8月20日(金),歯科医師会館(東京都千代田区)にて,平成22年度 日本歯科医師会/デンツプライ スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会が開催された.
SCRPは,学生みずからが設定した研究テーマの成果を,英語によるポスタープレゼンテーション形式で競い合うもので,世界36カ国において実施されている.日本では,1995年に創設されて以来,今回で16回目の開催となり,22校より22名のクリニシャンが白熱した発表を繰り広げた.
審査の結果,臨床研究部門の第1位には,大阪歯科大学5年・岸田瑠加氏(研究テーマ:う蝕予防を目的としたまんじゅうの製作と研究),同部門第2位には日本大学歯学部5年・景山靖子氏(研究テーマ:グルテンガムを用いた局所薬物配送システムの確立を目指した研究),基礎研究部門第1位には北海道大学歯学部6年・本郷裕美氏(研究テーマ:歯根膜に対するペリオスチンの作用における組織化学的所見),同部門第2位には岡山大学歯学部4年・櫨原由理氏(研究テーマ:チオペンタール麻酔作用のマウス週齢差におけるGABAトランスポーターの関与)が上位入賞となった.
栄えある優勝には岸田氏が選出され,日本代表として本年10月にアメリカ・フロリダ州オーランドにて開催されるADA/SCRP大会に派遣され,各国のクリニシャンとともに研究発表を行うことになる.

上位入賞者.左より,景山靖子氏,岸田瑠加氏,本郷裕美氏,櫨原由理氏

優勝の岸田氏と山中武志准教授(大歯大),共同研究者の塩谷洋子氏
審査副委員長・神原正樹氏(大歯大)は講評のなかで,学会発表も可能なレベルのプレゼンテーションも散見されたこと,また学生ならではのアイデアに基づく研究こそがこれからの歯科界を盛り上げていくことについて言及され,若いクリニシャンによる今後の研究活動の継続にエールを贈った.

※優勝者の岸田氏によるADA報告記については,来春の『歯界展望』誌上にて掲載予定.