【ケルン26日】ADDI（Association of dental dealers in Europe）とFIDE（The Federation of the European dental industry）はIDS（International Dental Show）2009会場にて，欧州15カ国を対象とする独自のマーケットサーベイである『2009 SURVEY on the European Dental Trade』を発表し，2008年は調査対象国合計の歯科医院数，歯科技工所数ともに前年よりも減少していることが明らかになった．具体的には，歯科医院数は前年比約6％減の17万9,281軒，歯科技工所数は同2％減の約5万3,000軒超で，国別で見ると歯科医院数，歯科技工所数ともにドイツや東欧諸国での減少が目立っている．歯科医院数の減少は過去5年で初めて，歯科技工所数の減少は5年連続．
欧州では，ドイツに見られる歯科医療保険制度の変更や昨今の世界的な景気低迷を背景に歯科医療を巡る環境は激変していおり，なかでも中国への歯科技工発注が増えている東欧諸国では歯科技工所の経営悪化も一部で指摘されている．歯科医師数，歯科技工士数が目立って減少している数字は確認されていないほか，歯科衛生士数は（職種としての確立度合いが国別で大きく異なるため，一部の国しか数字が示されていないものの）増加傾向にあるが，その就業母体となる歯科医院，歯科技工所の数的減少傾向が定着するようだと，「歯科医療界そのものの業態も変化を強いられるのではないか」（ミュンヘン開業のドイツ人歯科医師）との声も聞かれている．
※上記調査およびIDS2009については，月刊『歯科技工』誌上にて詳報する予定です．