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「Amorphous特別講演会」開催される

10月11日(日),御堂会館 教化センター(大阪市中央区)において結成2年目の新生スタディグループ「Amorphous」(会長:村田彰弘氏/大阪市中央区・カツベ歯科クリニック)による標記講演会が開催され,約160名が参加した.

 

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当日はまず,都築優治氏(京都市山科区・Ray Dental Labor)が「インプラント補綴における機能的な構造設計」と題し,症例解説を通じて,インプラント治療におけるLongevity(永続性)の獲得を目指すうえでの上部構造のフレームデザインの重要性を語るとともに,臼歯部インプラントへにかかる咬合負荷を考慮した設計の工夫を紹介した.

続いて瓜坂達也氏(大阪市中央区・Lucent Dental Laboratory)が「Seeing true colors and pure form with Dental photography」との演題にて,歯科における写真撮影でポイントとなる知識として「ヒストグラム」「ホワイトバランス」「被写界深度」「シャッタースピード」など6項目について解説したほか,歯冠形態の観察・再現のコツや陶材による色調再現のポイントについてもアドバイスを述べた

本会特別顧問でもある藤本光治氏(大阪市淀川区・ミナミ歯科クリニック)は「形態,色調,生物学的調和を求めた補綴マネージメント」とのテーマで,形態・色調・質感・歯肉との調和が得られた補綴物製作のポイントを丁寧な語り口で説明した.また,審美補綴の成功は,歯科医師と歯科衛生士による口腔内の“環境構築”が適切になされてこそ可能になるとして,補綴治療はあくまでチームプレイであることを強調した.

特別講演「21世紀におけるセラミストの変革と展望」では,浅野正司氏(愛知県春日井市・浅野デンタル・アート)が,CAD/CAMの最新技術に関する知見を紹介しつつ,将来の発展方向性を分析した.そして,臨床応用の拡大に比例してトラブルの事例も散見されるようになったジルコニアについて,メーカーの協力を得て行った実験結果を踏まえた物性や陶材との焼付け強度などに関する考察を披瀝し,適切な認識のもとにジルコニアを扱うよう促した.

 

本講演会では,審美補綴に関するハイセンス,ハイレベルなプレゼンテーションが供覧されるとともに,浅野氏や村田氏からは「次代を担う若者の手で,歯科技工をもっとやりがいのあるたのしい仕事にしよう」というメッセージが発せられた.参加者も20~30代の若手歯科技工士や歯科技工士養成校の学生がその大半を占めており,斯界の閉塞感を打破しようという気概と今後の活動への期待を感じさせるイベントとなった.

 

※本講演会については,月刊『歯科技工』11月号誌上にてRecord記事を,後続号にて参加した歯科技工士によるレポート記事を掲載する予定です.

 

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