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「平成20年度 横浜臨床講座」開催される

9月21日(日),鶴見大学会館(横浜市鶴見区)において標記講演会が開催され,歯科医師,歯科技工士135名が参加した(主催:株式会社松風/共催:神奈川県歯科技工士会.以下,神奈川県技).

 

冒頭,神奈川県技会長の伊集院正俊氏(横浜市神奈川区・伊集院ポーセレン研究所)が開会挨拶を行い,これからの高齢社会において義歯需要増加が見込まれることから歯科技工士にもより一層の研鑽が求められることを訴えた後,奥森健史氏(奈良県奈良市/デンタル・プログレッシブ開業)が登壇し,「21世紀の欠損補綴に挑む~パーシャルデンチャーデザイン~」と題し,「力のコントロール」をキーワードに据えて,欠損範囲の大きい症例においてパーシャルデンチャーを用いた咬合再構成と審美回復を行うための要点を解説した.

特に咬合再構成に関して,奥森氏は歯科技工士も咬合力が歯列弓にどのように作用するかを知っておく必要があるとして,咬合力が外方に作用する上顎には軸壁を囲むブレーシングアームが,内方に作用する下顎には舌側のコネクタから立ち上がるレストが鍵になると述べた.

また,残存歯と欠損部顎堤を義歯の支持・把持を調和させるためには義歯機能時を想定した場合の口腔内の被圧変位量の違いを歯科技工士が認識しておくことが重要であり,それを義歯設計に活かすためには初期治療時に残存歯質と歯周組織の状態に関する情報が適切にラボサイドに伝達される必要があると強調した.

歯科医師の参加者に向けては,歯列が安定してこそ適切な咬合再構成が可能になるとして,マウスプレパレーションの重要性を指摘した.

最後に,インプラントオーバーデンチャーの症例を示しながら,メインテナンスを必要最小限に抑えるためには常に一歩先を読みながら治療を進めなければならないとしたほか,パーシャルデンチャーとインプラントはどちらか一方が優れているというものではなく,あくまで症例に応じた使い分けが可能な相互補完関係にあるとの私見を述べた.

 

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なお,同日午前中には神奈川県技主催による第9回歯型彫刻コンテスト「ほるほる」が行われ,103名の参加者(学生52名,有資格者51名)が歯冠形態の観察眼と歯型彫刻のテクニックを競い合った.

 

※本講演会の内容については,月刊『歯科技工』誌上にてRecord記事を掲載いたします.また,後続号にて参加した歯科技工士による,講演会および歯型彫刻コンテストについてのレポート記事を掲載します.

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