10月7日(日),東京ガーデンパレス(東京都文京区)において標記講演会が開催され,歯科関連メーカーや出版社の出展も含めて,International Dental Academy(IDA)ラボテックスクールの卒業生など約80名が参加した.

午前中に『QDT』編集部(クインテッセンス出版)および『歯科技工』編集部(医歯薬出版)の編集者による講演「論文の書き方教室」が行われた後,午後からの会員発表では,滝澤 崇氏(東京都世田谷区・バーレン)が「ハイブリッドタイプレジンを用いた審美修復」と題して,イリュージョン効果を付与する方法や隣在歯にメタルクラウンが存在する2級インレーへのカメレオン効果の与え方など,ハイブリッドレジンを用いた補綴物製作の要点を解説.井上和光氏(東京都世田谷区・歯科技工所アドバンス)は「現代のオールセラミックス」との題で,自身が手がけた数多くのオールセラミックス症例の術前・術後の比較写真を紹介した.
また,一戸啓和氏(東京都新宿区・グリーンタワー歯科)は「私の患者様へのアプローチ」として,初対面の患者にシェードテイキングを行う際の接し方の注意点を患者の心理的側面から分析し,福島光高氏(名古屋市天白区・カナレテクニカルセンター)は「ジルコニアコーピングを使用した様々な透明感と色調の再現」との演題で,メーカー各社から発売されているCAD/CAMシステムについて比較するとともに,ジルコニアを用いて製作したクラウン・ブリッジ症例を供覧した.また,特別招待講演として,同校の教務主任を務めた西上堅二氏(長崎県長崎市・西上歯科)が「ラボテックと私」と題し,IDA開校から閉校までの約20年の歩みを振り返る数々の写真を披露,母校の歴史を卒業生一同で改めて共有し,万感胸に迫り演者が思わず涙ぐむ一幕もあった.

卒業生にとっての“止まり木”として,また卒業生に限らず若い歯科技工士の自由な学術の場としてスタートした本同窓会は,「今後も臨床に資する知識を学ぶための活動を継続するとともに,同窓会ホームページの拡充などを通じてさらなる活動の充実を図りたい」(4代目同窓会長の小田中康裕氏)としている.(了).
※本講演会における詳しい内容については,月刊『歯科技工』誌上にて歯科技工士による参加レポートを掲載する予定です.