏(福島県開業,東京SJCD顧問)は,「インプラント間の歯間乳頭に対する外科的・補綴的治療戦略」と題して講演.インプラント-インプラント間における歯間乳頭を維持するうえでの,プラットホームシフティングの有効性,唇側歯肉の厚みの重要性を解説した. 土屋賢司氏(東京都開業,東京SJCD前会長・顧問)は,「Comprehensive treatment strategies for complex restorative patients」と題し,中切歯を基準とした治療計画を解説.また,氏はセファロ分析を補綴治療に応用した症例を紹介した. 寺西邦彦氏(東京都開業,東京SJCD顧問)は,「日常臨床におけるDigital Technologyの活用」をテーマに講演.ペリオ,補綴,TMJ,外科などにおけるCTの有用性を実際の症例とともに解説した. 土屋和子氏(歯科衛生士,フリーランス)は,「Dr. Raymond L Kimから学んだ人生と仕事」と題して,故Raymond L Kim氏や他のSJCDの先生方との思い出を語った. 日高豊彦氏(神奈川県開業,東京SJCD副会長)は,「Guideline for Aethetic Peri-impalnt Gingival Tissue」をテーマに,生物学的幅径を考慮したインプラントのポジションなどをエビデンスを基に解説した. 鈴木真名氏(東京都開業,東京SJCD会長)は,「Solutions to Soft Tissue Recession around Implant」と題し,インプラント周囲軟組織の退縮に関する分類を提示し,軟組織退縮を結合織移植によってリカバリーした症例とともに解説した.
例会の最後には,6年間会長を務めた鈴木氏への花束贈呈などが行われた.
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