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「第6回 モリタ歯科技工フォーラムTOKYO2008」開催される

 

 1月19日(土),大手町サンケイプラザ(東京都千代田区)において,標記大会が703名の参加者を集めて開催された(主催:株式会社モリタ).本フォーラムは毎年,歯科技工士を主対象とする演者・演目で開催されており,今回は臨床的なテーマを扱った全8題の演目が用意されたほか,参加協賛企業13社による技工製品見本市も行われ,参加者を飽きさせない内容となった.

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 メイン会場へ最初に登壇した高橋 健氏(川崎市高津区/Dental Laboratory Smile Exchange)は「Esthetic Approach in Clinical Dentistry(歯科臨床における審美的なアプローチ)」との演題で,デジタル画像を活用して各治療オプション選択後の歯冠・歯列形態や色調の変化のシミュレーション結果を患者に提示するなど,自らの臨床で行っているコンピュータの活用法を紹介.「患者の求める審美に応えるためには,歯科技工士が治療計画立案(基礎資料収集および問題点の抽出)の段階から関わることが肝要です」と訴えた.また,上記シミュレーションは患者向け情報としてだけではなく,正確な診断用ワックスアップのための貴重なビジュアル情報源として,歯科技工士自身にとっても有用性が高いことを示した.
 次に,山田和伸氏(名古屋市天白区・カナレテクニカルセンター)は「CAD/CAMオールセラミックスの変貌~ビルドアップテクニック,そしてプレステクニックへ~」との題で,メタルと比較したジルコニアコーピングの長所や各社CAD/CAMシステムごとのコーピングの透過性の違い,プレスセラミックスを用いるメリットなどオールセラミックスレストレーションに用いる材料の特徴を紹介し,「患者の求めや支台歯の色調などを総合的に勘案して使用するマテリアルを決定することが,歯科技工士には求められます」と総括した.
 最後に,主催社によるアンケートで演者としての登場を希望する声が最も多かったことを受けて海外から招聘された林 直樹氏(アメリカ・カリフォルニア州/Uitimate Styles Dental Laboratory)が登壇.「A Challenge to Natural Teeth─Live Porcerain Build up & Its Reality─」と題して,ジルコニアコーピングの特性を解説した後,陶材築盛のデモンストレーションを披露した.その中で林氏は,補綴物に天然歯様の潤いを与える独自技術「モイスチャー・コンシール・テクニック(M.C.T)」のほか,焼成するごとに色調を直感的にチェックしておくことなど,日常臨床において注意しているポイントを随所で解説した.ステージではステップごとの築盛結果をライブ映像の横に示しておくなど,工程の理解を援ける工夫も施されており,満場の参加者は短時間で多くの知見を得られる内容を堪能していた.
 林氏の講演終了後には座長の木村健二氏(千葉県松戸市・協和デンタルラボラトリー)の進行のもと,山田氏,高橋氏,林氏らによるパネルディスカッションが行われ,

「臨床知識を学ぶには,スタディグループに所属して歯科医師・歯科技工士とともに学び,わからないことがあれば素直な気持ちで教えを請うことが必要です(高橋氏)」

「ワンランク上を目指すには,何事も“人のために”という気持ちを持つことです.われわれの仕事でも,努力すればその分だけ患者が喜んでくれるのですから(山田氏)」

「“歯科技工士として何を目指すか”という問いの答えはひとつではありません.自分のため,家族のため,患者のためなど,まずは自らの目標を設定し,それを達成するための方法を模索する姿勢を持つことです(林氏)」

などと,各氏各様の知識・技術の学習方法や臨床哲学を披露した.

 ※本フォーラムについては月刊『歯科技工』2月号にてRecord記事を掲載する予定です.

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