第5版の序
本書『現代歯科薬理学』は昭和54年発行の初版以来,歯科学生にとり歯科薬理学の標準的教科書,参考図書として広く利用されてきた.本書は時代に則した内容変遷を遂げつつ数回にわたり版を重ねてきた.直近の改訂は平成17年に発行された第4版であり,大幅な内容の改善が行われた.しかし爾来数年を経て薬理学を取り巻く環境変化のスピードは加速するばかりで,第4版の内容も改訂せざるを得なくなった.本書の歯科学生における薬物の知識習得,臨床における薬物応用への重要な役割を考えると改訂をおろそかにすることはできず,第5版の発行はきわめて時宜を得たものと思われる.
今回の第5版は約6年ぶりの改訂であり,薬理学に関する新しい知見や臨床での薬物応用に関する最新情報を網羅することを目標として企画を行った.また同時に薬理学の膨大な知識を羅列的に記述するのではなく,重要な部分には詳細で平易な解説を付けて,より絞り込んだ内容にするよう留意してある.したがって今回の版ではページ数が第4版よりも少なくなっているが,新知見や重要な部分に関しては十分に記述されているので安心していただきたい.
本書は平成13年より提唱され版を重ねている「歯科医学教育モデル・コア・カリキュラム:教育内容ガイドライン(平成19年版)」をベースに最新版の情報も加味して項目立てを行っている.また同時に平成17年度より実施されている「臨床実習前の共用試験(CBT試験)」への標準的な学習・知識を提供できる内容となっている.さらに,平成19年に大幅な改訂が行われた「歯科医学教授要綱」の薬理学(生体と薬物)の内容を最大限に盛り込んだ.平成22年版の「歯科医師国家試験出題基準」への対応も行っている.現在我が国の歯学教育の基準となるべきこれらの提言を全て吸収し学習項目の整理を行っているので,学生諸氏には本書を大いに活用して欲しい.
第5版で充実を図った内容としては歯科臨床薬理学とも言うべき「医薬品適用上の注意」があり,学生諸氏が臨床現場において薬物応用の基礎知識を得られるようにした.旧版より導入した「ゲノム薬理」,「歯科における再生治療と薬物」に関しては最新の情報を入れたので,将来の薬理学の発展に思いを寄せていただきたい.各章の中で記述した薬物名に関しては,従来使用されている一般名を記述していることが多いが,日本医薬品一般名称データベースならびに平成23年に刊行された第十六改正日本薬局方にある局方名との対応表を巻末に付けたので利用いただきたい.
各章の旧版以来の執筆者も交代の時期となり大幅な入れ替えをお願いし,新しく教育的指導の立場に立たれた方々と交代した.旧版執筆者の方々のこれまでのご苦労に深く感謝したい.
第5版改訂中に本書の初版から第4版まで編集の中心として貢献いただいた小椋秀亮先生が先立たれたのは誠に残念であった.先生のご冥福をお祈りすると同時に,本書が広く我が国の標準的な歯科薬理学教科書として学生諸氏に利用していただくことで先生の労に報いたいと思う.
平成24年1月
編集委員 加藤 有三 大谷 啓一
篠田 壽 鈴木 邦明
戸苅 彰史
第4版の序
本書は,歯科薬理学の標準的な教科書として昭和54年に初版が発行され,その後,昭和64年に第2版,平成10年に第3版と全面的な改訂が行われてきた.この間,多くの歯学部の学生諸君から好評をもって迎えられたことは,編集に携わったものとして大きな喜びとするところである.
歯科薬理学は歯科医学における生命科学と歯科医療を連結する学問分野として,進歩発展を遂げてきた.最近では,これまで臨床適用されていた薬物が副作用のために使用中止となったり,また多くの新規薬物の登場などによって薬物情報に混乱を生じている.また歯科臨床も,齲蝕予防の進展による齲蝕の減少,高齢者や全身性疾患を伴う患者の増加などに対応して大きく変化しつつあり,21世紀の歯科医療においては,従来にも増して全身管理の知識を深めることが,歯科医師に対して強く求められている.
常に時代の要請に沿うべく,従来から改訂を重ねてきた本書も第3版の発行以来すでに7年を経過した.この7年間に,歯科医学教育の面では「歯科医学教授要綱」の大改訂ならびに「歯科医師国家試験出題基準」の4回目の改訂が行われた.また,平成13年3月に提出された「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告に基づいて,モデル・コア・カリキュラムの設定ならびにCBT試験が平成17年度から実施される予定となっている.
今般,これらの教育環境の変化に対応しつつ,また学問の進歩に合わせて本書を改訂すべく,第4版の編集を企画した.歯学部学生の標準的な教科書の改訂という基本の下に,より多くの学生諸君に理解しやすく,また講義を担当される諸先生方にとっても使いやすくするという視点で合議し,その結果,分担執筆者も大幅に入れ替えて,本書を完成するに至った次第である.
第4版では,各章での最新情報を導入することに加えて,二つの新しい章「ゲノム薬理」,「組織再生と薬物」を設けた.同時に,文章の簡略化,図表の整理などを行った.薬物の化学構造は,薬理作用の説明に必要なときに記載し,一般の薬物では代表的なもののみを記載することとした.収載薬物については,実験薬理学に関する代表的薬物は積極的に収載したが,特に臨床に使われる薬物については,現在わが国で実際に臨床適用されている薬物を中心に収載した.このため,旧版に収載されていても,副作用などの問題のために現在使用されていない薬物の多くは,第4版では除外されているので,この点にも十分に注意を払っていただきたい.
このたび上梓された第4版 現代歯科薬理学が,当代の信頼するに足る教科書として,先生方や学生諸君の座右に置かれることを切に願う次第である.
平成17年8月吉日
編集委員 小椋 秀亮
加藤 有三
篠田 壽
大谷 啓一
第3版の序
本書は,主として歯科大学・歯学部の学生を対象とする薬理学・歯科薬理学の教科書として1979年8月に初版を刊行して以来5刷を重ねたが,斯学の進歩,発展をふまえて1989年には内容を一新した第2版を刊行した.その後1990年11月には第2刷増補版を,また1995年3月には第5刷増補版を刊行してきたが,この第2版の発刊から9年を経て,このたびさらに内容をいっそう充実させた第3版を刊行するはこびとなった.
この第3版の特色は,まず,平成6年(1994)に改訂された『歯科大学学長会議/歯科医学教授要綱,歯科薬理学』の教授項目に準拠したかたちで編集されていることと,平成8年(1996)4月に公布された第十三改正日本薬局方に基づいて薬物名を原則的に統一した点である.次に,この約10年間における薬理学・歯科薬理学領域における目覚ましい発展の成果に対応して,各専門領域から新しい分担執筆者に加わっていただき,また従来からの執筆者の分担領域を一部変更し,さらに歯科臨床的視点からの解説も加えられたことである.
本書の初版以来20年になろうとするこの時期に,書名にふさわしい現代性を維持した第3版を世に送り出すことができたのは,執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として厚く感謝申し上げる次第である.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があると思われる.この第3版を基として,今後ともより斬新な,より内容の充実した教科書に育てていきたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容はおおむねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されているので,多少の精粗と不平等があり,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるところがあるかもしれない.特に小活字の部分は,学生諸君には詳しすぎる内容や他の学科でも学ぶ事柄などが記されており,その部分はとばして読んでもよいということではないが,省いても全体の意味は通じるようにしてある.これらの点は講義を行うに当たって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
なお,前回第2版までの編集責任者の1人であった小倉保己/東北大学名誉教授は現在石巻専修大学学長職を務めておられるが,現職がきわめて多忙であることから,今回の第3版の編集責任者を辞退された.たいへん残念ではあるが,まことにやむをえないことと判断して,今回から編集責任者が交代することになった.小倉保己氏の該博な知識と本書への情熱が,これまでの本書の刊行を支えてきた大きな力であったことに思いを至し,ここに同氏に対して深甚なる謝意を表する次第である.
1998年3月
編集責任者 小椋 秀亮
加藤 有三
篠田 壽
第2版の序
現代歯科薬理学の初版は1979年8月に発刊された.それから10年を経て,ここに第2版が刊行されることになった.
この第2版の内容は,昭和59年改訂の歯学教授要綱(歯科大学学長会議 歯学教授要綱改訂委員会)に掲げられている歯科薬理学教授要綱の教授項目に準拠したかたちで編集されたものである.また昭和61年6月に第十一改正日本薬局方が公布されたので,これに基づいて薬物名を統一した点,および現在厚生省において進められている歯科口腔用剤の再評価が従来臨床で使用されてきた多くの歯科用医薬品に及んできたので,その再評価結果を取り入れて編集作業が行われている点も第2版の特色といえる.第2版は初版と比べてオータコイド,救急用薬剤,ホルモン,ビタミンなどの多くの新項目が追加されており,またその内容も全体として一新され,充実したものとなった.これはこの10年間の薬理学・歯科薬理学領域におけるめざましい発展の成果をふまえた各分担執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として感謝申し上げる次第である.
