やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版 序
 本書は2017年2月に第1版を出版してから今年で6年が経過する.歯科医師国家試験出題基準にも変化が出てきた.ご存じのように,歯科医師国家試験は歯科医師法第9条に基づいて,「臨床上必要な歯科医学および口くう衛生に関して,歯科医師として具有すべき知識および技能について」行うとされている.直近の令和5年版歯科医師国家試験出題基準改定において下記4項目については,今後も充実を図り出題を行うと記載されている.すなわち「高齢化等による疾病構造の変化に伴う歯科診療の変化に関する内容」「地域包括ケアシステムの推進や多職種連携等に関する内容」「口腔機能の維持向上や摂食機能障害への歯科診療に関する内容」「医療安全やショック時の対応,職業倫理等に関する内容」である.いずれの項目においても口腔保健・予防歯科学の知識と技能が必要不可欠であることが理解できるであろう.
 元々,歯科医師の任務は歯科医師法第1条に示されている.すなわち「歯科医師は,歯科医療及び保健指導を掌ることによって,公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もつて国民の健康な生活を確保するものとする」ということである.「国民の健康な生活を確保する」ためには,国民一人ひとりに対する臨床的なアプローチが必要であるが,一方で,地域や組織的な努力を通じてのアプローチも必要である.言うなれば,「右手に臨床,左手に地域保健」を携えている必要がある.したがって,本書も「口腔保健・予防歯科学」なのである.
 また,視点を変えても,いわゆる政府の「経済財政運営と改革の基本方針 2022(骨太の方針2022)」にも記載されている通りに「全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積と国民への適切な情報提供,生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討,オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実,歯科医療職間・医科歯科連携をはじめとする関係職種間・関係機関間の連携,歯科衛生士・歯科技工士の人材確保,歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し,歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む.また,市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する」とされており,少子高齢化,要介護高齢者の増加,地域包括ケアシステムの確立などのわが国を取り巻く環境を見ても口腔保健・予防歯科学を十分に理解できている歯科医師と歯科医療関係者が必要不可欠なのである.特に,歯科保健医療チームを牽引している歯科医師にその知識と実践力が備わっていることは,今後のわが国の歯科保健の基礎基本であるとの認識が必要である.
 本書は,最新のデータを利用して最新の知見をわかりやすく解説することを心がけた.したがって,学生諸氏ばかりでなく地域で活躍する歯科医師の皆様にもおおいに役立つ内容であると自負している.是非,本書を十分に活用して,今後のわが国の歯科保健医療を支えてほしいと願っている.
 2023年1月
 安井利一 山下喜久
 廣瀬公治 小松ア 明
 山本龍生 弘中祥司



 本書は,これまで医歯薬出版が発行してきた『新口腔保健学』と『新予防歯科学』を一体化させ,口腔保健分野における新たな時代を見据えて企画された出版物である.
 歯科医師には,歯科医師法第1条にあるように「歯科医療及び保健指導を掌ることによって,公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もって国民の健康な生活を確保するものとする」という明確な任務がある.そして,歯科医療は臨床であり,保健指導には患者さんに対する個別で臨床的な保健指導から,学校保健や地域保健のような集団に対する保健指導もある.これらの臨床的な個別支援と集団に対する支援の両方の支援をもって国民の健康な生活を確保するのが歯科医師である.
 『新口腔保健学』と『新予防歯科学』の前身である『口腔保健学』と『予防歯科学』は,それぞれ1996年,1983年に初版本が刊行され,長い歴史の中で改訂を経て,予防臨床と地域保健活動の基礎から応用までを,学修する者にとってわかりやすく記載されてきた.
