9月22日(土),23日(日),仙台市民会館(仙台市青葉区)にて日本歯科技工学会第29回学術大会(大会長;小松正志・東北大学歯学部附属歯科技工士学校長,準備委員長;佐々木 勇・宮城県歯科技工士会長)が『歯科医療の近未来像-歯科技工の役割-』を大会テーマに開催され,歯科技工士を中心に約1,000名が参加した.
基調講演では「見えないものを科学する」をテーマに渡邉 誠氏(東北大学副学長・歯学研究科科長)が登壇し,補綴物製作に関連する目に見えない生体反応や補綴物の変化を最先端の器材を用いて計測・定量化し,科学的事実として認識することの重要性について解説.日本歯科技工学会と日本補綴歯科学会の共催企画として行われたシンポジウム「インプラントの新しい展望とその対応」では,武田孝之氏 (日本補綴歯科学会,歯科医師,東京都開業)と重村 宏氏 (日本歯科技工学会,歯科技工士,大阪府開業) がインプラント治療・技工にまつわる最新の知見を紹介した.

武田氏は“経過(時間/生体と補綴物の変化の行方)”をキーワードに,インプラントの長期症例に関する最新の学会発表・上梓論文を交えつつ,骨吸収や構造体の破損を引き起こすリスクファクターについて歯科医師と歯科技工士がともに理解・留意し,外科主導型→補綴主導型→患者主導型へと展開するインプラント治療において適切な治療・技工を施すことの意義を唱え,重村氏はラボサイドからインプラント治療における外科をサポートするためのIT(情報技術)支援器材を理解・利用することの必要性などについて話した.
次回の30回記念大会は来年11月21日(金)~23日(日),大阪市にて「世界に発信!日本の歯科技工─審美・インプラントそして教育─」をテーマに第4回国際歯科技工学会として開催される.(了)
※各講演内容や会員発表の模様などの詳細については,月刊『歯科技工』11月号誌上にてお伝えする予定です.