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NOAH 20周年記念大会 開催される
 3月2日(土),3日(日),JRゲートタワーカンファレンス(名古屋市中村区)にて,NOAH(名古屋咬合臨床研究会.顧問:三輪一雄氏・愛知県,会長:相宮秀俊氏・愛知県)の活動20周年を記念した標記大会が「咬合臨床を楽しく語ろう」をテーマに開催された.
 初日は「7スタディ合同ケースプレゼンテーション大会」と銘打ち,NOAHおよび同会と過去にジョイントミーティングを行った団体(名古屋・ブラッシュアップ研修会,浜松・DMC浜松,金沢・ISGK,東京・IPSG,東京・情熱会,名古屋・MDI)の会員らによる症例発表が行われた.演題ならびに発表者は以下のとおり.
 「IDEALではない症例への最適解を探る―咬合違和感のある患者に包括的アプローチを行った1症例―」野田和秀氏(愛知県/NOAH)
 「審美的回復を可及的に考慮し、咬合再構成を行った一症例」小澤謙盛氏(愛知県/MDI)
 「顎機能を考慮して行った咬合再構成治療」古橋広樹氏(三重県/ブラッシュアップ研修会)
 「局所的な補綴治療における側方ガイドの一考察」古橋拓哉氏(静岡県/DMC)
 「予後不安歯の保存に努めた一例」北野智久氏(石川県/ISGK)
 「咬合からアプローチした顎関節症Ⅲb・Ⅳ型への対応」佐藤孝仁氏(宮城県/IPSG)
 「病的な歯の移動を起こした歯周病患者に対して、歯槽骨のハウジングを意識した矯正治療、再生療法を行った1症例」長嶋秀和氏(東京都/情熱会)
 2日目は20周年記念講演会として各団体から演者が登壇.
 神山剛史氏(埼玉県/情熱会)は「ライフステージを考慮した咬合再構成~下川臨床咬合の考え方と実際~」として下川公一氏の提唱した咬合理論に基づく顎運動の動画評価のポイントやライフステージに応じたリスク評価などを紹介した.
 吉木雄一郎氏(愛知県/ブラッシュアップ研修会)は「Protocol for Full-mouth Additive adhesive restorations」と題し,間接修復による咬合再構成治療における,症例の病因論・治療計画・咬合高径・プロビジョナルレストレーション・マテリアルセレクションについて考察した.
 小西浩介氏(東京都/IPSG)は「欠損を伴う咬合再構成におけるテレスコープ義歯を用いたアプローチ」と題し,コーヌステレスコープの適応症と禁忌症,症例に応じた各種テレスコープ義歯の選択と設計,天然歯-インプラント混在症例への対応について述べた.
 岡崎伸一氏(愛知県/MDI)は「歯科衛生士・歯科技工士・矯正専門医と組むということ」と題し,自身の来歴を振り返りながら,補綴医が総責任医を担いつつ歯科衛生士・歯科技工士・矯正専門医とチーム医療を進めていくうえでの困難とやり甲斐を真摯に語った.
 白石大祐氏(石川県/ISGK)は「大臼歯欠損に対するショートインプラントを用いたBone hat approachとサイナスリフトの展望」と題し,最小限の外科的侵襲にて実践できるクレスタルアプローチによるサイナスリフトの手技と臨床例を供覧した.
 鈴木英史氏(静岡県/DMC)は「多数歯欠損患者に対する咬合再構成」として,患者一人ひとりに異なる最適な治療ゴールを検討するために,先に処置方針を決めて治療に臨むのではなく治療用義歯を用いた機能的なリハビリテーションならびに再評価を通じて治療ゴールを導く重要性を訴えた.
 相宮氏は「咬み合わせから健康を追求する~NOAHの到達点とこれから~」と題し,ライフステージを考慮した患者主導型の咬合治療を行うために必要な検査・診断のポイントや咬合再構成における適正な顎位・咬合高径・アンテリアガイダンス・補綴咬合様式の決定について解説した.
 最後に三輪氏が「NOAHにおけるコンセプト真の包括的歯科診療を目指して」と題し,同会が掲げる“咬合を中心とした包括歯科医療”を実践するにあたって大切にしてきた「グループサポート」,「スタンダリゼーション」,「フィロソフィー(歯科診療哲学)」について述べ,生理的条件を整えながら個々の最適咬合→理想咬合付与の可能性を検討することが重要とした.

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