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「2007年度 東京SJCDテクニシャンミーティング」開催される

 7月1日(日),SYDホール(東京都渋谷区)にて標記講演会が開催された.当日は「セラミックスクラウン製作の必要要件」をテーマに,山本尚吾氏と根岸由紀子氏(いずれも東京都新宿区・art & experience(r) B e, R)がラボ環境の整え方からジルコニアの臨床応用時の注意点,陶材築盛のヒントまで多岐にわたる講演を行い,歯科医師・歯科技工士ら約60名が参加した.(中略)

 午前の部では,山本氏がまずラボ内の空気中に舞っている粉塵の種類と量,為害性について実験や文献からのデータを基に視覚的に解説.自身が金属アレルギーとなった経験談も紹介し,歯科技工士が自身の健康に“鈍感”な現状に警鐘を鳴らした.続いて,ワックスアップ・埋没・鋳造の各ステップにおけるメタルフレームのクオリティコントロールのための注意点や修復部位ごとのマテリアルの選択,前歯部の審美性を考慮した近心・遠心ライン設定のガイドラインなどについて,自身の臨床に基づく判断基準を示した.(中略) 

 午後の部では,まず根岸氏がKerr社のハイブリッドレジン「ベルグラス」を用いたインレー製作の要点を紹介,レジンの収縮を最小限に抑えるために仮重合を繰り返しながら作業を行うことや,臼歯部インレーの色調を的確に再現するために,シェードテイキング時に臼歯のフォルムをしたカスタムシェードを使用することを提唱した.その後,再び山本氏が登壇,自身がドイツ人歯科医師のDr.Axel Kirsch氏・同歯科技工士マイスターのZtm.Gerhard Neuendorff氏らとともに手がけたCAMLOGインプラント(アルタテック社)を用いた症例を通じて,インプラント技工においてはワックスアップ時に陶材の築盛スペースを確保しておくことや,隣接面の陶材破折を未然に防ぐために適切な歯牙の大きさを付与しておくことの重要性を指摘した.最後に,VITA社の陶材『VM7』『VM9』を用いた症例を通じて天然歯に合わせた透明性や蛍光性の表現方法を紹介し,「陶材による色調再現では,歯牙の内部構造を正しく理解し,その特徴を再現できるかどうかが肝になります」との考えを示した.(中略)

  歯科医師や歯科技工士ら約60名が聴講した.JPG

 当日は十分な講演時間が確保されていたこともあり,山本氏からは豊富な話題や臨床例が提示された.参加者からは「どの症例も基本的な色合わせから細かいキャラクターの表現までしっかりと再現できていることに驚かされました」との感想が聞かれたほか,印象材の選択基準など歯科医師に対するメッセージも随所に盛り込まれており,歯科医師,歯科技工士の別を問わず多彩な臨床知識を学び取れる講演となっていた.(編集部)

※本講演会については月刊『歯科技工』8月号にてRECORD記事を掲載する予定です.

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