 しかし,昨今のわが国の口腔保健を取り巻く環境は教育もパラダイムシフトを余儀なくされている.2016(平成28)年9月の総務省発表によると,高齢者人口は3,461万人,総人口に占める割合は27.3%となり,21%(超高齢社会)になって久しい.特に,女性の高齢者割合が30%を超えている.この先も高齢者人口は増加の一途をたどり,2042(平成54)年の約3,900万人でピークを迎えるが,その後も,75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されている.このような状況の中,団塊の世代(約800万人)が75歳以上となる2025(平成37)年以降は,国民の医療・介護の需要がさらに増加することが見込まれており,いわゆる2025年問題に対して,国は「重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築」を実現すべく施策を展開している.
 「むし歯の洪水時代」といわれた1970(昭和45)年代から,わずかに40年が経過しただけであるが,歯科保健医療は福祉を含めて,これまで経験したことのない保健医療福祉の一体改革が必要な時代に突入したといえよう.いまや,口腔基礎医学の知識と予防臨床,そして地域保健医療福祉の知識と実践力を有する歯科医師が必要欠くべからざる存在になっている.
 本書は,このような時代において,国民の健康と豊かな生活,そして満足のいく人生に必要な知識と技術を一体化して,現在から未来の歯科医師に届けるべく,多くの専門家の力を結集して作製した教科書であり実用書である.多くの歯科医師が本書によって,来るべき日本社会の中で歯科医師がいかに重要な任務を背負っているのかを認識して活躍していただくことを心から願うものである.
 2017年2月
 安井利一 宮ア秀夫
 鶴本明久 川口陽子
 山下喜久 廣瀬公治
第1編 口腔保健・予防歯科学総論
 第1章 序論(山下喜久)
  1.口腔保健・予防歯科学とは
   1)口腔保健・予防歯科学の位置づけ
   2)口腔保健・予防歯科学の定義
   3)口腔保健・予防歯科学の展開
   4)口腔保健・予防歯科学の展望
  2.健康の概念
   1)健康とは
   2)疾病予防の概念
  3.口腔保健の現状と今後
   1)プライマリヘルスケア
   2)ヘルスプロモーション
   3)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
   4)日本の健康政策
   5)口腔保健と医の倫理
 第2章 口腔の組織と発育・機能(於保孝彦)
  1.口腔の組織と発育
   1)口腔の組織
   2)口腔の発育
  2.口腔の機能
   1)摂食嚥下
   2)発声と構音
   3)表情と審美性
   4)味覚
   5)唾液の役割
 第3章 口腔細菌の病原性(吉田明弘)
  1.ペリクル
   1)ペリクルとは
   2)ペリクルの構成成分
   3)ペリクルの生理機能
  2.口腔バイオフィルム
   1)バイオフィルムの定義
   2)口腔バイオフィルムと菌体外多糖
   3)歯面の口腔バイオフィルムの形成
   4)口腔バイオフィルム感染症
   5)マイクロバイオーム
  3.プラーク
   1)歯肉縁上プラーク
   2)歯肉縁下プラーク
   3)プラークの形成機序
   4)プラークの病原性
  4.舌苔
   1)舌苔とは
   2)舌苔と口臭
  5.歯石
   1)歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石
   2)歯石の組成
   3)歯石の形成機序
   4)歯石の病原性
  6.その他の沈着物(歯の着色)
   1)外因性着色
   2)内因性着色
 第4章 齲蝕
  1.齲蝕の概念
   1)齲蝕の定義(安細敏弘)
   2)齲蝕の進行
   3)齲蝕の病因論
  2.齲蝕の発生要因(安細敏弘,角田聡子)
   1)齲蝕の発生要因にかかわる変遷
