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日本臨床矯正歯科医会平成20年度2月例会開催される

 2月18日(水),19日(木)の2日間,東京ステーションコンファレンス(東京都千代田区)にて標記会が開催され,約380名の参加者を集めた(会長/平木建史氏・大阪府開業).
 初日は開会式ののち,広報委員会の委員会報告として斎藤康雄氏が「Webの将来展望と矯正医会ホームページの戦略」と題し,ホームページを利用した「矯正歯科何でも相談」などを展開している同会の今後の戦略について検討が行われた.
 その後,総会および新人会員紹介が行われたのち,特別講演として「矯正歯科の日常診療の中に潜むアクロメガリー(先端巨大症)」が堀智勝氏(東京女子医大),肥塚直美氏(東京女子医大)が講演された.アクロメガリーに関する基礎的な内容から,矯正歯科治療に関連する臨床的な視点まで,詳細な解説が行われた.
 2日目は,社会医療委員会による委員会プログラムとして,桜井充氏(参議院議員)が「歯科医療が日本を変える」と題する講演を行った.アメリカ発の金融危機に端を発した恐慌状態の現在,経済をどのように考えていけばいいのか,また,経済効果をもたらすものとしての医療産業の重要性について述べた.また,日本の社会保険制度の優位点について述べた一方で,現在の歯科医療をめぐる様々な問題点を指摘した.今後の歯科界は,治療の効果を示すデータの集積により,情緒的ではない交渉を積み重ねることで,その重要性をアピールすべきことを主張した.

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 次に,教育講演として「低線量放射線の健康への影響と医療への応用」が山岡聖典氏(岡山大)により行われ,歯科放射線分野におけるX線検査による健康への影響を述べるとともに,歯科分野では危険視されがちな放射線も低線量においては健康に有益効果をもたらす場合があるという研究結果を発表した.
 午後には,昨年の第36回大会のアンコール賞受賞者発表が行われた.脇本康夫氏(神奈川県開業)は「歯根吸収に関連して-神奈川支部学術委員会における症例検討会より-」と題し,神奈川支部における治療前の歯根吸収に関連した症例を持ち寄り,原因や処置の選択などについて検討を行った成果を発表した.歯根吸収を伴う症例は矯正医の多くが直面する問題であり,会場の注目を集めていた.また,里見優氏(山形県開業)は,「顎のずれと生活習癖について学校健診を利用し考える」と題し,自身の医院で行っている「ことばのリハビリ室」の紹介の後,学校歯科検診の際に顎のずれが見られた症例について,生活習癖の調査手段とその成果について発表した.矯正医ならではの視点での研究は,ヘルスプロモーションへの新たな貢献の方向性を提示するものとなった.

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 また,同日には充実したスタッフプログラムが組まれた.午前には4つのワークショップ「だ液検査と予防プログラム」「トリートメントケアと歯肉マッサージ」「クリニカル・コーディネーター」「矯正技工45年 技工操作のポイントいろいろ」が開かれ,すべての会場がほぼ満員となった.午後には「“ガッテン”流!「行動変容」を目指したプレゼン術」と題し,北折一氏(NHK)が講演を行った.
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 充実したプログラムのため会場によっては立見が出るほどとなり,矯正分野に携わる歯科医師,歯科衛生士,歯科技工士などが幅広い知識や情報を必要としている現状を知る2日間となった.

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