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「平成19年度 全都講習会」開催される

 9月8日(土),9日(日)の両日,日本歯科大学生命歯学部九段ホール(東京都千代田区)において「先進医療における歯科治療と歯科技工のコラボレーション」をテーマに標記講習会が開催され,3題ずつの講演が行われた2日間で延べ80名が参加した(主催:東京都歯科技工士会).
 初日はまず,「コンポジットレジンとグラスファイバーの臨床」と題して五味治徳氏(日本歯科大学生命歯学部歯科補綴学第2講座)がコンポジットレジンの特徴と臨床評価,グラスファイバー補強時のフレームデザインなどについて,自身の研究成果も交えて紹介した.次に,志賀 博氏(同歯科補綴学第1講座)が「全部床義歯に与える咬合様式の特徴とその選択」との演題で,Gysiのフルバランスドオクルージョン理論の再考に主眼を置きながら,Pound,Payne,Gerber,Handy,Jones,Searsらの提唱した理論の概要と,それぞれの共通点・相違点を説明し,臨床例も交えながらGysi理論の有効性を検証した.
続いて,沼部幸博氏(同歯周病学講座)が「歯周組織再生療法の現状と歯周補綴」と題し,歯周病のメカニズムやGTR法などに代表される歯周組織再生法について概説したほか,歯周組織再生と補綴修復の目的は歯牙の形態と機能の回復を図るという面で同じであり,正確な技工技術に裏付けられてこそ安定した予後が期待できるとして,再生療法が進歩しても歯科技工士に求められる役割は変わらないとの見方を示した.

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 2日目は熊澤康雄氏(同大附属病院口腔外科)が「口腔外科と歯科技工のかかわり」との演目で,口腔外科手術時に行われる各種形成・移植術について豊富なスライドで説明するとともに,模型の操作・管理やステント製作などの場面で歯科技工士が適切な技工操作を行ってこそ,外科手術の迅速性と安全性の向上が見込めると述べた.小森 成氏(同大附属病院小児・矯正科)は「矯正歯科の進歩とその歯科技工」として,矯正学や矯正臨床の最新トピックを紹介し,高度な技術を要する舌側矯正の矯正装置製作には歯科技工士の技術が不可欠であるとして,担当歯科医師との連携の重要性を示唆した.
最後に,「セラミックスとCAD/CAMの臨床」と題して新谷明喜氏(同歯科補綴学第2講座)が講演を行い,「セラミックスフレームはメタルフレームに代わりうるか?」との視点から,オールセラミックス治療に用いられる材料の物性やCAD/CAMの加工精度について多彩な資料をもとに解説した.
 本講習会は,昨年度は演目に含まれていなかった「矯正」と「CAD/CAM」関連の講演を加えることで,より幅広い分野における歯科技工士の役割を認識できる構成となり,参加者から活発な質疑もなされるなど,参加者の関心の高さがうかがえた.(編集部)

 ※本講習会の詳細は月刊『歯科技工』10月号(35巻10号)誌上のRecord記事にてお伝えします.


 

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