8月25日(土),標記講演会(主催;株式会社モリタ)がベルサール九段(東京都千代田区)にて,歯科技工士を中心とする約400名の参加者を得て開催された.
当日は森田晴夫氏(モリタ社長),坂 清子氏(ノリタケデンタルサプライ社長)の挨拶に続いて山田和伸氏(カナレテクニカルセンター)がまず,「ジルコニアと審美修復~ノリタケCAD/CAM KATANAシステムの全貌~」をテーマに,自身のラボで複数のCAD/CAMシステムを臨床応用する立場から,CAD/CAMを用いたジルコニア・オールセラミックス技工の利点や,強度・適合・色調面におけるジルコニアの優位性を語った.
次に,「審美歯科を成功させる為には…─オールセラミックスレストレーションの臨床─」と題して六人部慶彦氏(大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座)が講演し,チェアサイドの視点から長期予後をもたらす審美修復治療の必要事項を整理したうえで,予後を左右する因子としての支台歯形成に関してチェアサイドワークの留意点を示した. 続いて,米国カリフォルニア州で欧米の歯科医師とのチームワークを実践している林 直樹氏(Ultimate Style Dental Laboratory)が登壇し,「A Challenge to Natural Teeth─A smile with Balance─」との演目で,国際的な最新の審美歯科治療において歯科技工士に求められる技術や知識,考え方などについて,豊富で多彩な写真を随所に交えて具体的に説明した.また,国内未発売の材料を用いたプレステクニック技法を報告し,その臨床応用の幅が広がっていることを示していた.

本セミナーの主催社は昨今,歯科技工士向けの内容を充実させた講演会・セミナー行事を積極的に開催しており,歯科技工界での認知を広げながら各回とも活況を呈している.明るい話題が十分とは言えない歯科技工界における歯科メーカーサイドからのトライアルとして,今後の展開にも期待したい(編集部,敬称略).
本セミナーにおける各講演内容については,月刊『歯科技工』10月号(35巻10号)誌上のRecord記事にてお伝えします.