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Wクリック講演会「最新顔面人体修復 ORAL MAXILLOFACIAL & BODY REHABILITATION」開催

 11月8日(土),東京都内において標記講演会が開催され,常國剛史氏(アヘッド ラボラトリーズInc.)による「最新顔面人体修復 ORAL MAXILLOFACIAL & BODY REHABILITATION」と題した講演を約60名の歯科技工士らが聴講した.
 常國氏は,エピテーゼ治療の長所として「新たな外科治療が不必要」「複雑な形態回復,高レベルの審美回復,色調調整が可能」「修理が容易」であることを挙げ,耳介エピテーゼや眼窩?部エピテーゼ,下唇欠損などの特殊エピテーゼなど細部にわたるエピテーゼ治療の臨床例を供覧するとともに,刺青による色調調整法も紹介した.また,自身が行った眼窩エピテーゼ治療を追ったビデオを上映し,そこでは腫瘍切除による患部欠損により家にこもりがちになっていた高齢女性の患者が治療の過程で心理的に立ち直っていく様子が描かれており,参加者はエピテーゼ治療が果たす技術的,精神的な役割を知ることができた.

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 その一方で常國氏は,エピテーゼの装着法には依然として問題点が残ると述べ,維持方法について説明.エピテーゼの装着に一般的に利用されるのは医療用接着剤であり,「低コスト」「小さなエピテーゼでは十分な維持力を発揮する」というメリットがある一方,「定位置への装着が困難」といったデメリットもあるとし,世界的に見て気候や地域によって使用に可否が生じるとした.具体的なエピテーゼ治療の過程においては.最悪の場合,自殺行為に及ぶ患部喪失後の患者の精神的ダメージのケアの重要性を再度説き,「精神科医,心理学者の専門的助言を仰ぎながら,治療を進めることが必要であり,エピテーゼを医師側から薦めることは厳禁です」と強調した.また,オーダーメイド人工頭蓋骨の製作では,3Dプリンターを用いた3Dモデル製作法を解説するなど,顎顔面補綴の多岐にわたる製作方法が示された.
 
※本講演会については今後,月刊『歯科技工』誌上にてレポート記事を掲載いたします.

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