   2)宿主と歯の要因(宿主要因)
   3)微生物の要因(病原要因)
   4)飲食物の要因(環境要因)
   5)生活環境の要因(環境要因)
  3.フッ化物の応用(友藤孝明,東 哲司)
   1)フッ化物とは
   2)フッ化物の歴史
   3)フッ化物応用法
   4)フッ化物による齲蝕予防機序
   5)フッ化物の代謝
   6)過量フッ化物の為害作用
 第5章 歯周病(天野敦雄)
  1.歯周病の定義と分類
   1)歯周病の定義
   2)歯周病の特徴
   3)歯周病の分類
  2.歯周病の発症要因
   1)歯周病発症に関与するプラーク細菌
   2)歯周組織とプラークの均衡崩壊
   3)歯周組織における免疫応答と炎症反応
   4)歯周病の病態を修飾する因子
   5)全身の健康への影響
 第6章 口臭(山賀孝之)
  1.口臭の定義と分類
   1)口臭の定義
   2)口臭の分類
  2.真性口臭症の原因
   1)口腔由来の病的口臭
   2)全身由来の病的口臭
  3.口臭強度の日内変動
  4.口臭による障害
   1)対人関係,社会性の障害
   2)歯周組織の障害
 第7章 その他の口腔疾患と予防
  1.Tooth wear(トゥースウェア)(松本 勝)
   1)咬耗症
   2)摩耗症
   3)歯の酸蝕症
  2.外傷
   1)口腔外傷の原因
   2)口腔外傷の予防とマウスガード
  3.口腔粘膜疾患・口腔がん
   1)口腔粘膜疾患
   2)口腔がん
  4.不正咬合(於保孝彦)
   1)不正咬合の種類
   2)不正咬合の評価法
   3)不正咬合の予防
  5.顎関節症(松本 勝)
   1)局所因子
   2)精神的・社会的因子
 第8章 口腔と全身の健康
  1.ライフスタイルと口腔保健(齋藤俊行)
   1)食生活
   2)喫煙
   3)飲酒
   4)ストレス
  2.全身の疾患・異常と口腔保健(嶋ア義浩)
   1)糖尿病・腎疾患
   2)循環器疾患・心疾患
   3)メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
   4)呼吸器疾患
   5)骨粗鬆症
   6)がん
   7)早産・低体重児出産
   8)フレイル,ロコモティブシンドローム
 第9章 行動科学と健康教育(杉原直樹)
  1.行動科学
   1)行動科学の成立
   2)口腔保健における行動科学(歯科保健行動)
   3)保健行動の定義と分類
   4)健康行動理論
  2.健康教育
   1)健康教育の定義
   2)健康教育の目的
   3)健康教育の要素
 第10章 口腔保健と疫学
  1.口腔疫学(山下喜久,古田美智子)
   1)疫学の定義と目的
   2)疫学研究方法
   3)データの種類と分類
   4)調査と健康管理のための集団口腔診査
   5)口腔診査法
   6)EBM(evidence based medicine)
  2.口腔保健の指標(竹下 徹)
   1)齲蝕の指標
   2)歯周病の指標
   3)口腔清掃状態の指標
   4)歯のフッ素症の指標
   5)不正咬合の指標
   6)WHOにおける自己評価の指標
 第11章 国民の口腔保健の状況(相田 潤)
  1.口腔保健の統計調査
   1)歯科疾患実態調査
   2)学校保健統計調査
   3)患者調査
   4)国民生活基礎調査
   5)国民健康・栄養調査
   6)その他の調査など
第2編 予防歯科臨床
 第1章 齲蝕予防
  1.検査・診断(川戸貴行)
   1)リスクの早期発見のための検査・診断
   2)疾病の早期発見のための検査・診断
  2.予防・管理
   1)リスクの早期発見後の予防・管理
   2)疾病の早期発見後の予防・管理
   3)CAMBRATM(竹下 玲)
  3.フッ化物の局所応用(有川量崇)
   1)フッ化物の齲蝕予防機序
   2)フッ化物の局所応用法
  4.予防填塞(シーラント)
