「最新臨床検査学講座」の刊行にあたって
1958年に衛生検査技師法が制定され,その教育の場からの強い要望に応えて刊行されたのが「衛生検査技術講座」であります.その後,法改正およびカリキュラム改正などに伴い,「臨床検査講座」(1972),さらに「新編臨床検査講座」(1987),「新訂臨床検査講座」(1996)と,その内容とかたちを変えながら改訂・増刷を重ねてまいりました.
2000年4月より,新しいカリキュラムのもとで,新しい臨床検査技師教育が行われることとなり,その眼目である“大綱化“によって,各学校での弾力的な運用が要求され,またそれが可能となりました.「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」という教育内容とその目標とするところは,従前とかなり異なったものになりました.そこで弊社では,この機に「臨床検査学講座」を刊行することといたしました.臨床検査技師という医療職の重要性がますます高まるなかで,“技術”の修得とそれを応用する力の醸成,および“学”としての構築を目指して,教育内容に沿ったかたちで有機的な講義が行えるよう留意いたしました.
その後,ガイドラインが改定されればその内容を取り込みながら版を重ねてまいりましたが,2013年に「国家試験出題基準平成27年版」が発表されたことにあわせて紙面を刷新した「最新臨床検査学講座」を刊行することといたしました.新シリーズ刊行にあたりましては,臨床検査学および臨床検査技師教育に造詣の深い山藤 賢先生,高木 康先生,奈良信雄先生,三村邦裕先生,和田骼u先生を編集顧問に迎え,シリーズ全体の構想と編集方針の策定にご協力いただきました.各巻の編者,執筆者にはこれまでの「臨床検査学講座」の構成・内容を踏襲しつつ,最近の医学医療,臨床検査の進歩を取り入れることをお願いしました.
本シリーズが国家試験出題の基本図書として,多くの学校で採用されてきました実績に鑑みまして,ガイドライン項目はかならず包含し,国家試験受験の知識を安心して習得できることを企図しました.国家試験に必要な知識は本文に,プラスアルファの内容は側注で紹介しています.また,読者の方々に理解されやすい,より使いやすい,より見やすい教科書となるような紙面構成を目指しました.本「最新臨床検査学講座」により臨床検査技師として習得しておくべき知識を,確実に,効率的に獲得することに寄与できましたら本シリーズの目的が達せられたと考えます.
各巻テキストにつきまして,多くの方がたからのご意見,ご叱正を賜れば幸甚に存じます.
2015年春
医歯薬出版株式会社
序
生化学は生物の化学―生物の体内で生じる化学反応―を扱う学問です.私たちの身体では,食物を分解し,それを素材にして身体をつくります.また食物分子の炭素―炭素原子間に秘められた結合エネルギーを用いて高エネルギー分子のATPを合成し,私たちが動いたり考えたりするためのエネルギーとして利用します.これらはすべて化学反応によって進行します.また,親から受け継いだ遺伝情報を子孫に伝えるのも,体内の情報伝達や感染防御もみな化学反応です.生きていることそのものが化学反応といっても過言ではありません.したがって,生化学は生命を分子レベルで解き明かす学問といえます.
臨床検査学はヒトの健康を守ることが主な目的です.本書では,国家試験出題基準に準拠し,ヒトの代謝を中心に,どのようにしてエネルギー分子や人体を構成する生体分子がつくられ・利用され・分解されるのかを紹介し,生命の一端を明らかにしたいと思います.
近年,工学系の進歩により微小な構造や僅かな変化を観測できるようになり,生命科学は大幅に進歩しました.また,タンパク質などの生体分子の立体構造を解析できるようになり,化学反応の様子を推測できるようになりました.生体の中で生じる化学反応は,未知の自然法則が存在するのかもしれないと思えるほど精緻・巧妙・高効率です.生命科学はまだ発展途上にあり,日々新しい知見が集積され新たな概念が提唱されています.本書は医学医療分野で求められるヒトの代謝について,最新の内容も含めできるだけ正確に分かりやすく述べることを心がけました.本書を読まれた方が少しでも生命科学へ興味をもつようになれば編者一同の喜びです.
コロナ新型肺炎が蔓延する中で.2021年2月
編者一同
1958年に衛生検査技師法が制定され,その教育の場からの強い要望に応えて刊行されたのが「衛生検査技術講座」であります.その後,法改正およびカリキュラム改正などに伴い,「臨床検査講座」(1972),さらに「新編臨床検査講座」(1987),「新訂臨床検査講座」(1996)と,その内容とかたちを変えながら改訂・増刷を重ねてまいりました.
