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IDS2009,1500社超が出展し開催 ──Straumann社とIvoclar Vivadent社,審美補綴治療分野で提携

【ケルン24日】IDS2009がドイツ・ケルンにて開幕した.世界的な不況の影響が懸念される中,世界各国の歯科関連メーカー・商社らの出展申込みは増えている模様で,前回(IDS2007)実績比8,000㎡(約6%)増の13万8,000㎡の展示会場に1,500社を超える展示が行われ,全世界から10万人以上の来場者が訪れることが予想されている.

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 開幕初日の現地では「IDSでは2005年はジルコニアとインプラント,2007年はCAD/CAM機器とインプラントが全体を包括できるメインテーマと言えたが,今回は光学印象機器とインプラントに着目したい」(ドイツ人歯科ジャーナリスト),「今年はデジタルX線写真撮影器材の新製品が多数出展され,光学印象採得からCAD/CAMシステムを統合した全く新しい補綴物製作方法が示される」(ドイツ歯科工業会・VDDIのDr.M.ハイバッハ氏)などの声が挙がっている.

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 他方,欧州大手歯科メーカーのStraumann社(スイス)とIvoclar Vivadent社(リヒテンシュタイン)はIDS開幕前夜の23日,審美補綴治療分野の製品展開における提携合意を発表した.インプラントおよびCAD/CAM分野で強みを持つStraumann社と,セラミックス技術を得意とするIvoclar社の提携は,具体的にはIvoclar社のIPS e.max(r) zirconium dioxide ceramicを用いた新規インプラントアバットメントをStraumann社が開発・製品化することから始まり,IPS e.max lithium disilicate ceramicsを用いてコーピング,インレー,アンレー,クラウン,べニアなどの審美修復物を製作するCAD/CAMシステムも展開される模様.IDSにてお披露目される前者のアバットメントは欧州では4月,北米では6月に発売される一方,後者のCAD/CAMシステム群は1年以内に欧州を皮切りに世界各国で製品展開されるとしている.
 世界的な経済不況の影響は欧米の歯科メーカーとも無縁ではなく,各国各社とも自社の得意分野に経営資源を集中させつつ,需要拡大傾向の続いているインプラント,CAD/CAMや,光学印象からCAD/CAMによる補綴物製作までを統合する総合歯科治療システムなどの製品開発を急いでいる.各社首脳は「市場環境が厳しさを増すほど,合理的かつスピーディな製品開発が鍵になる」との認識を共有しており,今後もStraumann社とIvoclar社の提携のような,企業の垣根を超えた技術供与が広がっていく可能性もある.

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