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「日本歯科技工学会 第31回学術大会」開催される

 11月22日(日),23日(月・祝)の両日,アクロス福岡(福岡市中央区)にて標記大会が「『歯科技工の趨勢を探る』―咀嚼機能の回復と審美的調和を求めて―」をメインテーマに延べ2,200名の参加者を得て開催された(大会長:斉藤武史氏/福岡県飯塚市・新飯塚歯科医院).

 

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 初日の特別講演Ⅰでは,佐藤博信氏(福岡歯科大学咬合修復学講座)が「歯科補綴の戦略―CAD/CAM補綴とインプラント治療の位置づけ―」と題して登壇(座長:斉藤氏).近年の歯科界の傾向として①CAD/CAM応用によるオールセラミックスレストレーション,②インプラント,③ホワイトニングについて解説.特に①,②については器材や術式の開発経緯を踏まえながら,ともに現在の歯科補綴治療には不可欠なものであるとし,そこで果たすべき歯科技工士の役割について,サージカルステントの製作などを例に取りながら「今後は歯科医師とのより緊密な連携が求められると考えられ,技工術式のみならずインプラントのポジショニングなどの知識を習得する必要があるでしょう」と述べた.

 

 2日目の特別講演Ⅱでは,「審美補綴とLongevityを考える」とのテーマで西村好美氏(大阪府茨木市/デンタルクリエーションアート)が講演を行った(座長:齊木好太郎氏/東京都港区・ラボラトリー・オブ・プリンシピア).西村氏は修復治療の目的である審美性・機能性の回復と生物学的・構造力学的調和を達成することにより,補綴物のLongevity(長期性)が実現されるとした.審美性回復においては,齲蝕(カリエス)や歯周病の炎症のコントロールと,咬合安定などの力のコントロールが求められると述べ,自身の臨床例を振り返りながら「歯肉退縮の可能性を考慮する」「清掃性の高い表面性状にする」など補綴物製作における要点を説明.また,機能性に関しては特に臼歯部に焦点を当て,噛み合わせに留意した隆線付与などを紹介したほか,構造力学的・生物学的調和についてはメタルアレルギー症例や材料選択の重要性などについて話した.そして最後に,「確かな知見や経験に基づいた歯科技工士を目指してこれからも研鑽を積んでほしいと思います」と参加していた若手歯科技工士や学生らの今後に期待を寄せた.

 

本大会では,特別プログラムとして実行委員会招聘演者による企画セミナー5題が組まれたほか,歯科技工士養成校の学生を対象としたテクニカルコンテストでは,当日言い渡された歯型彫刻の課題製作にその場で取り組むなど新たな試みも行われた.

 次回大会は2010年11月6日(土),7日(日)に名古屋国際会議場(名古屋市熱田区)にて開催予定である.

 

 

※本大会の詳細については,月刊『歯科技工』2010年1月号にて編集部による取材記事を掲載いたします.

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