Ishiyaku Dent Web

歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士のポータルサイト

「ノリタケデンタルサプライ設立10周年記念講演会」開催

 11月24日(月・祝),ウェスティンナゴヤキャッスル(名古屋市西区)において標記講演会が開催され,歯科技工士を中心に約650名が参加した.
「Fusion with Nature ノリタケとの20年」
青嶋 仁氏(東京都大田区/ペルーラAOSHIMA)
 同社代表取締役社長・坂 清子氏と出会った20年前を振り返りつつ,坂氏に勧められた焼付用陶材『スーパーポーセレンAAA』(ノリタケデンタルサプライ)を使用した臨床例を供覧した.
「プレスかビルドアップか~その選択基準について~」山田和伸氏(名古屋市天白区/カスプデンタルサプライ)
 オールセラミックスレストレーションにおけるCAD/CAMを用いたプレステクニックのメリットとして「マージン付近をポーセレン単体で回復することによる審美性の向上」「天然歯に近似したオパール効果の獲得」「気泡のない均一なポーセレン層が可能」「作業の効率化」「クオリティの安定」の5点を提示し,本法は通常の築盛法に比べて経験に左右されずに一定の品質の修復物を製作できる技法であることを解説した.
「審美性を向上させるためのカタナコーピングの処理について」吉田明彦氏(アメリカ,Gnathos Dental Studio)
 審美修復における材料選択には「コーピングの蛍光性への理解」「明度・透明度のコントロール」が重要であるとし,特にジルコニアの白いコーピングを使用することで高い明度と透明度という,相反する特性を両立できるとした.補綴物の色の見え方については,同じ補綴物でも白い下地の上に置くと対比効果によって本来の色調よりも黄色く見えてしまうため,患者に色調を確認してもらう際にはグレーや黒の下地を用いるのが望ましいことを提示していた.
「Multiple Teeth Implant」山﨑長郎氏(東京都渋谷区/原宿デンタルオフィス)
 自身が10年前に取り組んだインプラント補綴症例(骨量の多くない上顎に骨造成を行わずにCTを活用して8本のインプラントを埋入,上部構造をワンフレームで製作)と『NobelGuide』を用いた症例(上顎左右臼歯部に骨造成を行ったうえでインプラントを埋入)の提示を通じて,インプラント治療における材料やテクニック,知見の進歩を俯瞰した.
「The Ceramic in Esthetic Dentistry」Dr. Markus B. Blatz,MDT. Michael Bergler(アメリカ,ペンシルバニア大学)
 天然歯を模倣するためには適切な材料選択を行う必要があるとし,審美修復に使用するセラミックス材料として,アルミナとジルコニアの物性を紹介した.ただ,強度に優れるとされる両材料だが,口腔内で荷重がかかることで機能は変化するため,機械強度や曲げ強度の数値のみを頼りに臨床に応用してはならないと注意を促した.

nritakeweb.JPG


「CASE STUDY」後藤博樹氏(アメリカ,Sheets & Paquette Dental Practice)徳冨博和氏(アメリカ,Cusp Dental Research Inc. Boston),林 直樹氏(アメリカ,Ultimate Styles Dental Laboratory),峯崎稔久氏(カスプデンタルサプライ)
 本企画は同一症例(上顎4前歯)の補綴物を4名の歯科技工士がそれぞれ別個に製作し,着眼点やアプローチの違いを浮き彫りにしようというもの.


(各氏の発表症例については月刊『歯科技工』誌上で詳報致します)


 各氏の発表後は,青嶋氏や特別ゲストとして招かれた山本 眞氏(大阪市中央区/山本セラミスト)が講評を行い,演者のみならず参加者にとっても,ベテラン歯科技工士の考える臨床のポイントを学ぶ絶好の機会となった.

 ※本講演会については月刊『歯科技工』誌上にて,参加歯科技工士によるレポート記事を掲載いたします.

■他のニュース記事をさがす

日付から記事をさがす
<2024年5月>
2829301234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930311
2345678
キーワードから記事をさがす

人気の歯科書籍(キーワード別)

歯科雑誌 最新号