   1)材料と術式
   2)適応
 第2章 歯周病予防(伊藤博夫)
  1.歯周病の検査・診断
   1)基本的な検査
   2)先進的な検査
   3)歯周病の診断・歯周組織の健康の診断
  2.歯周病の予防・管理
   1)リスクの診断
   2)リスクの管理(排除・軽減)
   3)歯周病予防の場面
 第3章 口臭予防(山本 健,野村義明)
  1.検査・診断
   1)官能検査(OLS)
   2)ガスクロマトグラフィ検査
   3)半導体ガスセンサー検査
   4)口臭の測定条件
  2.予防・管理
   1)口腔清掃の徹底
   2)舌苔の制御
   3)洗口液などによる口臭予防
   4)口腔内の保湿と唾液分泌促進
   5)原因となる口腔疾患の治療と不定愁訴への対応
   6)医科との連携
 第4章 プラークコントロール(森田 学)
  1.プラークコントロールの分類
   1)セルフケア,プロフェッショナルケア,コミュニティケア
   2)機械的プラークコントロールと化学的プラークコントロール
   3)歯肉縁上プラークコントロールと歯肉縁下プラークコントロール
  2.ブラッシング
   1)歯ブラシ
   2)ブラッシング方法
  3.歯間清掃
   1)デンタルフロス
   2)歯間ブラシ
   3)歯間刺激子
   4)口腔洗浄器
  4.プラークコントロールに対する動機づけ
  5.PTC,PMTC
  6.歯磨剤・洗口液
   1)歯磨剤
   2)洗口液(洗口剤)
   3)義歯洗浄剤
 第5章 禁煙支援・指導(埴岡 隆)
  1.タバコ使用への介入の背景
   1)喫煙・受動喫煙の健康影響
   2)禁煙介入を行う理由
   3)歯科で禁煙介入を行う理由
  2.禁煙支援・指導の実際
   1)WHOの簡易的禁煙支援
   2)喫煙状況の質問(Ask)と禁煙の助言(Advice)
   3)禁煙の準備状況の評価(Assess)
   4)禁煙の準備ができていない患者への動機づけ支援
   5)禁煙を希望する患者への禁煙支援(Assist)
   6)禁煙した患者に対する支援と調整(Arrange)
   7)非喫煙患者に対する受動喫煙を避ける支援
   8)加熱式タバコへの対応
 第6章 栄養・食生活指導(三浦宏子)
  1.栄養・食生活に関する健康課題と施策
  2.食生活指針と食事バランスガイド
  3.食事摂取基準
   1)エネルギーの指標
   2)栄養素の指標
   3)2020年版食事摂取基準の特色
  4.歯科における食生活指導
   1)齲蝕の予防・管理における食生活指導と代用甘味料
   2)保健機能食品・特別用途食品を活用した食生活指導
  5.食育と歯科保健
  6.栄養サポートチーム(NST)における歯科の役割
 第7章 高齢者・有病者の口腔健康管理(小関健由)
  1.口腔健康管理の定義
   1)口腔へのかかわりと口腔のケア
   2)口腔健康管理
  2.口腔機能向上支援
   1)口腔の健康とフレイル対策
   2)口腔機能向上プログラム
  3.訪問指導
   1)訪問指導時のチーム医療
   2)在宅訪問指導時の留意点
   3)施設訪問指導時の留意点
  4.摂食嚥下指導
  5.周術期等の口腔健康管理
   1)周術期等における口腔健康管理の意義
   2)医科処置に対応した口腔健康管理の留意点
   3)周術期の口腔健康管理の支援計画の策定
第3編 地域口腔保健
 第1章 地域口腔保健序論
  1.地域保健の概要(安井利一)
   1)地域保健の概念
   2)地域社会と地域での生活
   3)地域保健に関する法律
   4)地域保健に関係する組織
   5)地域保健の関係職種
  2.健康増進法と国民健康づくり(大内章嗣)
   1)地域保健の増進
   2)地域と学校,職場との連携
   3)健康づくり対策の沿革
   4)健康増進法と健康日本21
   5)8020運動と「歯・口腔の健康」
   6)歯科口腔保健の推進に関する法律(歯科口腔保健法)