このたび上梓のはこびとなった現代歯科薬理学第2版は,将来新たに改版されて行くものの原型ともなるべきものである.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があることと思われる.本書を基として今後より斬新な,より内容の充実した教科書に育てあげたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容は,概ねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握できるように編集されている.このため,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるかもしれない.この点は講義を行うにあたって本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
1989年5月
編集責任者 小椋 秀亮
小倉 保己
初版の序
近年,歯学の臨床分野は拡大・分化の一途をたどり,薬物を医療に利用する機会も多くなるにつれて,歯科医師の薬物治療に対する関心も急速にたかまってきた.今後も歯学領域における各種の疾患に関する研究が進展するにつれて,歯科臨床における薬物の重要性はますます増大してゆくであろうと思われる.その意味でも,歯学部における薬理学の教育は,一層の充実を期すべく努めることが必要である.
上記の目的を達成するためにも,また歯学領域の薬理学の講義をより充実させ,より効率的に運用するためにも,教科書の編纂は目下の急務であると考え,同学の士の賛同を得て本書の刊行を企図した.
薬理学の範囲は広く,さらに歯科専用薬剤を含む歯科薬理学の内容は膨大なものである.そこで本書においては,昭和42年改訂歯科大学学長会議,歯学教育問題調査会編“歯科薬理学教授要綱”(これは主として歯科臨床で繁用される薬物に関するもの)ならびに昭和48年,全国歯科大学・歯学部の薬理学講座担当教官の合意によって補訂した“歯科薬理学教授要綱”に準拠して一応の内容項目の選定を行った.これはあくまでも便宜上のことであり,歯科薬理学の進歩に対応して本書にとりあげた項目が将来改訂されていくことは言うまでもない.
本書の内容は,それぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握されるように工夫されている.このため,学生諸君にはやや難解なものとして受取られるかもしれない.この点は,講義を行うにあたって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点なしとしない.また,本書の刊行準備にとりかかってから発刊に至るまでに,分担執筆による諸般の事情により長年月を経ることになった.したがって,本書の内容は必ずしも各執筆者の意に満ちたものばかりとは言えないところもあろうが,その点も編集責任者の責である.今後できるだけ早い機会に補訂を行い,さらに改訂を重ねつつ,本書をより斬新な,より充実した教科書に育てあげたいと考えている.歯科医学の関係機関はもとより,医学領域の方々にも本書が利用されるならば,編集責任者として望外の喜びである.
本書の刊行にあたり,歯学における薬理学教育の大先達,日本学士院会員,東京医科歯科大学名誉教授,昭和大学歯学部長,岡田正弘先生の序文を賜わったことに深く感謝の意を表するとともに,厚く御礼申し上げる次第である.
1979年8月
編集責任者 小椋 秀亮
小倉 保己
本書『現代歯科薬理学』は昭和54年発行の初版以来,歯科学生にとり歯科薬理学の標準的教科書,参考図書として広く利用されてきた.本書は時代に則した内容変遷を遂げつつ数回にわたり版を重ねてきた.直近の改訂は平成17年に発行された第4版であり,大幅な内容の改善が行われた.しかし爾来数年を経て薬理学を取り巻く環境変化のスピードは加速するばかりで,第4版の内容も改訂せざるを得なくなった.本書の歯科学生における薬物の知識習得,臨床における薬物応用への重要な役割を考えると改訂をおろそかにすることはできず,第5版の発行はきわめて時宜を得たものと思われる.
今回の第5版は約6年ぶりの改訂であり,薬理学に関する新しい知見や臨床での薬物応用に関する最新情報を網羅することを目標として企画を行った.また同時に薬理学の膨大な知識を羅列的に記述するのではなく,重要な部分には詳細で平易な解説を付けて,より絞り込んだ内容にするよう留意してある.したがって今回の版ではページ数が第4版よりも少なくなっているが,新知見や重要な部分に関しては十分に記述されているので安心していただきたい.
本書は平成13年より提唱され版を重ねている「歯科医学教育モデル・コア・カリキュラム:教育内容ガイドライン(平成19年版)」をベースに最新版の情報も加味して項目立てを行っている.また同時に平成17年度より実施されている「臨床実習前の共用試験(CBT試験)」への標準的な学習・知識を提供できる内容となっている.さらに,平成19年に大幅な改訂が行われた「歯科医学教授要綱」の薬理学(生体と薬物)の内容を最大限に盛り込んだ.平成22年版の「歯科医師国家試験出題基準」への対応も行っている.現在我が国の歯学教育の基準となるべきこれらの提言を全て吸収し学習項目の整理を行っているので,学生諸氏には本書を大いに活用して欲しい.
第5版で充実を図った内容としては歯科臨床薬理学とも言うべき「医薬品適用上の注意」があり,学生諸氏が臨床現場において薬物応用の基礎知識を得られるようにした.旧版より導入した「ゲノム薬理」,「歯科における再生治療と薬物」に関しては最新の情報を入れたので,将来の薬理学の発展に思いを寄せていただきたい.各章の中で記述した薬物名に関しては,従来使用されている一般名を記述していることが多いが,日本医薬品一般名称データベースならびに平成23年に刊行された第十六改正日本薬局方にある局方名との対応表を巻末に付けたので利用いただきたい.
各章の旧版以来の執筆者も交代の時期となり大幅な入れ替えをお願いし,新しく教育的指導の立場に立たれた方々と交代した.旧版執筆者の方々のこれまでのご苦労に深く感謝したい.
第5版改訂中に本書の初版から第4版まで編集の中心として貢献いただいた小椋秀亮先生が先立たれたのは誠に残念であった.先生のご冥福をお祈りすると同時に,本書が広く我が国の標準的な歯科薬理学教科書として学生諸氏に利用していただくことで先生の労に報いたいと思う.
平成24年1月
編集委員 加藤 有三 大谷 啓一
篠田 壽 鈴木 邦明
戸苅 彰史
第4版の序
本書は,歯科薬理学の標準的な教科書として昭和54年に初版が発行され,その後,昭和64年に第2版,平成10年に第3版と全面的な改訂が行われてきた.この間,多くの歯学部の学生諸君から好評をもって迎えられたことは,編集に携わったものとして大きな喜びとするところである.
歯科薬理学は歯科医学における生命科学と歯科医療を連結する学問分野として,進歩発展を遂げてきた.最近では,これまで臨床適用されていた薬物が副作用のために使用中止となったり,また多くの新規薬物の登場などによって薬物情報に混乱を生じている.また歯科臨床も,齲蝕予防の進展による齲蝕の減少,高齢者や全身性疾患を伴う患者の増加などに対応して大きく変化しつつあり,21世紀の歯科医療においては,従来にも増して全身管理の知識を深めることが,歯科医師に対して強く求められている.
常に時代の要請に沿うべく,従来から改訂を重ねてきた本書も第3版の発行以来すでに7年を経過した.この7年間に,歯科医学教育の面では「歯科医学教授要綱」の大改訂ならびに「歯科医師国家試験出題基準」の4回目の改訂が行われた.また,平成13年3月に提出された「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告に基づいて,モデル・コア・カリキュラムの設定ならびにCBT試験が平成17年度から実施される予定となっている.
今般,これらの教育環境の変化に対応しつつ,また学問の進歩に合わせて本書を改訂すべく,第4版の編集を企画した.歯学部学生の標準的な教科書の改訂という基本の下に,より多くの学生諸君に理解しやすく,また講義を担当される諸先生方にとっても使いやすくするという視点で合議し,その結果,分担執筆者も大幅に入れ替えて,本書を完成するに至った次第である.
第4版では,各章での最新情報を導入することに加えて,二つの新しい章「ゲノム薬理」,「組織再生と薬物」を設けた.同時に,文章の簡略化,図表の整理などを行った.薬物の化学構造は,薬理作用の説明に必要なときに記載し,一般の薬物では代表的なもののみを記載することとした.収載薬物については,実験薬理学に関する代表的薬物は積極的に収載したが,特に臨床に使われる薬物については,現在わが国で実際に臨床適用されている薬物を中心に収載した.このため,旧版に収載されていても,副作用などの問題のために現在使用されていない薬物の多くは,第4版では除外されているので,この点にも十分に注意を払っていただきたい.
このたび上梓された第4版 現代歯科薬理学が,当代の信頼するに足る教科書として,先生方や学生諸君の座右に置かれることを切に願う次第である.