2000年4月より,新しいカリキュラムのもとで,新しい臨床検査技師教育が行われることとなり,その眼目である“大綱化“によって,各学校での弾力的な運用が要求され,またそれが可能となりました.「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」という教育内容とその目標とするところは,従前とかなり異なったものになりました.そこで弊社では,この機に「臨床検査学講座」を刊行することといたしました.臨床検査技師という医療職の重要性がますます高まるなかで,“技術”の修得とそれを応用する力の醸成,および“学”としての構築を目指して,教育内容に沿ったかたちで有機的な講義が行えるよう留意いたしました.
その後,ガイドラインが改定されればその内容を取り込みながら版を重ねてまいりましたが,2013年に「国家試験出題基準平成27年版」が発表されたことにあわせて紙面を刷新した「最新臨床検査学講座」を刊行することといたしました.新シリーズ刊行にあたりましては,臨床検査学および臨床検査技師教育に造詣の深い山藤 賢先生,高木 康先生,奈良信雄先生,三村邦裕先生,和田骼u先生を編集顧問に迎え,シリーズ全体の構想と編集方針の策定にご協力いただきました.各巻の編者,執筆者にはこれまでの「臨床検査学講座」の構成・内容を踏襲しつつ,最近の医学医療,臨床検査の進歩を取り入れることをお願いしました.
本シリーズが国家試験出題の基本図書として,多くの学校で採用されてきました実績に鑑みまして,ガイドライン項目はかならず包含し,国家試験受験の知識を安心して習得できることを企図しました.国家試験に必要な知識は本文に,プラスアルファの内容は側注で紹介しています.また,読者の方々に理解されやすい,より使いやすい,より見やすい教科書となるような紙面構成を目指しました.本「最新臨床検査学講座」により臨床検査技師として習得しておくべき知識を,確実に,効率的に獲得することに寄与できましたら本シリーズの目的が達せられたと考えます.
各巻テキストにつきまして,多くの方がたからのご意見,ご叱正を賜れば幸甚に存じます.
2015年春
医歯薬出版株式会社
序
生化学は生物の化学―生物の体内で生じる化学反応―を扱う学問です.私たちの身体では,食物を分解し,それを素材にして身体をつくります.また食物分子の炭素―炭素原子間に秘められた結合エネルギーを用いて高エネルギー分子のATPを合成し,私たちが動いたり考えたりするためのエネルギーとして利用します.これらはすべて化学反応によって進行します.また,親から受け継いだ遺伝情報を子孫に伝えるのも,体内の情報伝達や感染防御もみな化学反応です.生きていることそのものが化学反応といっても過言ではありません.したがって,生化学は生命を分子レベルで解き明かす学問といえます.
臨床検査学はヒトの健康を守ることが主な目的です.本書では,国家試験出題基準に準拠し,ヒトの代謝を中心に,どのようにしてエネルギー分子や人体を構成する生体分子がつくられ・利用され・分解されるのかを紹介し,生命の一端を明らかにしたいと思います.
近年,工学系の進歩により微小な構造や僅かな変化を観測できるようになり,生命科学は大幅に進歩しました.また,タンパク質などの生体分子の立体構造を解析できるようになり,化学反応の様子を推測できるようになりました.生体の中で生じる化学反応は,未知の自然法則が存在するのかもしれないと思えるほど精緻・巧妙・高効率です.生命科学はまだ発展途上にあり,日々新しい知見が集積され新たな概念が提唱されています.本書は医学医療分野で求められるヒトの代謝について,最新の内容も含めできるだけ正確に分かりやすく述べることを心がけました.本書を読まれた方が少しでも生命科学へ興味をもつようになれば編者一同の喜びです.
