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「平成20年度 横浜市歯科技工士会学術大会」開催される

2月15日(日),かながわ労働プラザ(横浜市中区)において標記講演会が行われ,歯科技工士を中心に約140名が参加した.

 

昨年の同講演会では,「咬合調整の少ない補綴物を考える」とのテーマで阿部伸一氏(東京歯科大学解剖学教室)が生理に即した顎関節の捉え方や解剖・機能に関連した咬合調整の重要性を解説した“理論編”を展開.それを受けた今年は「咬合調整の少ない補綴物を考える PartⅡ クラウン・デンチャー,歯科技工士の立場からそれぞれの実践編」として,総義歯製作の立場から生田龍平氏(横浜市泉区・フェリーチェ)が,クラウン・ブリッジ製作の立場から遊亀裕一氏(横浜市中区・山手デンタルアート)が,チェアサイドでの咬合調整を可及的に減らすためのラボサイドでの工夫点を披露した.

初めに登壇した生田氏は,①自由に動く顎関節をどう読むか,②咀嚼運動を咬合調整にどう活かすか,③安定する仮床の製作の3つのポイントを提示し,特に②については,ラボサイドでの咬合調整では限界運動のみを意識しがちだが,側方・前方・前側方・後側方運動についても調整することで咀嚼運動を阻害する早期接触要因を取り除くことができると述べた.また,“落ちない・浮かない”咬合床の製作には正確な模型が不可欠であり,印象採得の時点で口腔内のランドマークが適切に得られ,それを模型に再現されていなければならないと指摘した.

次に遊亀氏は,調整量が増える要因として,口腔内の咬頭嵌合位を模型上では再現できない点に着目.その対策として,動揺歯の沈み込みや倒れ込みによる変位や下顎歯列弓の幅径の変位についての理解を歯科技工士の参加者に促すとともに,それらの情報をラボサイドでの咬合器へのマウント時の調整や咬合調整に活かすために,口腔内写真やX線写真,プロービングチャートの提供によってラボサイドに伝達する必要性を歯科医師の参加者に訴えた.

 

講演終了後には,演者両氏に歯科医師の篠田浩人氏(神奈川県開業),湯田 宏氏(神奈川県開業),今村智之氏(神奈川県勤務)を交えてディスカッションが行われ,顎位の捉え方や咬合調整を未然に減らすためのポイントなどが示された.

 

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※本講演会については,月刊『歯科技工』4月号誌上においてRecord記事を,6月号誌上にて参加した歯科技工士によるレポート記事を掲載する予定です.

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