平成17年8月吉日
編集委員 小椋 秀亮
加藤 有三
篠田 壽
大谷 啓一
第3版の序
本書は,主として歯科大学・歯学部の学生を対象とする薬理学・歯科薬理学の教科書として1979年8月に初版を刊行して以来5刷を重ねたが,斯学の進歩,発展をふまえて1989年には内容を一新した第2版を刊行した.その後1990年11月には第2刷増補版を,また1995年3月には第5刷増補版を刊行してきたが,この第2版の発刊から9年を経て,このたびさらに内容をいっそう充実させた第3版を刊行するはこびとなった.
この第3版の特色は,まず,平成6年(1994)に改訂された『歯科大学学長会議/歯科医学教授要綱,歯科薬理学』の教授項目に準拠したかたちで編集されていることと,平成8年(1996)4月に公布された第十三改正日本薬局方に基づいて薬物名を原則的に統一した点である.次に,この約10年間における薬理学・歯科薬理学領域における目覚ましい発展の成果に対応して,各専門領域から新しい分担執筆者に加わっていただき,また従来からの執筆者の分担領域を一部変更し,さらに歯科臨床的視点からの解説も加えられたことである.
本書の初版以来20年になろうとするこの時期に,書名にふさわしい現代性を維持した第3版を世に送り出すことができたのは,執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として厚く感謝申し上げる次第である.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があると思われる.この第3版を基として,今後ともより斬新な,より内容の充実した教科書に育てていきたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容はおおむねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されているので,多少の精粗と不平等があり,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるところがあるかもしれない.特に小活字の部分は,学生諸君には詳しすぎる内容や他の学科でも学ぶ事柄などが記されており,その部分はとばして読んでもよいということではないが,省いても全体の意味は通じるようにしてある.これらの点は講義を行うに当たって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
なお,前回第2版までの編集責任者の1人であった小倉保己/東北大学名誉教授は現在石巻専修大学学長職を務めておられるが,現職がきわめて多忙であることから,今回の第3版の編集責任者を辞退された.たいへん残念ではあるが,まことにやむをえないことと判断して,今回から編集責任者が交代することになった.小倉保己氏の該博な知識と本書への情熱が,これまでの本書の刊行を支えてきた大きな力であったことに思いを至し,ここに同氏に対して深甚なる謝意を表する次第である.
1998年3月
編集責任者 小椋 秀亮
加藤 有三
篠田 壽
第2版の序
現代歯科薬理学の初版は1979年8月に発刊された.それから10年を経て,ここに第2版が刊行されることになった.
この第2版の内容は,昭和59年改訂の歯学教授要綱(歯科大学学長会議 歯学教授要綱改訂委員会)に掲げられている歯科薬理学教授要綱の教授項目に準拠したかたちで編集されたものである.また昭和61年6月に第十一改正日本薬局方が公布されたので,これに基づいて薬物名を統一した点,および現在厚生省において進められている歯科口腔用剤の再評価が従来臨床で使用されてきた多くの歯科用医薬品に及んできたので,その再評価結果を取り入れて編集作業が行われている点も第2版の特色といえる.第2版は初版と比べてオータコイド,救急用薬剤,ホルモン,ビタミンなどの多くの新項目が追加されており,またその内容も全体として一新され,充実したものとなった.これはこの10年間の薬理学・歯科薬理学領域におけるめざましい発展の成果をふまえた各分担執筆者各位の努力の賜であり,編集責任者として感謝申し上げる次第である.
このたび上梓のはこびとなった現代歯科薬理学第2版は,将来新たに改版されて行くものの原型ともなるべきものである.編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点があることと思われる.本書を基として今後より斬新な,より内容の充実した教科書に育てあげたいと考えている.
初版の“はしがき”にも記したように,本書の内容は,概ねそれぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握できるように編集されている.このため,学生諸君にとってはいささか難解なものとして受け取られるかもしれない.この点は講義を行うにあたって本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
1989年5月
編集責任者 小椋 秀亮
小倉 保己
初版の序
近年,歯学の臨床分野は拡大・分化の一途をたどり,薬物を医療に利用する機会も多くなるにつれて,歯科医師の薬物治療に対する関心も急速にたかまってきた.今後も歯学領域における各種の疾患に関する研究が進展するにつれて,歯科臨床における薬物の重要性はますます増大してゆくであろうと思われる.その意味でも,歯学部における薬理学の教育は,一層の充実を期すべく努めることが必要である.
上記の目的を達成するためにも,また歯学領域の薬理学の講義をより充実させ,より効率的に運用するためにも,教科書の編纂は目下の急務であると考え,同学の士の賛同を得て本書の刊行を企図した.
薬理学の範囲は広く,さらに歯科専用薬剤を含む歯科薬理学の内容は膨大なものである.そこで本書においては,昭和42年改訂歯科大学学長会議,歯学教育問題調査会編“歯科薬理学教授要綱”(これは主として歯科臨床で繁用される薬物に関するもの)ならびに昭和48年,全国歯科大学・歯学部の薬理学講座担当教官の合意によって補訂した“歯科薬理学教授要綱”に準拠して一応の内容項目の選定を行った.これはあくまでも便宜上のことであり,歯科薬理学の進歩に対応して本書にとりあげた項目が将来改訂されていくことは言うまでもない.
本書の内容は,それぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握されるように工夫されている.このため,学生諸君にはやや難解なものとして受取られるかもしれない.この点は,講義を行うにあたって,本書の活用に十分な配慮をはらうとともに,本書が生きた教科書として利用されることを願うものである.
編集責任者としては,できるかぎり,用語その他に全体としての統一性を維持することに努めたが,なお不備な点なしとしない.また,本書の刊行準備にとりかかってから発刊に至るまでに,分担執筆による諸般の事情により長年月を経ることになった.したがって,本書の内容は必ずしも各執筆者の意に満ちたものばかりとは言えないところもあろうが,その点も編集責任者の責である.今後できるだけ早い機会に補訂を行い,さらに改訂を重ねつつ,本書をより斬新な,より充実した教科書に育てあげたいと考えている.歯科医学の関係機関はもとより,医学領域の方々にも本書が利用されるならば,編集責任者として望外の喜びである.
本書の刊行にあたり,歯学における薬理学教育の大先達,日本学士院会員,東京医科歯科大学名誉教授,昭和大学歯学部長,岡田正弘先生の序文を賜わったことに深く感謝の意を表するとともに,厚く御礼申し上げる次第である.