コロナ新型肺炎が蔓延する中で.2021年2月
編者一同
第1章 細胞の構造と機能
I 総論-生命とは
II 細胞とは
III 生体膜
1 生体膜の構造
2 生体膜の機能
1)バリアー機能
2)物質輸送能
3)シグナル伝達
4)反応の場
IV 細胞(内)小器官(オルガネラ)
1 核:遺伝情報の格納庫
2 ミトコンドリア:ATPの産生工場
3 小胞体(ER):タンパク質の合成・修飾の場
4 ゴルジ装置:糖鎖の付加・修飾とタンパク質の仕分けの場
5 ペルオキシソーム:酸化分解の場
6 リソソーム:廃棄物処理の場
7 細胞質ゾル:さまざまな代謝の場
V 細胞骨格
1 アクチンフィラメント
2 微小管
3 中間径フィラメント
VI 細胞外マトリックス
第2章 タンパク質
I タンパク質の構造
1 一次構造
2 二次構造
3 三次構造
4 四次構造
5 タンパク質の変性
II タンパク質の分類
1 機能と成分による分類
2 形状による分類
1)球状タンパク質
2)線維状タンパク質
3)膜タンパク質
III タンパク質の分離精製と構造解析
1 タンパク質の分離精製
1)タンパク質の定量法
2)溶解度による分離
3)カラムクロマトグラフィ
4)電気泳動
2 タンパク質の構造解析
1)アミノ酸配列
2)立体構造
第3章 酵素
I 酵素触媒反応
1 酵素分子の成り立ち
2 酵素の基質特異性
3 酵素の触媒反応
4 酵素のパートナー
5 酵素活性の測定
II 酵素の命名と分類
III 酵素反応速度論
IV 酵素反応の阻害
1 不可逆阻害
2 可逆阻害
V 酵素の活性調節
1 フィードバック調節
2 アロステリック酵素とその調節
3 共有結合性修飾による調節
1)リン酸化⇔脱リン酸化による調節
2)酵素前駆体(チモーゲン)の限定分解による活性化
4 酵素量の調節
VI 酵素と医療
1 逸脱酵素
2 酵素センサーと医薬品としての酵素
第4章 代謝
A 代謝総論
I 代謝の特徴
1 酵素触媒の存在
2 代謝調節機能
3 代謝の区画化
II 補酵素
1 NAD,NADP
2 コエンザイムA(CoA,補酵素A)
3 チアミン二-リン酸(チアミンピロリン酸,TPP)
4 FMN,FAD
5 ピリドキサル5′-リン酸(PLP)
6 テトラヒドロ葉酸(THF)
7 リポアミド
8 ビオシチン
III 代謝反応のエネルギー論
B 糖質の化学と代謝
I 糖質の化学
1 糖質とは
2 異性体
3 アノマー
4 二糖,オリゴ糖
5 糖の誘導体
1)アミノ糖
2)糖アルコール
3)ウロン酸
4)アルドン酸
5)配糖体(グリコシド)
6)デオキシ糖
6 多糖(グリカン)
7 糖脂質
8 糖タンパク質
II 糖質代謝
1 糖質代謝概論
2 糖輸送体
3 解糖系
1)解糖系の各反応段階
2)嫌気条件での乳酸の生成
4 糖新生
1)乳酸からのグルコース合成
2)アミノ酸からグルコースへの経路
5 解糖系と糖新生の制御
6 グリコーゲン代謝
1)グリコーゲンの合成
2)グリコーゲンの分解
3)グリコーゲンの合成と分解の制御
7 ペントースリン酸回路(ホスホグルコン酸回路)
C クエン酸回路とATP合成
I クエン酸回路
1 準備反応:ピルビン酸からアセチル基を取り出す
2 クエン酸回路:アセチル基を分解してエネルギーを取り出す
3 クエン酸回路の制御:ATPを余分につくらない仕組み
4 解糖系とのつながり
5 糖新生とのつながり:糖新生はクエン酸回路の一部を経由する
6 脂質代謝とのつながり:ケトン体の生成と利用
7 アミノ酸代謝とのつながり:アミノ酸もエネルギー源になる
II 呼吸鎖(電子伝達系)
1 はじめに:酸化・還元反応と電子
2 呼吸鎖:還元力で駆動されるH+輸送
1)複合体I
2)複合体II:コハク酸-CoQレダクターゼ複合体
3)複合体III:CoQ-シトクロムcレダクターゼ複合体(CoQ-シトクロムc酸化還元酵素)
4)複合体IV:シトクロムcオキシダーゼ
