2月26日(日),浜離宮朝日ホール(東京都中央区)にて,標記シンポジウムが開催された.
PRGF(Plasma Rich in Growth Factors;BTI社)はこれまでも歯科のみならず幅広い分野で臨床応用がなされてきたが,このたびPRGF-ENDORETとしてさらに簡易化されたシステムになって初めてのシンポジウムの開催となった.

最初にPRGF-ENDORET日本協会会長の佐藤文昭氏(東京都開業)より,昨年のBTIシンポジウムの報告と,BTI社が本拠を置くスペインで再生医療が発達している背景などの説明があった.
特別講演「スポーツ外傷・障害に対するPRGFの応用」では,金森章浩氏(筑波大・整形外科)が損傷した靱帯の治癒過程について,顕微鏡レベルで正常に戻るのは2年以上かかるものであり,治癒が不十分な状態で無理に運動するため「捻挫が癖になる」現象になることを解説した.さらに,ジャンパー膝やテニス肘の患者に対し,PRGFの具体的な臨床応用症例を紹介した.
講演「抜歯後の歯槽堤の形態的変化と抜歯窩治癒の病理」では,塚原宏泰氏(東京都開業)が抜歯窩の形態を分類し,治癒に伴って予想される骨吸収の問題を提起した.そして,PRGFを骨移植材と併用するサンドウィッチテクニックを紹介し,この術式を行うことで抜歯窩の骨吸収を少なくすることが可能であることを述べた.
口演「Minimally Invasive Surgical Procedure for Regenerative Therapy on the Implant Sites」では,中村雅之氏(東京都開業)が従来インプラント埋入が難しいとされてきた症例に対し,PRGFを応用することで結果的に低侵襲のインプラント治療が可能となることを紹介した.
続いて,新村昌弘氏(東京都開業),斎田寛之氏(埼玉県開業),柴原清隆氏(福岡県開業),浅野栄一朗氏(東京都開業)が,それぞれPRGFを使った症例をもとに発表し,インプラント,歯周組織再生から外科矯正まで,幅広い応用が可能であることを示した.
口演「PRGF-ENDORET移行にあたって」では,加藤嘉哉氏(千葉県開業)がPRGF-ENDORETとして従来よりもさらに簡易化されたシステムの説明を行った.

さまざまな適応の紹介や,簡易化されたシステムによって,PRGF-ENDORETシステムの将来性を感じさせるシンポジウムになった.