1979年8月
編集責任者 小椋 秀亮
小倉 保己
薬理学総論
1章 民間療法から歯科薬理学まで(加藤有三)
I くすりと民間療法
II 漢方医療から西洋医学へ
III 薬物治療学と薬理学の導入
IV 薬理学の領域
V 歯科薬理学の概念と教育
2章 薬理作用(大谷啓一)
I 薬と医療
II 薬物療法の種類
1 原因療法
2 対症療法
3 補充療法
4 予防療法
III 薬理作用の様式
1 器質的変化
2 機能的変化
IV 薬理作用の基本形式
1 興奮作用
2 抑制作用
3 刺激作用
4 補充作用
5 抗感染作用
V 薬理作用の分類
1 局所作用と全身作用
2 直接作用と間接作用
3 主作用と副作用
4 選択的作用と一般作用
VI 薬物の併用
1 協力作用
2 拮抗作用
3章 用量と薬理作用(山田庄司)
I 用量−反応関係
1 用量−反応曲線
2 50%有効量と50%致死量
3 治療係数
4 薬物血中濃度モニタリング
II 薬用量を表す概念的な用語
4章 薬理作用の機序
I 薬物受容体とリガンド(若森 実)
1 作動薬
2 拮抗薬
3 余剰受容体
II 受容体を介する薬理作用
1 細胞膜受容体
2 細胞質および核内受容体
III 受容体を介さない薬理作用(鈴木邦明)
1 膜輸送タンパク質に作用する薬物
2 酵素に作用する薬物
3 核酸に作用する薬物
4 細胞膜・脂質に作用する薬物
5 代謝拮抗物質による作用
6 物理化学的作用
5章 生体内生理活性物質・情報伝達
I 神経伝達物質(兼松 隆)
1 アセチルコリン
2 カテコラミン
3 抑制性アミノ酸
4 興奮性アミノ酸
II オータコイド(加藤有三)
1 ヒスタミン
2 セロトニン
3 血漿キニン類
4 エイコサノイド
5 血小板活性化因子
III ホルモン(戸苅彰史)
1 ホルモンの特徴
2 ホルモンの種類と分類
3 フィードバック調節
4 ホルモン分泌の調節
5 ホルモンの作用機序
IV サイトカイン(兼松 隆)
V 成長因子
6章 薬物動態(山田庄司)
I 薬物動態とは
II 生体膜通過様式
1 受動拡散(単純拡散)
2 濾過
3 特殊輸送機構
4 膜動輸送
III 薬物トランスポーター
IV 薬物の適用方法の種類と特徴
1 全身適用と局所適用
2 薬物の適用方法と血中薬物濃度の経時的変化
3 消化管粘膜への適用
4 注射による適用
5 気道上皮への適用
6 その他の体表面への適用
7 歯への適用
V 吸収過程
1 薬物の溶出速度
2 食物や飲料の影響
3 消化管内pH
4 内臓血流量
VI 分布過程
1 血中における薬物存在様式
2 薬物の分布に影響する要因
VII 消失過程
1 代謝過程
2 排泄過程
VIII 薬物動態理論
1 コンパートメント・モデル
2 生物学的利用能
3 分布容積
4 クリアランス
5 糸球体濾過速度
6 生物学的半減期
7 反復投与時の血中薬物濃度
7章 薬物の効果に影響する諸因子(篠田 壽)
I 生体側の因子
1 用量
2 年齢
3 動物の種差
4 人種差,動物の系統差
5 個体差
6 性差
7 疾病
8 外部環境
9 栄養状態
10 遺伝的素因
11 プラセボ効果
12 薬物の投与時刻
II 薬物側の因子あるいは製剤側の因子
III ドラッグデリバリーシステム
IV 連用と併用
8章 薬物の連用(大谷啓一)
I 耐性
1 脱感受性
2 薬物耐性
II 薬物依存
1 身体依存
2 精神依存
III 薬物の蓄積
9章 薬物の副作用・有害作用・相互作用(藤井 彰)
I 薬物の有害作用の原因
1 薬物アレルギー
2 催奇形性作用
3 薬物依存
4 発癌性作用
5 その他
II 一般的有害作用の分類
1 血液障害
2 消化器障害
3 肝障害
4 腎障害
5 呼吸器障害
6 中枢神経障害
7 皮膚障害
III 歯科領域における薬物の副作用・有害作用
1 歯肉増殖症
2 口腔乾燥症
3 唾液分泌過剰
4 歯の形成障害と着色
5 味覚障害
6 口唇異常感
7 口内炎
IV 副作用の予知と回避
V 薬物相互作用
1 薬力学的薬物相互作用
2 薬物動態学的薬物相互作用
10章 医薬品適用上の注意(大谷啓一)
I 妊婦に対する薬物投与
1 妊娠初期
2 妊娠中期以降から分娩まで
II 授乳婦に対する薬物投与
III 小児に対する薬物投与
IV 高齢者に対する薬物投与
1 高齢者の薬物反応
2 高齢者の薬物動態
3 高齢者の薬物投与における注意点
V 全身的疾患を有する患者への薬物投与
11章 薬物と医薬品(土屋文人,原澤秀樹)
I 医薬品の開発
1 医薬品の開発と承認審査までの流れ
2 保険外併用療養費制度
II 医薬品
1 医薬品の法的位置づけ
2 医薬品の取り扱い
3 医薬品の剤形
III 医薬品の適用と処方せん
1 処方せんの機能
2 処方せんの記載事項
IV 医薬品の管理
1 医薬品情報
2 医療安全対策
3 院内感染対策
4 医薬品による健康被害
5 薬害
12章 ゲノム薬理(青木和広)
1 ゲノム創薬
2 オーダーメイド医療
薬理学各論
13章 末梢神経系に作用する薬物(戸苅彰史)
I 末梢神経の分類
1 体性神経系
2 自律神経系
II ニューロン間の情報伝達と薬物
III 交感神経に作用する薬物
1 アドレナリン作動薬
2 抗アドレナリン薬
3 交感神経ニューロン遮断薬
IV 副交感神経に作用する薬物
1 コリン作動薬
2 抗コリン薬
V 自律神経節に作用する薬物
1 神経節興奮薬
2 神経節遮断薬
VI 神経筋接合部に作用する薬物
1 神経筋接合部興奮薬
2 神経筋接合部遮断薬
14章 中枢神経系に作用する薬物
I 全身麻酔薬(大井久美子)
[総論]
1 全身麻酔
2 全身麻酔薬の作用機序
3 吸入麻酔薬
4 麻酔前投薬
[各論]
1 吸入麻酔薬
2 静脈麻酔薬
II アルコール(中西 博)
III 麻薬性鎮痛薬
1 痛覚の伝達経路
2 麻薬性鎮痛薬
3 非麻薬性鎮痛薬
4 麻薬拮抗薬
IV 催眠薬および鎮静薬(兼松 隆)
[総論]
1 睡眠障害と催眠薬の選択
2 睡眠障害の原因
3 睡眠のパターン
4 催眠薬の分類と特徴
[各論]
1 ベンゾジアゼピン系
2 バルビツール酸系
3 その他
V 向精神薬
[総論]
1 抗精神病薬
2 抗不安薬
3 抗うつ薬・抗躁薬
4 セロトニン神経系に作用する薬
[各論]
1 抗精神病薬
2 抗不安薬
3 抗うつ薬・抗躁薬
VI 抗てんかん薬
[総論]
[各論]
VII 中枢神経興奮薬(筑波隆幸)
1 大脳作用型興奮薬
2 脳幹作用型興奮薬
3 脊髄作用型興奮薬
4 幻覚剤
VIII パーキンソン病治療薬
IX 脳循環代謝改善薬
1 脳代謝賦活薬
2 脳循環改善作動薬
X 認知症治療
15章 循環系に作用する薬物(木村智彦)
I 高血圧治療薬
1 Ca拮抗薬
2 AII受容体拮抗薬
3 ACE阻害薬
4 利尿薬
5 β受容体遮断薬
6 α1受容体遮断薬
7 その他
II 心不全治療薬
1 強心薬
2 AII受容体拮抗薬およびACE阻害薬
3 利尿薬
4 その他
III 不整脈治療薬
1 Na+チャネル抑制薬
2 β受容体遮断薬
3 K+チャネル抑制薬
4 Ca拮抗薬
5 その他
IV 狭心症治療薬
1 硝酸薬
2 β受容体遮断薬
3 Ca拮抗薬
4 抗血小板薬
16章 血液および造血臓器に作用する薬物(岡元邦彰)
[総論]
I 止血−線溶機構
1 血小板の凝集
2 凝固因子の活性化
3 線溶
[各論]
II 止血薬
1 全身性止血薬
2 局所的止血薬
III 抗凝固薬
1 血小板凝集抑制薬
2 経口抗凝固薬
3 ヘパリン製剤
4 血栓溶解剤
IV 貧血に用いられる薬
1 鉄
2 葉酸
3 ビタミンB12
4 エリスロポエチン
17章 腎臓に作用する薬物(山田庄司)
I 腎臓の機能
1 血圧の調節機能
2 酸塩基平衡の維持機能
3 薬物などの外来性有害物質や老廃物質の排泄機能