  3.地域口腔保健活動の進め方
   1)活動の場
   2)地域口腔保健活動を進める際の基本的考え方
   3)地域診断
   4)活動計画の立案と実践
   5)活動の実践と評価
   6)個人情報の保護
  4.地域活動と口腔保健医療
   1)地域口腔保健をめぐる諸問題
   2)地域と歯科医療施設の連携
   3)生涯を通じた口腔保健管理とかかりつけ歯科医の役割
 第2章 母子の口腔保健
  1.母子保健の概要(廣瀬公治)
   1)母子保健の意義
   2)母子保健に関する法律
   3)母子保健事業
  2.妊産婦の口腔保健
   1)口腔の特徴
   2)妊産婦に対する口腔保健管理と指導
  3.乳幼児の口腔保健(小松ア 明)
   1)乳幼児口腔保健の現状と目標
   2)歯と口腔の疾病・異常
   3)乳児期の口腔保健指導
   4)1歳6か月児歯科健康診査
   5)3歳児歯科健康診査
   6)4,5歳児の口腔保健
   7)児童虐待と歯科医療
 第3章 学校での口腔保健(三宅達郎)
  1.学校保健の概要
   1)学校保健の意義と領域
   2)学校保健の現状
   3)学校保健関連法規
   4)学校保健関係者
  2.学校歯科保健教育
   1)歯・口の健康づくり
   2)学校歯科保健の現状
  3.学校歯科医と学校歯科保健管理
   1)学校歯科医の職務
   2)歯・口腔の健康診断
   3)健康相談,保健指導
   4)学校安全対策
   5)その他の保健管理
 第4章 成人の口腔保健(岸 光男)
  1.成人保健の概要
   1)成人保健の特徴
   2)成人保健に関連する法律
   3)成人保健の実態
  2.成人の口腔保健の概要
   1)成人の口腔の特徴
   2)成人の口腔保健状況の特徴
   3)成人の口腔保健事業
 第5章 職域での口腔保健(尾ア哲則)
  1.産業保健の概要
   1)産業保健の現状
   2)産業保健活動
  2.職場における口腔保健
   1)歯科医師による健康診断
   2)健康保持増進対策での口腔保健
   3)職場での口腔保健管理
  3.口腔にみられる職業性疾患
   1)歯の酸蝕症
   2)黄色環(カドミウムリング)
   3)摩耗症
   4)いわゆる菓子屋齲蝕
 第6章 高齢者の口腔保健(山本龍生)
  1.高齢者保健の概要
   1)高齢者保健の特徴
   2)高齢者保健に関する法律
   3)高齢者保健の実態
   4)地域包括ケアシステム
  2.高齢者の口腔保健の概要
   1)高齢者の口腔の特徴
   2)高齢者の口腔保健状況の特徴
   3)高齢者の口腔保健事業
 第7章 障害児・者の口腔保健(弘中祥司)
  1.障害の概念
   1)法と障害のとらえ方
   2)口腔保健の現状と今後
  2.障害者の口腔保健上の特性
   1)歯科治療の困難性
   2)歯科保健指導,管理とその困難性
   3)障害者の特性
第4編 国際口腔保健と災害時口腔保健
 第1章 国際口腔保健(小川祐司)
  1.国際協力
  2.国際協力機関
   1)世界保健機関(WHO)
   2)政府援助機関
   3)非政府機関(NGO/NPO)
  3.国際保健
   1)開発途上国における健康問題
   2)日本における保健問題
   3)開発途上国に必要な口腔保健
  4.世界の口腔保健状況と口腔保健従事者
   1)口腔保健状況の国際比較
   2)歯科医師数の国際比較
   3)WHO STEPwiseによるサーベイランス
  5.国際口腔保健の推進
   1)WHO口腔保健決議
   2)WHO世界口腔保健戦略
   3)今後の動き
 第2章 災害時の口腔保健(中久木康一)
  1.災害時における医療救護・保健医療体制
  2.災害時の歯科医師の責務
  3.災害時の歯科の役割
  4.フェーズごとの歯科保健医療対策
  5.多職種連携とコーディネーターの役割
  6.災害時における地域歯科保健体制の継続

 本書で使用した英語略称
 文献
 索引