3 呼吸鎖のまとめ:NADHは10個,FADH2は6個のプロトンを輸送する
III ATP合成系
1 はじめに:酸化的リン酸化
2 ATP合成酵素:プロトン駆動力を用いたATP合成
3 呼吸とATP合成の制御
IV ATPと高エネルギー分子
V ATPの利用系:さまざまなATPase
D 脂質の化学と代謝
I 脂質の化学
1 脂質とは
2 脂肪酸
1)脂肪酸の種類と構造
2)脂肪酸の命名
3)脂肪酸の働き
3 中性脂肪
1)トリアシルグリセロール
2)ワックス
4 グリセロリン脂質
5 スフィンゴ脂質
1)スフィンゴリン脂質
2)スフィンゴ糖脂質
6 ステロイド
II 脂質の代謝
1 脂質の消化・吸収
1)脂質の消化
2)脂質の吸収
2 脂肪酸の酸化分解
1)血中への脂肪酸遊離
2)ミトコンドリアへの脂肪酸の輸送
3)脂肪酸の酸化
4)ケトン体の生成
5)エネルギー産生系
3 脂肪酸の合成
1)脂肪酸合成の材料と合成制御
2)脂肪酸の合成
3)脂肪酸の不飽和化と炭素鎖の延長
4)トリアシルグリセロール(TG)の合成
4 コレステロールの代謝
1)コレステロールの合成
2)コレステロールの分解
5 血清リポタンパク質
1)カイロミクロン(CM)
2)超低比重リポタンパク質(VLDL)
3)低比重リポタンパク質(LDL)
4)高比重リポタンパク質(HDL)
E アミノ酸の化学と代謝
I アミノ酸の構造
1 アミノ酸の性質
2 光学異性体
3 アミノ酸の分解
1)脱アミノ反応
2)2-オキソ酸の代謝
3)アミノ酸の脱炭酸反応
4)芳香族アミノ酸の代謝
5)メチオニン代謝
6)アミノ酸代謝によるアンモニアの発生と運搬,尿素回路による解毒
7)クレアチンとクレアチニンの代謝
4 アミノ酸の生合成
F ヌクレオチドの化学と代謝
I ヌクレオチドの構造
II 核酸の構造
1 核酸の構造
1)DNA
2)RNA
2 核酸の性質
1)紫外線吸収
2)呈色反応
3)酸・アルカリに対する性質
4)DNAの変性
III ヌクレオチドの合成
1 新規合成経路とサルベージ経路
2 5-ホスホリボシル1-二リン酸の合成
3 プリンヌクレオチドの合成
1)新規合成経路(de novo合成経路)
2)サルベージ経路
4 ピリミジンヌクレオチドの合成
1)新規合成経路(de novo合成経路)
2)サルベージ経路
5 デオキシリボヌクレオチドの生成とチミジル酸の合成
IV ヌクレオチドの分解
1 プリンヌクレオチドの分解
2 ピリミジンヌクレオチドの分解
V プリンヌクレオチド代謝の異常
1 痛風
2 レッシュ・ナイハン症候群
3 ADA欠損症
VI ヌクレオチド誘導体の機能
1 ヌクレオチドとその誘導体の機能
G 代謝調節・代謝統合
I 合成と分解の切り換え
1 解糖と糖新生
2 脂肪酸の分解と合成
3 グリコーゲンの合成と分解
II 代謝の臓器相関
1 糖質・脂質・アミノ酸代謝の相互関係
1)グルコースは脂肪酸に変換される
2)アミノ酸をグルコースに変換する
3)脂肪酸はグルコースに変換できない
2 飢餓時のエネルギー代謝
3 低酸素状態の代謝
H その他の代謝
I 生元素
II 無機質代謝
1 水
2 ナトリウム,カリウム,塩素
3 リン,イオウ
4 マグネシウム
5 カルシウム
III ヘム代謝
1 ヘムとは
1)ヘムの構造
2)黄疸
第5章 細胞制御・細胞周期
I 細胞の機能制御と情報伝達
II リガンド
1 ホルモン
2 神経伝達物質
3 サイトカイン,増殖因子
III レセプター
1 核内レセプター
2 Gタンパク質共役型レセプター
3 酵素共役型レセプター
4 イオンチャネル共役型レセプター
IV 細胞内シグナル伝達で働く因子
1 三量体型Gタンパク質
2 単量体型Gタンパク質
3 キナーゼ
4 セカンドメッセンジャー
V 細胞内シグナル伝達経路
1 Gタンパク質共役型レセプターと三量体型Gタンパク質を介するシグナル伝達
2 プロテインキナーゼを介するシグナル伝達
VI 細胞増殖制御
1 細胞周期