4 内分泌機能
II 利尿薬
III 抗利尿薬
18章 呼吸器系に作用する薬物(大谷啓一)
I 呼吸促進薬
1 呼吸中枢刺激薬
2 麻薬による呼吸抑制拮抗薬
II 鎮咳薬
1 中枢性麻薬性鎮咳薬
2 中枢性非麻薬性鎮咳薬
III 去痰薬
1 気道分泌促進薬
2 気道粘液修復薬
3 気道粘液溶解薬
IV 気管支拡張薬,気管支喘息治療薬
1 β2受容体刺激薬
2 キサンチン誘導体
3 抗コリン薬
4 ステロイド性抗炎症薬
5 抗アレルギー薬
19章 消化器系に作用する薬物(山ア 純)
[総論]
I 胃の構造と消化管ホルモン
II 胃酸分泌機構と胃粘膜防御機構
1 中枢〜迷走神経からの胃酸分泌制御
2 壁細胞の胃酸分泌機能
3 内分泌細胞の胃酸分泌制御
4 胃粘膜防御機構
[各論]
III 消化性潰瘍治療薬
[攻撃因子抑制薬]
1 プロトンポンプ阻害薬
2 H2受容体拮抗薬
3 制酸薬
4 抗コリン薬
5 抗ガストリン薬
6 ヘリコバクター・ピロリ菌除菌薬
7 抗ペプシン薬
[防御因子促進薬]
IV 腸に作用する薬物
1 止瀉薬
2 瀉下薬
3 過敏性腸症候群治療薬
4 整腸薬など
V 肝臓,胆嚢に作用する薬物
1 利胆薬・胆石溶解薬
2 肝疾患治療薬
20章 ホルモンおよびホルモン拮抗薬・代謝性疾患治療薬
I インスリンと経口糖尿病治療薬(戸苅彰史)
1 インスリンの合成・分泌・作用
2 糖尿病
3 糖尿病治療薬
II 甲状腺ホルモンと抗甲状腺薬
1 生合成・分泌・作用
2 甲状腺機能亢進症の治療薬
3 甲状腺機能低下症の治療薬
III 性ホルモンと性ホルモン拮抗薬
1 性ホルモンの分泌制御と生理作用
2 アンドロゲン製剤
3 抗アンドロゲン薬
4 エストロゲン製剤
5 プロゲステロン製剤
6 抗エストロゲン薬
7 経口避妊薬
IV 脂質異常症治療薬(岡元邦彰)
1 コレステロール合成阻害
2 胆汁酸阻害
3 コレステロールトランスポーター阻害薬
4 VLDLからLDLへの異化の亢進
5 脂肪酸合成阻害
6 LDL取り込み促進薬
V 痛風治療薬
1 急性発作治療薬
2 尿酸排泄促進薬
3 尿酸生合成阻害薬
21章 ビタミン(鈴木邦明)
[総論]
I ビタミン概説
1 ビタミンとは
2 脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン
3 ビタミン類似物質
[各論]
II 脂溶性ビタミン
1 ビタミンA
2 ビタミンD
3 ビタミンE
4 ビタミンK
III 水溶性ビタミン
1 ビタミンB群
2 ビタミンC
IV サプリメント
歯科薬理学各論
22章 局所麻酔薬(鈴木邦明)
[総論]
I 局所麻酔薬の一般的性質
II 基本的化学構造と分類
III 作用点と作用機序
1 痛覚の伝導とその遮断
2 局所麻酔薬の解離型と非解離型の割合
IV 作用部位での有効濃度に影響する因子
1 局所麻酔薬の水溶液中での安定性とpH
2 炎症などの局所の状態と作用部位のpH
3 局所の血管分布
V 代謝
VI 全身作用
1 中枢神経系
2 循環系
3 その他
VII 血管収縮薬の併用
VIII 副作用,有害作用
1 局所的為害作用
2 疼痛性ショック
3 過換気症候群
4 局所麻酔中毒
5 過敏症
6 悪性高熱症
IX 局所麻酔薬の適用法
1 表面麻酔
2 浸潤麻酔
3 伝達麻酔
4 脊髄麻酔
5 硬膜外麻酔
[各論]
X 主なエステル型局所麻酔薬
XI 主なアミド型局所麻酔薬
XII 歯科領域で使用される局所麻酔薬
1 歯科用局所麻酔薬
2 歯科領域で使用可能な局所麻酔薬
3 表面麻酔薬
23章 救急用薬物(鮎瀬卓郎)
I 救急時に使用される薬物
1 酸素
2 循環作動薬
II 歯科治療中に起こる合併症の治療
1 頻度の高い合併症への対応
2 症状の重篤化に伴う心停止への対応
24章 抗炎症薬,解熱鎮痛薬,抗ヒスタミン薬
[総論]
I 炎症治療の基本概念(加藤有三)
II 炎症の臨床所見
III 炎症の経過と炎症性病理変化
IV 炎症性疼痛と内因性発痛物質
V 歯科における代表的炎症性疾患
VI 炎症のケミカルメディエーター
VII サイトカイン
[各論]
VIII ステロイド性抗炎症薬(戸苅彰史)
IX 非ステロイド性抗炎症薬(加藤有三)
1 非ステロイド性抗炎症薬の概要
2 酸性非ステロイド性抗炎症薬に共通した薬理作用と作用機序
3 酸性非ステロイド性抗炎症薬に共通した有害作用
X 我が国で使用されている酸性非ステロイド性抗炎症薬
1 サリチル酸誘導体
2 フェナム酸誘導体
3 アリール酢酸誘導体
4 プロピオン酸誘導体
5 オキシカム誘導体
6 COX-2選択的阻害作用の強い酸性NSAIDs
7 酸性NSAIDsのプロドラッグ
XI 塩基性非ステロイド性抗炎症薬
XII 解熱鎮痛薬
1 ピリン系解熱鎮痛薬
2 非ピリン系解熱鎮痛薬
XIII 配合鎮痛剤
XIV NSAIDsおよび解熱鎮痛薬の臨床応用
XV NSAIDs投与時の特別な注意事項
XVI 酵素製剤(消炎酵素薬)
XVII 抗ヒスタミン薬
1 H1受容体拮抗薬
2 H2受容体拮抗薬
XVIII 片頭痛治療薬
1 片頭痛発作時の治療薬
2 片頭痛予防薬
25章 抗感染症薬
[総論]
I 抗感染症薬の基礎的事項(筑波隆幸)
1 定義
2 選択毒性
3 殺菌作用と静菌作用
4 抗菌スペクトル
II 抗感染症薬の作用機序
1 細胞壁合成阻害
2 細胞膜障害
3 核酸合成阻害
4 タンパク質合成阻害
5 葉酸合成阻害
III 耐性獲得の機序
IV 抗感染症薬の生体内分布
V MRSAに対する薬物投与
VI 化学療法薬の副作用
VII 抗感染症薬による副現象
[各論]
VIII サルファ薬
IX β-ラクタム系抗菌薬
1 ペニシリン系抗菌薬
2 セフェム系抗菌薬
3 カルバペネム系抗菌薬
4 ペネム系抗菌薬
5 モノバクタム系抗菌薬
6 β-ラクタマーゼ阻害薬
X アミノグリコシド系抗菌薬(佐藤友昭)
XI マクロライド系抗菌薬
XII リンコマイシン系抗菌薬
XIII テトラサイクリン系抗菌薬
XIV クロラムフェニコール系抗菌薬
XV ペプチド系抗菌薬
XVI ピリドンカルボン酸系抗菌薬
1 キノロン系抗菌薬
2 ニューキノロン系抗菌薬
XVII ホスホマイシン系抗菌薬
XVIII 抗結核薬
1 イソニアジド
2 リファンピシン
3 エタンブトール
4 その他
XIX 抗真菌薬
1 ポリエン系抗真菌薬
2 アリルアミン系抗真菌薬
3 アゾール系抗真菌薬
4 フロロピリミジン系抗真菌薬
5 キャンディン系抗真菌薬
6 その他の抗真菌薬
XX 抗ウイルス薬(出山義昭)
26章 免疫機能に影響する薬物(加藤裕久)
I 免疫とは
1 免疫について
2 自己免疫疾患
3 アレルギー反応の分類と治療薬
II 免疫抑制薬
1 アルキル化薬
2 代謝拮抗薬
3 抗生物質
4 生物学的製剤
III 免疫賦活薬
1 非特異的免疫賦活薬
2 サイトカイン
IV アレルギーの治療薬,その他
1 抗アレルギー薬
2 糖質コルチコイド
3 その他,抗リウマチ薬
27章 抗腫瘍薬(柏俣正典)
I 腫瘍とその治療法
II 抗腫瘍薬の種類
1 アルキル化薬
2 代謝拮抗薬
3 抗腫瘍性抗生物質
4 微小管阻害薬
5 ホルモン類
6 白金化合物
7 トポイソメラーゼ阻害薬
8 分子標的治療薬
9 生体応答調整物質
10 その他の抗腫瘍薬
28章 口腔粘膜疾患に用いられる薬物(天笠光雄)
I 薬物の種類と適応
II 各種口腔粘膜疾患に対する治療法
1 ウイルス感染症
2 口腔カンジダ症
3 扁平苔癬
4 尋常性天疱瘡
5 アフタ・再発性アフタ
6 義歯性口内炎
7 口角炎
8 黒毛舌
9 白板症
10 口腔乾燥症
11 特殊な疾患
29章 硬組織(歯・骨)に作用する薬物(篠田 壽)
I カルシウム調節ホルモン
1 副甲状腺ホルモン
