7月25日(日),東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて,標記講演会が開催された.
コンクールFはグルコン酸クロルヘキシジン,グリチルリチン酸モノアンモニウム,緑茶カテキンを配合した薬用洗口液で,ウエルテック社が1990年にリリース.以来,予防歯科の分野においてその有用性は広く認知されている.
野口英俊教授
今回の講演会は,野口英俊教授(愛知学院大)を座長に迎え「う蝕,歯周病予防―患者様の口腔内の健康をプロデュースする」をメインテーマに,4名のスピーカーが順次登壇する形で行われた.
花田信弘教授
まず花田信弘教授(鶴見大学)は,「う蝕予防のための除菌システムとフッ化物の応用」と題し講演.東洋医学の未病と既病の概念から,前者を歯科衛生士,後者を歯科医師のミッションと位置づけた.また歯科治療がメタボリックシンドローム予防に有効との視点で,具体的な手段としてPMTCと3DSの組み合わせによる長期的な口腔内安定の実現を解説した.
小野善弘氏
続いて小野善弘氏(JIADS主宰)は,「Longevity(長期の有効な治療結果)を目指す歯周治療」のテーマで講演.歯周病の進行抑制と補綴物の長期維持のためには,歯周ポケットの除去,歯槽骨の平坦化,付着歯肉の獲得が重要であることを改めて強調.そのオプションの一つとしての多彩なAPF(歯肉弁根尖側移動術)テクニックを,動画を交えた豊富な症例提示により詳述した.
村上恵子氏
村上恵子氏(東京都日野市・村上歯科医院)は,歯科衛生士の立場から「歯周病予防と歯科衛生士の役割」を解説.ホームケアとプロケアそれぞれのプラークコントロールのポイント,ライフステージ別のアプローチにふれ,患者にとっての「マイハイジニスト」として長期間働き続けることの大切さを訴えた.
内山 茂氏
最後に内山茂氏(埼玉県・ウチヤマ歯科医院)は「メインテナンスを通して見えてきたこと」と題し講演.歯肉縁上:PMTC,歯肉縁下:歯周デブライドメントと,プラークコントロールの考え方とコツをわかりやすく解説.また,力のコントロールについては,ブラキシズムとクレンチングに項目を絞り,臨床において注意すべき点を整理して伝えた.
連日の猛暑日のなか参加した800名以上の聴衆の熱気もヒートアップ.コンクールブランドへの今後の期待も高まる1日となった.
800名以上の参加者で熱気に溢れた会場