1)細胞周期の全体像
2)細胞周期の制御
3)細胞周期チェックポイント
2 細胞周期制御とがん
3 細胞死(アポトーシス)
1)アポトーシスとは
2)アポトーシスの分子機構
3)アポトーシスの活性化機構
第6章 遺伝子
I 染色体・核酸・遺伝子
1 核酸の種類,核酸代謝
2 染色体・クロマチンの構造
3 遺伝子の構造と機能
4 細胞周期
II 遺伝子の複製・修復
1 DNA複製
2 遺伝子変異
1)単一塩基置換
2)挿入,欠失
3 DNAの損傷と修復
III 遺伝情報の発現
1 転写
2 RNAのプロセシング
1)スプライシング
2)キャップ構造の付加
3)ポリAテールの付加
3 翻訳(タンパク質合成)
1)アミノ酸活性化
2)リボソームの構造
3)翻訳のメカニズム
4 翻訳後修飾
5 遺伝子発現の調節
6 ミトコンドリアDNA
7 多型
IV 遺伝子解析
1 PCR法,RT-PCR法
2 サザンブロット法,ノザンブロット法,ウエスタンブロット法
3 FISH法
4 DNAマイクロアレイ
5 シークエンス解析
6 マイクロサテライト解析
V 遺伝子操作
1 組換えDNA技術
2 ゲノム編集
3 iPS細胞
第7章 器官/生理機能の生化学
A 血液―組成と機能
I イオン濃度と内的環境維持
II 血球の種類と機能
1 赤血球
2 白血球
1)顆粒球
2)単球
3)リンパ球
3 血小板
III 血漿タンパク質の機能
1 膠質浸透圧とは
2 アルブミン分画とグロブリン分画
3 糖化タンパク質
IV 赤血球の代謝と機能
1 代謝
2 酸素の運搬
3 ヘモグロビン
4 ヘモグロビンの協同性と酸素解離曲線
V 血液凝固機構
1 止血
2 凝固系
1)内因系凝固
2)外因系凝固
3 線維素溶解系(線溶系)
B 神経と筋肉
I 神経系
1 神経細胞とシナプス
2 膜電位
3 イオンチャネル
4 膜興奮
5 神経組織のエネルギー代謝
II 筋肉
1 筋肉の構造
2 神経筋接合部
3 筋収縮
C 肝臓
I 肝臓の構造と機能
1 肝臓の構造
2 肝臓の機能
1)解毒・シトクロムP450
2)血糖維持
3)ビリルビン代謝
4)胆汁生成
5)リポタンパク質代謝
6)タンパク質合成
7)ケトン体産生
8)尿素生成
D 消化管
I 栄養分の消化・吸収
1 糖質の消化・吸収機構
2 脂質の消化・吸収機構
3 タンパク質の消化・吸収機構
4 胃酸分泌機構
II 消化管ホルモン
1 胃から分泌されるホルモン
2 小腸から分泌されるホルモン
E 腎臓と体液調節
I尿の生成機構
II 体内の水分,塩分と血圧の調節
III 酸-塩基平衡の維持
IV レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系
V エリスロポエチンの産生
VI ビタミンDの活性化
F 生体防御機構
I 自然免疫と獲得免疫
II 感染制御
1 即時型自然免疫
1)物理的防御
2)化学的防御
3)生理的防御
4)補体
5)好中球
2 誘導型自然免疫
1)パターン認識受容体(PRR)
2)サイトカイン
3 獲得免疫
1)抗原の認識
2)補助刺激
3)活性制御(免疫チェックポイント)
4)ヘルパーT細胞
5)細胞傷害性T細胞(CTL)
6)液性免疫
III 関連疾患
1 アレルギー
2 自己免疫疾患
3 免疫不全症
4 がん
G 呼吸器
I 肺胞でのガス交換
II 酸素の運搬
III 二酸化炭素の運搬
IV 酸-塩基平衡
V 肺胞の環境維持
第8章 病気の生化学
I 肥満
II 高血圧症
III 脂質異常症
IV 糖尿病
V その他の代謝異常症
VI がん
VII 神経変性疾患
VIII 分子医学
第9章 栄養学
I エネルギー代謝
1 食品に含まれるエネルギー
2 基礎代謝,活動代謝とエネルギー所要量
II 栄養素
1 タンパク質
2 炭水化物(糖質)
3 脂質
4 PFCバランス:エネルギー産生栄養素バランス
5 ビタミン
1)水溶性ビタミン
2)脂溶性ビタミン