2 カルシトニン
3 ビタミンD
II ビスホスホネート
1 薬理作用
2 作用機序
3 薬物動態
4 臨床応用
5 有害作用
III ビタミンK2
IV 選択的エストロゲン受容体モジュレーター
V フッ化物
30章 唾液腺に作用する薬物(東城庸介)
[総論]
I 唾液の生理作用
II 唾液分泌の機序
1 唾液分泌を調節する自律神経と受容体
2 唾液分泌と細胞内情報伝達
3 腺房細胞における水と電解質の輸送
[各論]
III 唾液分泌を促進する薬物
1 コリン作動薬
2 アドレナリン作動薬
3 サブスタンスP
IV 唾液分泌を抑制する薬物
1 抗コリン薬
2 向精神薬
3 抗ヒスタミン薬
4 その他の薬物
V 口腔乾繰症における薬物治療
1 人工唾液
2 セビメリン
3 ピロカルピン
4 アネトールトリチオン
5 その他の治療薬
31章 腐蝕薬および収斂薬(田村幸彦,大谷啓一)
I 腐蝕薬
II 収斂薬
32章 重金属拮抗薬(田村幸彦,大谷啓一)
I 重金属
II 重金属拮抗薬
33章 消毒に用いられる薬物
I 消毒薬の特色(大谷啓一)
II 消毒薬の作用機序
III 殺菌作用の効力検定の基準
IV 消毒薬の分類
V 重金属とそれらの塩類
1 水銀化合物
2 銀化合物
VI 酸化剤
1 オキシドール
2 過酢酸
VII ハロゲンおよびハロゲン含有化合物
1 塩素および塩素化合物
2 ヨウ素およびヨウ素化合物
VIII アルコール類(大住伴子)
1 エタノール
2 イソプロパノール
IX アルデヒド類
1 ホルマリン
2 パラホルムアルデヒド
3 グルタラール
4 フタラール
X フェノール類
1 フェノール
2 クレゾール石鹸液
3 その他のフェノール類
XI 精油類
XII 表面活性剤(大谷啓一)
1 陽性石鹸
2 両性表面活性剤
XIII 有機色素類
XIV HBVとHIVの消毒
1 HBV
2 HIV
34章 歯内療法に用いられる薬物(須田英明)
I 歯内療法と薬物
II 齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
1 齲窩の消毒と歯髄の鎮静・鎮痛
2 齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
III 象牙質知覚過敏症治療薬
1 象牙質知覚過敏症
2 処置
3 治療薬
IV 間接覆髄薬
1 間接覆髄
2 間接覆髄薬
V 直接覆髄薬
1 直接覆髄
2 直接覆髄薬
VI 生活断髄薬
1 生活断髄
2 生活断髄薬
VII 歯髄失活(除活)薬
VIII 歯髄乾屍薬
IX 根管清掃薬・根管拡大補助薬
1 根管清掃
X 根管消毒薬
1 根管消毒薬の必要性
2 根管消毒薬の要件と問題点
3 根管消毒薬
XI 根管充填薬
1 根管充填
2 根管充填薬
35章 歯周治療に用いられる薬物(浦口良治)
I 歯周疾患とは
1 歯肉炎
2 歯周炎
3 歯周治療
II 歯周治療に用いる薬物
1 歯肉縁上プラークコントロールに関連する薬物
2 歯肉縁下プラークの抑制に関連する薬物
3 その他の治療・処置で用いる薬物
4 その他,歯周治療に関連する薬物
36章 齲蝕予防薬(篠田 壽)
I 齲蝕の発生
II 齲蝕予防薬
III フッ化物
1 自然界におけるフッ素
2 フッ化物の生体内運命
3 フッ化物の毒性
4 フッ化物の臨床的応用
5 フッ化物の齲蝕抑制機序
IV フッ化物以外の齲蝕予防薬
1 齲蝕原性細菌を抑制する薬物
2 代用糖
37章 歯科における再生治療と薬物
I シグナル分子(春日井昇平)
1 BMP
2 FGF
3 血小板の応用とPDGF
II 足場
1 コラーゲン
2 PLAおよびPLGA
3 キチンおよびキトサン
4 リン酸カルシウム系材料
III iPS細胞と歯科医療(二藤 彰)
1 iPS細胞とは
2 iPS細胞と臨床
3 iPS細胞と薬物
IV その他(春日井昇平)
1 エナメル基質抽出物
2 DFDBa
主な掲載薬物一覧
索引
1章 民間療法から歯科薬理学まで(加藤有三)
I くすりと民間療法
II 漢方医療から西洋医学へ
III 薬物治療学と薬理学の導入
IV 薬理学の領域
V 歯科薬理学の概念と教育
2章 薬理作用(大谷啓一)
I 薬と医療
II 薬物療法の種類
1 原因療法
2 対症療法
3 補充療法
4 予防療法
III 薬理作用の様式
1 器質的変化
2 機能的変化
IV 薬理作用の基本形式
1 興奮作用
2 抑制作用
3 刺激作用
4 補充作用
5 抗感染作用
V 薬理作用の分類
1 局所作用と全身作用
2 直接作用と間接作用
3 主作用と副作用
4 選択的作用と一般作用
VI 薬物の併用
1 協力作用
2 拮抗作用
3章 用量と薬理作用(山田庄司)
I 用量−反応関係
1 用量−反応曲線
2 50%有効量と50%致死量
3 治療係数
4 薬物血中濃度モニタリング
II 薬用量を表す概念的な用語
4章 薬理作用の機序
I 薬物受容体とリガンド(若森 実)
1 作動薬
2 拮抗薬
3 余剰受容体
II 受容体を介する薬理作用
1 細胞膜受容体
2 細胞質および核内受容体
III 受容体を介さない薬理作用(鈴木邦明)
1 膜輸送タンパク質に作用する薬物
2 酵素に作用する薬物
3 核酸に作用する薬物
4 細胞膜・脂質に作用する薬物
5 代謝拮抗物質による作用
6 物理化学的作用
5章 生体内生理活性物質・情報伝達
I 神経伝達物質(兼松 隆)
1 アセチルコリン
2 カテコラミン
3 抑制性アミノ酸
4 興奮性アミノ酸
II オータコイド(加藤有三)
1 ヒスタミン
2 セロトニン
3 血漿キニン類
4 エイコサノイド
5 血小板活性化因子
III ホルモン(戸苅彰史)
1 ホルモンの特徴
2 ホルモンの種類と分類
3 フィードバック調節
4 ホルモン分泌の調節
5 ホルモンの作用機序
IV サイトカイン(兼松 隆)
V 成長因子
6章 薬物動態(山田庄司)
I 薬物動態とは
II 生体膜通過様式
1 受動拡散(単純拡散)
2 濾過
3 特殊輸送機構
4 膜動輸送
III 薬物トランスポーター
IV 薬物の適用方法の種類と特徴
1 全身適用と局所適用
2 薬物の適用方法と血中薬物濃度の経時的変化
3 消化管粘膜への適用
4 注射による適用
5 気道上皮への適用
6 その他の体表面への適用
7 歯への適用
V 吸収過程
1 薬物の溶出速度
2 食物や飲料の影響
3 消化管内pH
4 内臓血流量
VI 分布過程
1 血中における薬物存在様式
2 薬物の分布に影響する要因
VII 消失過程
1 代謝過程
2 排泄過程
VIII 薬物動態理論
1 コンパートメント・モデル
2 生物学的利用能
3 分布容積
4 クリアランス
5 糸球体濾過速度
6 生物学的半減期
7 反復投与時の血中薬物濃度
7章 薬物の効果に影響する諸因子(篠田 壽)
I 生体側の因子
1 用量
2 年齢
3 動物の種差
4 人種差,動物の系統差
5 個体差
6 性差
7 疾病
8 外部環境
9 栄養状態
10 遺伝的素因
11 プラセボ効果
12 薬物の投与時刻
II 薬物側の因子あるいは製剤側の因子
III ドラッグデリバリーシステム
IV 連用と併用
8章 薬物の連用(大谷啓一)
I 耐性
1 脱感受性
2 薬物耐性
II 薬物依存
1 身体依存
2 精神依存
III 薬物の蓄積
9章 薬物の副作用・有害作用・相互作用(藤井 彰)
I 薬物の有害作用の原因
1 薬物アレルギー
2 催奇形性作用
3 薬物依存
4 発癌性作用
5 その他
II 一般的有害作用の分類
1 血液障害
2 消化器障害
3 肝障害
4 腎障害
5 呼吸器障害
6 中枢神経障害
7 皮膚障害
III 歯科領域における薬物の副作用・有害作用
1 歯肉増殖症
2 口腔乾燥症
3 唾液分泌過剰
4 歯の形成障害と着色
