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「ナノジルコニアフォーラム 2008」開催される

 6月1日(日),標記フォーラムが東京都内にて開催され,ジルコニアナノ複合セラミックス(Ce-TZP/Al2O3.以下,ナノジルコニア)の歯科臨床での応用可能性について,国内外の歯科医師,歯科技工士,素材開発者らが講演・議論を展開した(於:東京コンファレンスセンター品川,主催:パナソニックデンタル株式会社).
 演者・演目は
・「新素材ナノZRにおける臨床の実際とオールセラミックスの展望」(大畠一成氏;デンタルラボアグロース代表)
・「セリア系ナノジルコニア開発の秘話」(新原皓一氏;長岡技術科学大学特任教授)
・「セリア系ジルコニアナノ複合材料の開発」(名和正弘氏;松下電工技監)
・「ナノジルコニアを応用したオールセラミックスブリッジの基礎と臨床」(三浦宏之氏;東京医科歯科大学大学院教授)
・「セリア系ジルコニア複合セラミックス~新しい高性能酸化ジルコニウムの歯科理工学
技術的影響および臨床結果について~」(J.Fischer氏;チューリッヒ大学教授,D.Lingweiler氏;歯科技工所開業)
の5題で,セリア系のジルコニア結晶内に微細なアルミナ粒子を分散複合させて強度や破壊靱性を高めたというナノジルコニアについて,現在主流のジルコニア(Y-TZP)との比較を交えながら学術的検討が図られた.

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 参加した約600名の歯科医師,歯科技工士らからは,低温劣化耐性の高い物性に着目して“セラミックス前装ジルコニアクラウン”の可能性にも触れた三浦氏講演,ナノジルコニアの物性データの検証から支台歯形成,フレーム設計の具体的術式までを展開したFischer氏講演,コーピングの光透過・反射性能および色調再現時の注意点などを詳説したLingweiler氏講演などに特に耳目が集まったほか,講演後のシンポジウムでは「ナノジルコニアではどこまでフレーム厚みを薄くできるか」というラボサイドワークに直結する関心テーマについても各氏から具体的な臨床実感や将来展望が示唆され,素材開発を受けて変容する審美歯科・歯科技工の醍醐味が提示されていた.(了)

 ※本フォーラムについては月刊『歯科技工』誌上にて記事掲載致します.
 ※本フォーラム内のLingweiler氏講演については,月刊『歯科技工』3月号(36巻3号)掲載論
文「ナノテクノロジーと長石セラミックスの融合」にて詳細をご覧いただけます.

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