6 ミネラルと電解質
7 微量元素
索引
I 総論-生命とは
II 細胞とは
III 生体膜
1 生体膜の構造
2 生体膜の機能
1)バリアー機能
2)物質輸送能
3)シグナル伝達
4)反応の場
IV 細胞(内)小器官(オルガネラ)
1 核:遺伝情報の格納庫
2 ミトコンドリア:ATPの産生工場
3 小胞体(ER):タンパク質の合成・修飾の場
4 ゴルジ装置:糖鎖の付加・修飾とタンパク質の仕分けの場
5 ペルオキシソーム:酸化分解の場
6 リソソーム:廃棄物処理の場
7 細胞質ゾル:さまざまな代謝の場
V 細胞骨格
1 アクチンフィラメント
2 微小管
3 中間径フィラメント
VI 細胞外マトリックス
第2章 タンパク質
I タンパク質の構造
1 一次構造
2 二次構造
3 三次構造
4 四次構造
5 タンパク質の変性
II タンパク質の分類
1 機能と成分による分類
2 形状による分類
1)球状タンパク質
2)線維状タンパク質
3)膜タンパク質
III タンパク質の分離精製と構造解析
1 タンパク質の分離精製
1)タンパク質の定量法
2)溶解度による分離
3)カラムクロマトグラフィ
4)電気泳動
2 タンパク質の構造解析
1)アミノ酸配列
2)立体構造
第3章 酵素
I 酵素触媒反応
1 酵素分子の成り立ち
2 酵素の基質特異性
3 酵素の触媒反応
4 酵素のパートナー
5 酵素活性の測定
II 酵素の命名と分類
III 酵素反応速度論
IV 酵素反応の阻害
1 不可逆阻害
2 可逆阻害
V 酵素の活性調節
1 フィードバック調節
2 アロステリック酵素とその調節
3 共有結合性修飾による調節
1)リン酸化⇔脱リン酸化による調節
2)酵素前駆体(チモーゲン)の限定分解による活性化
4 酵素量の調節
VI 酵素と医療
1 逸脱酵素
2 酵素センサーと医薬品としての酵素
第4章 代謝
A 代謝総論
I 代謝の特徴
1 酵素触媒の存在
2 代謝調節機能
3 代謝の区画化
II 補酵素
1 NAD,NADP
2 コエンザイムA(CoA,補酵素A)
3 チアミン二-リン酸(チアミンピロリン酸,TPP)
4 FMN,FAD
5 ピリドキサル5′-リン酸(PLP)
6 テトラヒドロ葉酸(THF)
7 リポアミド
8 ビオシチン
III 代謝反応のエネルギー論
B 糖質の化学と代謝
I 糖質の化学
1 糖質とは
2 異性体
3 アノマー
4 二糖,オリゴ糖
5 糖の誘導体
1)アミノ糖
2)糖アルコール
3)ウロン酸
4)アルドン酸
5)配糖体(グリコシド)
6)デオキシ糖
6 多糖(グリカン)
7 糖脂質
8 糖タンパク質
II 糖質代謝
1 糖質代謝概論
2 糖輸送体
3 解糖系
1)解糖系の各反応段階
2)嫌気条件での乳酸の生成
4 糖新生
1)乳酸からのグルコース合成
2)アミノ酸からグルコースへの経路
5 解糖系と糖新生の制御
6 グリコーゲン代謝
1)グリコーゲンの合成
2)グリコーゲンの分解
3)グリコーゲンの合成と分解の制御
7 ペントースリン酸回路(ホスホグルコン酸回路)
C クエン酸回路とATP合成
I クエン酸回路
1 準備反応:ピルビン酸からアセチル基を取り出す
2 クエン酸回路:アセチル基を分解してエネルギーを取り出す
3 クエン酸回路の制御:ATPを余分につくらない仕組み
4 解糖系とのつながり
5 糖新生とのつながり:糖新生はクエン酸回路の一部を経由する
6 脂質代謝とのつながり:ケトン体の生成と利用
7 アミノ酸代謝とのつながり:アミノ酸もエネルギー源になる
II 呼吸鎖(電子伝達系)
1 はじめに:酸化・還元反応と電子
2 呼吸鎖:還元力で駆動されるH+輸送
1)複合体I
2)複合体II:コハク酸-CoQレダクターゼ複合体
3)複合体III:CoQ-シトクロムcレダクターゼ複合体(CoQ-シトクロムc酸化還元酵素)
4)複合体IV:シトクロムcオキシダーゼ
3 呼吸鎖のまとめ:NADHは10個,FADH2は6個のプロトンを輸送する
