1月12日(土),新歯科医師会館1階大会議室(東京都千代田区)において,日本歯科医学会主催「第24回 歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」が開催された.本会は,専門分野の枠を超えた,情報交換,協同により,歯科医学の発展を図ることを目的とし,午前・午後各5題,全10演題の発表が行われた.
まず最初に,生澤右子氏(東医歯大)らはリズミカルな咀嚼により,血中セロトニン濃度が上昇することを示し,疼痛やうつ病治療への応用の可能性を示唆した.渡辺大介氏(東海大)らは後期高齢者での薬剤間の相互作用や体内動態を踏まえた,抗菌剤等の薬剤の具体的な処方例を提示した,花岡洋一氏(東歯大)らは現在稼動中の,インターネットを活用したデジタルデンタルチャートを紹介し,セキュリティーの向上,検索・抽出機能の付加に向け,情報通信分野の協力を求めた.泉直也氏(新潟大)らは多血小板血漿の使用や歯の凍結保存の試みを紹介し,「歯の移植」の適応を拡大できるのでないかと述べた.外木守雄氏(東歯大)らは顎骨の移動が気道幅径に影響を及ぼすというデータをもとに,顎矯正手術が閉塞型睡眠時無呼吸障害の治療法の一つとなる可能性を提起した.
午後に入り,田中陽一氏(東歯大)らは市川市歯科医師会と連携して試行している,細胞診を活用した口腔癌早期発見システムを紹介し,普及のための課題等について述べた.中田貴氏(岡山大)らは第3の歯科疾患といわれるTooth Wearについて,同大での取り組みを紹介するとともに,全国的な疫学調査を呼びかけた.亘理文夫氏(北大)はチタン,セラミックなど各種の歯科材料のナノサイジング化とそれに対する生体反応を紹介した.間所睦氏(昭和大)は独自に開発した臨床教育用ロボットを紹介し,より臨床に近い実習が可能となったと述べた.朝波惣一郎氏(慶大)は抗凝固薬服用者が増加している現状をふまえ,抜歯について医師を含めたガイドラインを作成する必要性を訴えた.
口演終了後はロビーにて演者を囲んだポスターディスカッションが行われた.