5 味覚障害
6 口唇異常感
7 口内炎
IV 副作用の予知と回避
V 薬物相互作用
1 薬力学的薬物相互作用
2 薬物動態学的薬物相互作用
10章 医薬品適用上の注意(大谷啓一)
I 妊婦に対する薬物投与
1 妊娠初期
2 妊娠中期以降から分娩まで
II 授乳婦に対する薬物投与
III 小児に対する薬物投与
IV 高齢者に対する薬物投与
1 高齢者の薬物反応
2 高齢者の薬物動態
3 高齢者の薬物投与における注意点
V 全身的疾患を有する患者への薬物投与
11章 薬物と医薬品(土屋文人,原澤秀樹)
I 医薬品の開発
1 医薬品の開発と承認審査までの流れ
2 保険外併用療養費制度
II 医薬品
1 医薬品の法的位置づけ
2 医薬品の取り扱い
3 医薬品の剤形
III 医薬品の適用と処方せん
1 処方せんの機能
2 処方せんの記載事項
IV 医薬品の管理
1 医薬品情報
2 医療安全対策
3 院内感染対策
4 医薬品による健康被害
5 薬害
12章 ゲノム薬理(青木和広)
1 ゲノム創薬
2 オーダーメイド医療
薬理学各論
13章 末梢神経系に作用する薬物(戸苅彰史)
I 末梢神経の分類
1 体性神経系
2 自律神経系
II ニューロン間の情報伝達と薬物
III 交感神経に作用する薬物
1 アドレナリン作動薬
2 抗アドレナリン薬
3 交感神経ニューロン遮断薬
IV 副交感神経に作用する薬物
1 コリン作動薬
2 抗コリン薬
V 自律神経節に作用する薬物
1 神経節興奮薬
2 神経節遮断薬
VI 神経筋接合部に作用する薬物
1 神経筋接合部興奮薬
2 神経筋接合部遮断薬
14章 中枢神経系に作用する薬物
I 全身麻酔薬(大井久美子)
[総論]
1 全身麻酔
2 全身麻酔薬の作用機序
3 吸入麻酔薬
4 麻酔前投薬
[各論]
1 吸入麻酔薬
2 静脈麻酔薬
II アルコール(中西 博)
III 麻薬性鎮痛薬
1 痛覚の伝達経路
2 麻薬性鎮痛薬
3 非麻薬性鎮痛薬
4 麻薬拮抗薬
IV 催眠薬および鎮静薬(兼松 隆)
[総論]
1 睡眠障害と催眠薬の選択
2 睡眠障害の原因
3 睡眠のパターン
4 催眠薬の分類と特徴
[各論]
1 ベンゾジアゼピン系
2 バルビツール酸系
3 その他
V 向精神薬
[総論]
1 抗精神病薬
2 抗不安薬
3 抗うつ薬・抗躁薬
4 セロトニン神経系に作用する薬
[各論]
1 抗精神病薬
2 抗不安薬
3 抗うつ薬・抗躁薬
VI 抗てんかん薬
[総論]
[各論]
VII 中枢神経興奮薬(筑波隆幸)
1 大脳作用型興奮薬
2 脳幹作用型興奮薬
3 脊髄作用型興奮薬
4 幻覚剤
VIII パーキンソン病治療薬
IX 脳循環代謝改善薬
1 脳代謝賦活薬
2 脳循環改善作動薬
X 認知症治療
15章 循環系に作用する薬物(木村智彦)
I 高血圧治療薬
1 Ca拮抗薬
2 AII受容体拮抗薬
3 ACE阻害薬
4 利尿薬
5 β受容体遮断薬
6 α1受容体遮断薬
7 その他
II 心不全治療薬
1 強心薬
2 AII受容体拮抗薬およびACE阻害薬
3 利尿薬
4 その他
III 不整脈治療薬
1 Na+チャネル抑制薬
2 β受容体遮断薬
3 K+チャネル抑制薬
4 Ca拮抗薬
5 その他
IV 狭心症治療薬
1 硝酸薬
2 β受容体遮断薬
3 Ca拮抗薬
4 抗血小板薬
16章 血液および造血臓器に作用する薬物(岡元邦彰)
[総論]
I 止血−線溶機構
1 血小板の凝集
2 凝固因子の活性化
3 線溶
[各論]
II 止血薬
1 全身性止血薬
2 局所的止血薬
III 抗凝固薬
1 血小板凝集抑制薬
2 経口抗凝固薬
3 ヘパリン製剤
4 血栓溶解剤
IV 貧血に用いられる薬
1 鉄
2 葉酸
3 ビタミンB12
4 エリスロポエチン
17章 腎臓に作用する薬物(山田庄司)
I 腎臓の機能
1 血圧の調節機能
2 酸塩基平衡の維持機能
3 薬物などの外来性有害物質や老廃物質の排泄機能
4 内分泌機能
II 利尿薬
III 抗利尿薬
18章 呼吸器系に作用する薬物(大谷啓一)
I 呼吸促進薬
1 呼吸中枢刺激薬
2 麻薬による呼吸抑制拮抗薬
II 鎮咳薬
1 中枢性麻薬性鎮咳薬
2 中枢性非麻薬性鎮咳薬
III 去痰薬
1 気道分泌促進薬
2 気道粘液修復薬
3 気道粘液溶解薬
IV 気管支拡張薬,気管支喘息治療薬
1 β2受容体刺激薬
2 キサンチン誘導体
3 抗コリン薬
4 ステロイド性抗炎症薬
5 抗アレルギー薬
19章 消化器系に作用する薬物(山ア 純)
[総論]
I 胃の構造と消化管ホルモン
II 胃酸分泌機構と胃粘膜防御機構
1 中枢〜迷走神経からの胃酸分泌制御
2 壁細胞の胃酸分泌機能
3 内分泌細胞の胃酸分泌制御
4 胃粘膜防御機構
[各論]
III 消化性潰瘍治療薬
[攻撃因子抑制薬]
1 プロトンポンプ阻害薬
2 H2受容体拮抗薬
3 制酸薬
4 抗コリン薬
5 抗ガストリン薬
6 ヘリコバクター・ピロリ菌除菌薬
7 抗ペプシン薬
[防御因子促進薬]
IV 腸に作用する薬物
1 止瀉薬
2 瀉下薬
3 過敏性腸症候群治療薬
4 整腸薬など
V 肝臓,胆嚢に作用する薬物
1 利胆薬・胆石溶解薬
2 肝疾患治療薬
20章 ホルモンおよびホルモン拮抗薬・代謝性疾患治療薬
I インスリンと経口糖尿病治療薬(戸苅彰史)
1 インスリンの合成・分泌・作用
2 糖尿病
3 糖尿病治療薬
II 甲状腺ホルモンと抗甲状腺薬
1 生合成・分泌・作用
2 甲状腺機能亢進症の治療薬
3 甲状腺機能低下症の治療薬
III 性ホルモンと性ホルモン拮抗薬
1 性ホルモンの分泌制御と生理作用
2 アンドロゲン製剤
3 抗アンドロゲン薬
4 エストロゲン製剤
5 プロゲステロン製剤
6 抗エストロゲン薬
7 経口避妊薬
IV 脂質異常症治療薬(岡元邦彰)
1 コレステロール合成阻害
2 胆汁酸阻害
3 コレステロールトランスポーター阻害薬
4 VLDLからLDLへの異化の亢進
5 脂肪酸合成阻害
6 LDL取り込み促進薬
V 痛風治療薬
1 急性発作治療薬
2 尿酸排泄促進薬
3 尿酸生合成阻害薬
21章 ビタミン(鈴木邦明)
[総論]
I ビタミン概説
1 ビタミンとは
2 脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン
3 ビタミン類似物質
[各論]
II 脂溶性ビタミン
1 ビタミンA
2 ビタミンD
3 ビタミンE
4 ビタミンK
III 水溶性ビタミン
1 ビタミンB群
2 ビタミンC
IV サプリメント
歯科薬理学各論
22章 局所麻酔薬(鈴木邦明)
[総論]
I 局所麻酔薬の一般的性質
II 基本的化学構造と分類
III 作用点と作用機序
1 痛覚の伝導とその遮断
2 局所麻酔薬の解離型と非解離型の割合
IV 作用部位での有効濃度に影響する因子
1 局所麻酔薬の水溶液中での安定性とpH
2 炎症などの局所の状態と作用部位のpH
3 局所の血管分布
V 代謝
VI 全身作用
1 中枢神経系
2 循環系
3 その他
VII 血管収縮薬の併用
VIII 副作用,有害作用
1 局所的為害作用
2 疼痛性ショック
3 過換気症候群
4 局所麻酔中毒
5 過敏症
6 悪性高熱症
IX 局所麻酔薬の適用法
1 表面麻酔
2 浸潤麻酔
3 伝達麻酔
4 脊髄麻酔
5 硬膜外麻酔
[各論]
X 主なエステル型局所麻酔薬
XI 主なアミド型局所麻酔薬
XII 歯科領域で使用される局所麻酔薬
1 歯科用局所麻酔薬
2 歯科領域で使用可能な局所麻酔薬
3 表面麻酔薬
23章 救急用薬物(鮎瀬卓郎)
I 救急時に使用される薬物
1 酸素
2 循環作動薬
II 歯科治療中に起こる合併症の治療
1 頻度の高い合併症への対応
2 症状の重篤化に伴う心停止への対応
24章 抗炎症薬,解熱鎮痛薬,抗ヒスタミン薬
[総論]