III ATP合成系
1 はじめに:酸化的リン酸化
2 ATP合成酵素:プロトン駆動力を用いたATP合成
3 呼吸とATP合成の制御
IV ATPと高エネルギー分子
V ATPの利用系:さまざまなATPase
D 脂質の化学と代謝
I 脂質の化学
1 脂質とは
2 脂肪酸
1)脂肪酸の種類と構造
2)脂肪酸の命名
3)脂肪酸の働き
3 中性脂肪
1)トリアシルグリセロール
2)ワックス
4 グリセロリン脂質
5 スフィンゴ脂質
1)スフィンゴリン脂質
2)スフィンゴ糖脂質
6 ステロイド
II 脂質の代謝
1 脂質の消化・吸収
1)脂質の消化
2)脂質の吸収
2 脂肪酸の酸化分解
1)血中への脂肪酸遊離
2)ミトコンドリアへの脂肪酸の輸送
3)脂肪酸の酸化
4)ケトン体の生成
5)エネルギー産生系
3 脂肪酸の合成
1)脂肪酸合成の材料と合成制御
2)脂肪酸の合成
3)脂肪酸の不飽和化と炭素鎖の延長
4)トリアシルグリセロール(TG)の合成
4 コレステロールの代謝
1)コレステロールの合成
2)コレステロールの分解
5 血清リポタンパク質
1)カイロミクロン(CM)
2)超低比重リポタンパク質(VLDL)
3)低比重リポタンパク質(LDL)
4)高比重リポタンパク質(HDL)
E アミノ酸の化学と代謝
I アミノ酸の構造
1 アミノ酸の性質
2 光学異性体
3 アミノ酸の分解
1)脱アミノ反応
2)2-オキソ酸の代謝
3)アミノ酸の脱炭酸反応
4)芳香族アミノ酸の代謝
5)メチオニン代謝
6)アミノ酸代謝によるアンモニアの発生と運搬,尿素回路による解毒
7)クレアチンとクレアチニンの代謝
4 アミノ酸の生合成
F ヌクレオチドの化学と代謝
I ヌクレオチドの構造
II 核酸の構造
1 核酸の構造
1)DNA
2)RNA
2 核酸の性質
1)紫外線吸収
2)呈色反応
3)酸・アルカリに対する性質
4)DNAの変性
III ヌクレオチドの合成
1 新規合成経路とサルベージ経路
2 5-ホスホリボシル1-二リン酸の合成
3 プリンヌクレオチドの合成
1)新規合成経路(de novo合成経路)
2)サルベージ経路
4 ピリミジンヌクレオチドの合成
1)新規合成経路(de novo合成経路)
2)サルベージ経路
5 デオキシリボヌクレオチドの生成とチミジル酸の合成
IV ヌクレオチドの分解
1 プリンヌクレオチドの分解
2 ピリミジンヌクレオチドの分解
V プリンヌクレオチド代謝の異常
1 痛風
2 レッシュ・ナイハン症候群
3 ADA欠損症
VI ヌクレオチド誘導体の機能
1 ヌクレオチドとその誘導体の機能
G 代謝調節・代謝統合
I 合成と分解の切り換え
1 解糖と糖新生
2 脂肪酸の分解と合成
3 グリコーゲンの合成と分解
II 代謝の臓器相関
1 糖質・脂質・アミノ酸代謝の相互関係
1)グルコースは脂肪酸に変換される
2)アミノ酸をグルコースに変換する
3)脂肪酸はグルコースに変換できない
2 飢餓時のエネルギー代謝
3 低酸素状態の代謝
H その他の代謝
I 生元素
II 無機質代謝
1 水
2 ナトリウム,カリウム,塩素
3 リン,イオウ
4 マグネシウム
5 カルシウム
III ヘム代謝
1 ヘムとは
1)ヘムの構造
2)黄疸
第5章 細胞制御・細胞周期
I 細胞の機能制御と情報伝達
II リガンド
1 ホルモン
2 神経伝達物質
3 サイトカイン,増殖因子
III レセプター
1 核内レセプター
2 Gタンパク質共役型レセプター
3 酵素共役型レセプター
4 イオンチャネル共役型レセプター
IV 細胞内シグナル伝達で働く因子
1 三量体型Gタンパク質
2 単量体型Gタンパク質
3 キナーゼ
4 セカンドメッセンジャー
V 細胞内シグナル伝達経路
1 Gタンパク質共役型レセプターと三量体型Gタンパク質を介するシグナル伝達
2 プロテインキナーゼを介するシグナル伝達
VI 細胞増殖制御
1 細胞周期
1)細胞周期の全体像
2)細胞周期の制御
