はじめに
高齢者に「水分摂取を!」と叫ばれるようになってしばらく経ちますが,この2〜3年,食事中であるなしにかかわらず,水分摂取が大切であるという考えかたはだいぶ定着してきたように思えます.
この水分摂取一つをとってみても,それは口腔ケアのなかで大きな位置を占めています.これに伴い口腔ケアをさらに幅のある奥深いものにする認識は徐々に高まりをみせつつあります.そして,口腔ケアの実践に向けてこの関心は大きな叫びとなり,その叫びはさらに何重奏にもなって響いてきている実感がもてるようになってきました.
これらの叫びは,加速して走り出そうとするものや,ゆっくりじっくり歩もうとするものなどいろいろありますが,なかには前者の存在を意識してその叫びに遅れまいとするものもあるのかもしれません.
いずれにしても「どっぷり口腔ケアの時代」の到来といえます.そして,真の口腔ケアとの出合いを求め,このことを強く意識する時期に入ったということができると思います.
本書は,このような強い思いをもってまとめてみたつもりです.
執筆に際しては,とくに唾液の世界については岡崎好秀先生(岡山大学歯学部小児歯科)のご教示に支えられ,また医歯薬出版(株)のご厚意とご配慮により,時間をたっぷりかけてまとめさせていただくことができました.そのようにして今だからこそいえる思いで手を加え,書き記すことができたような気がします.
「口腔ケアは誰のため(もの)か」を主眼において書き始めたつもりですが,それは容易にまとまるどころか,先頭がいつスタートしたのかすらわからない大人数の(多職種という意味も含め)長距離マラソンがスタートしたばかりという印象さえあります.
終わりのない口腔ケアにチャレンジする一人として,今回,またとないよい機会を与えていただきましたことに感謝しております.
ありがとうございました.
2003年7月
柴 田 浩 美
高齢者に「水分摂取を!」と叫ばれるようになってしばらく経ちますが,この2〜3年,食事中であるなしにかかわらず,水分摂取が大切であるという考えかたはだいぶ定着してきたように思えます.
この水分摂取一つをとってみても,それは口腔ケアのなかで大きな位置を占めています.これに伴い口腔ケアをさらに幅のある奥深いものにする認識は徐々に高まりをみせつつあります.そして,口腔ケアの実践に向けてこの関心は大きな叫びとなり,その叫びはさらに何重奏にもなって響いてきている実感がもてるようになってきました.
これらの叫びは,加速して走り出そうとするものや,ゆっくりじっくり歩もうとするものなどいろいろありますが,なかには前者の存在を意識してその叫びに遅れまいとするものもあるのかもしれません.
いずれにしても「どっぷり口腔ケアの時代」の到来といえます.そして,真の口腔ケアとの出合いを求め,このことを強く意識する時期に入ったということができると思います.
本書は,このような強い思いをもってまとめてみたつもりです.
執筆に際しては,とくに唾液の世界については岡崎好秀先生(岡山大学歯学部小児歯科)のご教示に支えられ,また医歯薬出版(株)のご厚意とご配慮により,時間をたっぷりかけてまとめさせていただくことができました.そのようにして今だからこそいえる思いで手を加え,書き記すことができたような気がします.
「口腔ケアは誰のため(もの)か」を主眼において書き始めたつもりですが,それは容易にまとまるどころか,先頭がいつスタートしたのかすらわからない大人数の(多職種という意味も含め)長距離マラソンがスタートしたばかりという印象さえあります.
終わりのない口腔ケアにチャレンジする一人として,今回,またとないよい機会を与えていただきましたことに感謝しております.
ありがとうございました.
2003年7月
柴 田 浩 美
はじめに
【総 論】
CHAPTER 1 口腔のメカニズムを考える
1-1 口の発生,口の機能
1-2 口腔ケアのメカニズム
1-3 運動機能のメカニズム
1-4 感覚機能のメカニズム
1-5 呼吸機能のメカニズム
CHAPTER 2 口腔のメカニズムと口腔ケアの関係を考える
2-1 歯磨きとうがい
2-2 朝ケア,昼ケア,夜ケア
2-3 義歯の装着とそのケア
2-4 テクニックの整理
CHAPTER 3 口腔ケアの目的を考える
3-1 口腔ケアとは
3-2 口腔ケアの基本
3-3 口腔ケアの考えかた
【各 論】
CHAPTER 4 具体的な口腔ケアを考える
4-1 口腔ケアの導入とかかわり(回想法を応用して)
4-2 口腔ケアと目,手,口の関係
CHAPTER 5 具体的な口腔ケアを考える(ケース別)
5-1 口腔にトラブルをもつ人へのアプローチ
(1) 義歯の不適合がある人
(2) 強い口臭を訴える人
(3) 残根の痛みを訴える人
(4) 口に麻痺や痺れがある人
5-2 口腔の管理に消極的な人へのアプローチ
(1) 歯磨きをしない人
(2) 水分をあまりとらない人
(3) うがいをしない人
5-3 その他問題をもつ人へのアプローチ
(1) むせや咳き込みがある人
(2) 食事がまずいと訴える人
(3) 食事に無関心な人
CHAPTER 6 求められる口腔ケアを考える
6-1 レベルアップを図る
6-2 アセスメントと評価
CHAPTER 7 Q & A(現場からの声に答えて)
参考文献
おわりに
【総 論】
CHAPTER 1 口腔のメカニズムを考える
1-1 口の発生,口の機能
1-2 口腔ケアのメカニズム
1-3 運動機能のメカニズム
1-4 感覚機能のメカニズム
1-5 呼吸機能のメカニズム
CHAPTER 2 口腔のメカニズムと口腔ケアの関係を考える
2-1 歯磨きとうがい
2-2 朝ケア,昼ケア,夜ケア
2-3 義歯の装着とそのケア
2-4 テクニックの整理
CHAPTER 3 口腔ケアの目的を考える
3-1 口腔ケアとは
3-2 口腔ケアの基本
3-3 口腔ケアの考えかた
【各 論】
CHAPTER 4 具体的な口腔ケアを考える
4-1 口腔ケアの導入とかかわり(回想法を応用して)
4-2 口腔ケアと目,手,口の関係
CHAPTER 5 具体的な口腔ケアを考える(ケース別)
5-1 口腔にトラブルをもつ人へのアプローチ
(1) 義歯の不適合がある人
(2) 強い口臭を訴える人
(3) 残根の痛みを訴える人
(4) 口に麻痺や痺れがある人
5-2 口腔の管理に消極的な人へのアプローチ
(1) 歯磨きをしない人
(2) 水分をあまりとらない人
(3) うがいをしない人
5-3 その他問題をもつ人へのアプローチ
(1) むせや咳き込みがある人
(2) 食事がまずいと訴える人
(3) 食事に無関心な人
CHAPTER 6 求められる口腔ケアを考える
6-1 レベルアップを図る
6-2 アセスメントと評価
CHAPTER 7 Q & A(現場からの声に答えて)
参考文献
おわりに