7月29日(日),第21回参議院議員選挙の投開票が行われ,比例代表選に立候補していた日本歯科医師連盟参与の石井みどり氏(自民)が,228,165票を獲得し,初当選を果たした.2回目の比例代表での立候補となる日本歯科技工士会会長,中西茂昭氏(自民)は,前回を上回る92,207票を獲得したものの,及ばなかった.
石井氏は翌30日午前,記者会見を開き万歳三唱で日歯,日歯連盟幹部らと喜びを分かち合った.「最初の関門を突破した.(自民党の職域代表のうち)医療職の当選は私だけ.きちんとした戦略をもって医療政策にあたりたい」と気を引き締めていたが,「逆風」と言われる厳しい戦いを乗り切った安堵感が表情にあらわれていた.
日歯連盟の永山一行会長は「参院選は歯科界再生の試金石と考えていた.歯科の厳しい状況を何とか脱却したいという気持ちが,票に集約されたのだろう」,日歯の大久保満男会長は「歯科界全体で石井先生を支援し,政治家も支援者も互いに学び合いながら,成長していきたい」とそれぞれ話した.
一方,落選した中西氏も30日に記者会見を開き,「結果については全国の支持者に申し訳が立たないが,歯科技工士がみずからの声を社会に発信したことは業界にとって大きな一歩である」と述べた.次回選挙への自身の立候補は「未定」としたが,「日本歯科技工士会としては選挙に挑戦し続けることになるだろう」との見方を示した.
また,敗因について日技連盟選対本部長の保田義雄氏は「歯科技工士のほか,選挙応援を受けていた日本放射線技師連盟,日本作業療法士協会など他の医療専門職も含めた支持基盤からの票を固められなかった」と話した.