3)細胞周期チェックポイント
2 細胞周期制御とがん
3 細胞死(アポトーシス)
1)アポトーシスとは
2)アポトーシスの分子機構
3)アポトーシスの活性化機構
第6章 遺伝子
I 染色体・核酸・遺伝子
1 核酸の種類,核酸代謝
2 染色体・クロマチンの構造
3 遺伝子の構造と機能
4 細胞周期
II 遺伝子の複製・修復
1 DNA複製
2 遺伝子変異
1)単一塩基置換
2)挿入,欠失
3 DNAの損傷と修復
III 遺伝情報の発現
1 転写
2 RNAのプロセシング
1)スプライシング
2)キャップ構造の付加
3)ポリAテールの付加
3 翻訳(タンパク質合成)
1)アミノ酸活性化
2)リボソームの構造
3)翻訳のメカニズム
4 翻訳後修飾
5 遺伝子発現の調節
6 ミトコンドリアDNA
7 多型
IV 遺伝子解析
1 PCR法,RT-PCR法
2 サザンブロット法,ノザンブロット法,ウエスタンブロット法
3 FISH法
4 DNAマイクロアレイ
5 シークエンス解析
6 マイクロサテライト解析
V 遺伝子操作
1 組換えDNA技術
2 ゲノム編集
3 iPS細胞
第7章 器官/生理機能の生化学
A 血液―組成と機能
I イオン濃度と内的環境維持
II 血球の種類と機能
1 赤血球
2 白血球
1)顆粒球
2)単球
3)リンパ球
3 血小板
III 血漿タンパク質の機能
1 膠質浸透圧とは
2 アルブミン分画とグロブリン分画
3 糖化タンパク質
IV 赤血球の代謝と機能
1 代謝
2 酸素の運搬
3 ヘモグロビン
4 ヘモグロビンの協同性と酸素解離曲線
V 血液凝固機構
1 止血
2 凝固系
1)内因系凝固
2)外因系凝固
3 線維素溶解系(線溶系)
B 神経と筋肉
I 神経系
1 神経細胞とシナプス
2 膜電位
3 イオンチャネル
4 膜興奮
5 神経組織のエネルギー代謝
II 筋肉
1 筋肉の構造
2 神経筋接合部
3 筋収縮
C 肝臓
I 肝臓の構造と機能
1 肝臓の構造
2 肝臓の機能
1)解毒・シトクロムP450
2)血糖維持
3)ビリルビン代謝
4)胆汁生成
5)リポタンパク質代謝
6)タンパク質合成
7)ケトン体産生
8)尿素生成
D 消化管
I 栄養分の消化・吸収
1 糖質の消化・吸収機構
2 脂質の消化・吸収機構
3 タンパク質の消化・吸収機構
4 胃酸分泌機構
II 消化管ホルモン
1 胃から分泌されるホルモン
2 小腸から分泌されるホルモン
E 腎臓と体液調節
I尿の生成機構
II 体内の水分,塩分と血圧の調節
III 酸-塩基平衡の維持
IV レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系
V エリスロポエチンの産生
VI ビタミンDの活性化
F 生体防御機構
I 自然免疫と獲得免疫
II 感染制御
1 即時型自然免疫
1)物理的防御
2)化学的防御
3)生理的防御
4)補体
5)好中球
2 誘導型自然免疫
1)パターン認識受容体(PRR)
2)サイトカイン
3 獲得免疫
1)抗原の認識
2)補助刺激
3)活性制御(免疫チェックポイント)
4)ヘルパーT細胞
5)細胞傷害性T細胞(CTL)
6)液性免疫
III 関連疾患
1 アレルギー
2 自己免疫疾患
3 免疫不全症
4 がん
G 呼吸器
I 肺胞でのガス交換
II 酸素の運搬
III 二酸化炭素の運搬
IV 酸-塩基平衡
V 肺胞の環境維持
第8章 病気の生化学
I 肥満
II 高血圧症
III 脂質異常症
IV 糖尿病
V その他の代謝異常症
VI がん
VII 神経変性疾患
VIII 分子医学
第9章 栄養学
I エネルギー代謝
1 食品に含まれるエネルギー
2 基礎代謝,活動代謝とエネルギー所要量
II 栄養素
1 タンパク質
2 炭水化物(糖質)
3 脂質
4 PFCバランス:エネルギー産生栄養素バランス
5 ビタミン
1)水溶性ビタミン
2)脂溶性ビタミン
6 ミネラルと電解質
7 微量元素
索引