I 炎症治療の基本概念(加藤有三)
II 炎症の臨床所見
III 炎症の経過と炎症性病理変化
IV 炎症性疼痛と内因性発痛物質
V 歯科における代表的炎症性疾患
VI 炎症のケミカルメディエーター
VII サイトカイン
[各論]
VIII ステロイド性抗炎症薬(戸苅彰史)
IX 非ステロイド性抗炎症薬(加藤有三)
1 非ステロイド性抗炎症薬の概要
2 酸性非ステロイド性抗炎症薬に共通した薬理作用と作用機序
3 酸性非ステロイド性抗炎症薬に共通した有害作用
X 我が国で使用されている酸性非ステロイド性抗炎症薬
1 サリチル酸誘導体
2 フェナム酸誘導体
3 アリール酢酸誘導体
4 プロピオン酸誘導体
5 オキシカム誘導体
6 COX-2選択的阻害作用の強い酸性NSAIDs
7 酸性NSAIDsのプロドラッグ
XI 塩基性非ステロイド性抗炎症薬
XII 解熱鎮痛薬
1 ピリン系解熱鎮痛薬
2 非ピリン系解熱鎮痛薬
XIII 配合鎮痛剤
XIV NSAIDsおよび解熱鎮痛薬の臨床応用
XV NSAIDs投与時の特別な注意事項
XVI 酵素製剤(消炎酵素薬)
XVII 抗ヒスタミン薬
1 H1受容体拮抗薬
2 H2受容体拮抗薬
XVIII 片頭痛治療薬
1 片頭痛発作時の治療薬
2 片頭痛予防薬
25章 抗感染症薬
[総論]
I 抗感染症薬の基礎的事項(筑波隆幸)
1 定義
2 選択毒性
3 殺菌作用と静菌作用
4 抗菌スペクトル
II 抗感染症薬の作用機序
1 細胞壁合成阻害
2 細胞膜障害
3 核酸合成阻害
4 タンパク質合成阻害
5 葉酸合成阻害
III 耐性獲得の機序
IV 抗感染症薬の生体内分布
V MRSAに対する薬物投与
VI 化学療法薬の副作用
VII 抗感染症薬による副現象
[各論]
VIII サルファ薬
IX β-ラクタム系抗菌薬
1 ペニシリン系抗菌薬
2 セフェム系抗菌薬
3 カルバペネム系抗菌薬
4 ペネム系抗菌薬
5 モノバクタム系抗菌薬
6 β-ラクタマーゼ阻害薬
X アミノグリコシド系抗菌薬(佐藤友昭)
XI マクロライド系抗菌薬
XII リンコマイシン系抗菌薬
XIII テトラサイクリン系抗菌薬
XIV クロラムフェニコール系抗菌薬
XV ペプチド系抗菌薬
XVI ピリドンカルボン酸系抗菌薬
1 キノロン系抗菌薬
2 ニューキノロン系抗菌薬
XVII ホスホマイシン系抗菌薬
XVIII 抗結核薬
1 イソニアジド
2 リファンピシン
3 エタンブトール
4 その他
XIX 抗真菌薬
1 ポリエン系抗真菌薬
2 アリルアミン系抗真菌薬
3 アゾール系抗真菌薬
4 フロロピリミジン系抗真菌薬
5 キャンディン系抗真菌薬
6 その他の抗真菌薬
XX 抗ウイルス薬(出山義昭)
26章 免疫機能に影響する薬物(加藤裕久)
I 免疫とは
1 免疫について
2 自己免疫疾患
3 アレルギー反応の分類と治療薬
II 免疫抑制薬
1 アルキル化薬
2 代謝拮抗薬
3 抗生物質
4 生物学的製剤
III 免疫賦活薬
1 非特異的免疫賦活薬
2 サイトカイン
IV アレルギーの治療薬,その他
1 抗アレルギー薬
2 糖質コルチコイド
3 その他,抗リウマチ薬
27章 抗腫瘍薬(柏俣正典)
I 腫瘍とその治療法
II 抗腫瘍薬の種類
1 アルキル化薬
2 代謝拮抗薬
3 抗腫瘍性抗生物質
4 微小管阻害薬
5 ホルモン類
6 白金化合物
7 トポイソメラーゼ阻害薬
8 分子標的治療薬
9 生体応答調整物質
10 その他の抗腫瘍薬
28章 口腔粘膜疾患に用いられる薬物(天笠光雄)
I 薬物の種類と適応
II 各種口腔粘膜疾患に対する治療法
1 ウイルス感染症
2 口腔カンジダ症
3 扁平苔癬
4 尋常性天疱瘡
5 アフタ・再発性アフタ
6 義歯性口内炎
7 口角炎
8 黒毛舌
9 白板症
10 口腔乾燥症
11 特殊な疾患
29章 硬組織(歯・骨)に作用する薬物(篠田 壽)
I カルシウム調節ホルモン
1 副甲状腺ホルモン
2 カルシトニン
3 ビタミンD
II ビスホスホネート
1 薬理作用
2 作用機序
3 薬物動態
4 臨床応用
5 有害作用
III ビタミンK2
IV 選択的エストロゲン受容体モジュレーター
V フッ化物
30章 唾液腺に作用する薬物(東城庸介)
[総論]
I 唾液の生理作用
II 唾液分泌の機序
1 唾液分泌を調節する自律神経と受容体
2 唾液分泌と細胞内情報伝達
3 腺房細胞における水と電解質の輸送
[各論]
III 唾液分泌を促進する薬物
1 コリン作動薬
2 アドレナリン作動薬
3 サブスタンスP
IV 唾液分泌を抑制する薬物
1 抗コリン薬
2 向精神薬
3 抗ヒスタミン薬
4 その他の薬物
V 口腔乾繰症における薬物治療
1 人工唾液
2 セビメリン
3 ピロカルピン
4 アネトールトリチオン
5 その他の治療薬
31章 腐蝕薬および収斂薬(田村幸彦,大谷啓一)
I 腐蝕薬
II 収斂薬
32章 重金属拮抗薬(田村幸彦,大谷啓一)
I 重金属
II 重金属拮抗薬
33章 消毒に用いられる薬物
I 消毒薬の特色(大谷啓一)
II 消毒薬の作用機序
III 殺菌作用の効力検定の基準
IV 消毒薬の分類
V 重金属とそれらの塩類
1 水銀化合物
2 銀化合物
VI 酸化剤
1 オキシドール
2 過酢酸
VII ハロゲンおよびハロゲン含有化合物
1 塩素および塩素化合物
2 ヨウ素およびヨウ素化合物
VIII アルコール類(大住伴子)
1 エタノール
2 イソプロパノール
IX アルデヒド類
1 ホルマリン
2 パラホルムアルデヒド
3 グルタラール
4 フタラール
X フェノール類
1 フェノール
2 クレゾール石鹸液
3 その他のフェノール類
XI 精油類
XII 表面活性剤(大谷啓一)
1 陽性石鹸
2 両性表面活性剤
XIII 有機色素類
XIV HBVとHIVの消毒
1 HBV
2 HIV
34章 歯内療法に用いられる薬物(須田英明)
I 歯内療法と薬物
II 齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
1 齲窩の消毒と歯髄の鎮静・鎮痛
2 齲窩消毒薬,歯髄鎮静・鎮痛薬
III 象牙質知覚過敏症治療薬
1 象牙質知覚過敏症
2 処置
3 治療薬
IV 間接覆髄薬
1 間接覆髄
2 間接覆髄薬
V 直接覆髄薬
1 直接覆髄
2 直接覆髄薬
VI 生活断髄薬
1 生活断髄
2 生活断髄薬
VII 歯髄失活(除活)薬
VIII 歯髄乾屍薬
IX 根管清掃薬・根管拡大補助薬
1 根管清掃
X 根管消毒薬
1 根管消毒薬の必要性
2 根管消毒薬の要件と問題点
3 根管消毒薬
XI 根管充填薬
1 根管充填
2 根管充填薬
35章 歯周治療に用いられる薬物(浦口良治)
I 歯周疾患とは
1 歯肉炎
2 歯周炎
3 歯周治療
II 歯周治療に用いる薬物
1 歯肉縁上プラークコントロールに関連する薬物
2 歯肉縁下プラークの抑制に関連する薬物
3 その他の治療・処置で用いる薬物
4 その他,歯周治療に関連する薬物
36章 齲蝕予防薬(篠田 壽)
I 齲蝕の発生
II 齲蝕予防薬
III フッ化物
1 自然界におけるフッ素
2 フッ化物の生体内運命
3 フッ化物の毒性
4 フッ化物の臨床的応用
5 フッ化物の齲蝕抑制機序
IV フッ化物以外の齲蝕予防薬
1 齲蝕原性細菌を抑制する薬物
2 代用糖
37章 歯科における再生治療と薬物
I シグナル分子(春日井昇平)
1 BMP
2 FGF
3 血小板の応用とPDGF
II 足場
1 コラーゲン
2 PLAおよびPLGA
3 キチンおよびキトサン
4 リン酸カルシウム系材料
III iPS細胞と歯科医療(二藤 彰)
1 iPS細胞とは
2 iPS細胞と臨床
3 iPS細胞と薬物
IV その他(春日井昇平)
1 エナメル基質抽出物
2 DFDBa
主な掲載薬物一覧
索引