5月13日(日),宮城県歯科医師会館(仙台市)にて「臨床家におくるペリオの今昔,そして未来」のメインタイトルで,日本臨床歯周病学会東北支部設立記念講演会が開催された.歯周治療に取り組む開業医を中心に組織される日本臨床歯周病学会は,昨年6月に特定非営利法人として認可され,活動の目的として「国民の健康に寄与する」ことをより明確に打ち出した.その実現のためには地域医療を直接担う支部活動は重要であり,今回6番目の支部として東北支部が設立された意味は大きい.

東北支部長・江澤庸博氏(宮城県開業)の開会挨拶に続き,講演会はまず船越栄次理事長(福岡県開業)が登壇.「歯周再生療法と最近のインプラント治療の傾向について」と題し,再生療法のこれまでの歴史を整理したうえで,その手法が,骨移植,上皮排除法,根面処理,GTRなどを経て,生物学的な発生過程を模倣させるタンパク質の応用:エムドゲインへと至った背景を,自身の経験,症例に基づき詳細に解説した.さらにインプラント治療への応用テクニックとして,一時閉鎖を行わず膜を露出させた状態にする「オープンバリアメンブレンテクニック」の症例を披露.会場の注目を集めた.
ランチョンセミナー「グレーシーキュレットの歴史とその変遷」をはさみ,午後は,島内英俊教授(東北大学大学院歯内歯周治療学分野)が「ペリオドンタルメディスンのEBM」と題し講演.EBMの必要性や情報アップデートの重要性を,歯周病と妊娠の関係を例にとって解説したのち,本題として,メタボリックシンドロームの視点からとらえた歯周病と全身疾患との双方向エビデンスについて最新の知見に基づく報告を行った.肥満→Ⅱ型糖尿病→動脈硬化→虚血性心疾患の流れを「生活習慣病ドミノ」とし,それぞれのリスク因子としての歯周病の位置づけをシステマティックレビューから検証した.
最後に,若林勝夫氏(東京都開業)は「歯みがきが愉しくなるブラッシング指導」のタイトルで,コンデンタルスタッフを含む聴衆を意識した,プラクティカルなブラッシング指導のエッセンスを解説.歯周治療におけるブラッシングの意義,染め出しのノウハウ,模型を使った具体的なブラッシング指導法などを述べ,TBIは「術者と患者の共同参画」とまとめた.