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第15回 STEP発表会 開催される
 11月12日(日),標記発表会がパピヨン24ガスホール(福岡県福岡市)で開催された.STEPは田中秀樹氏が立ち上げたスタディグループで,11回目の発表会以降,R(主宰:徳永哲彦氏),PABC(主宰:安東俊夫氏)との共催で行われている.
開会挨拶をする田中秀樹氏
 第15回の節目にあたる今回は「Trends & Future direction―基本治療をふまえた未来の歯科臨床を探る―」をテーマとして,歯周,咬合,デジタルの3分野からそれぞれの会員発表が行われた.
 歯周の分野は「考える歯周外科 ~診断から始まる成功へのロードマップ」をテーマとして,2名の演者による発表が行われた.
 「シンプル根面被覆術~確実に結果を出すための術式マニュアル~」の演題で登壇した宮園香樹氏(福岡県)は,歯周外科の基本原則を守ることで根面被覆術を着実に行うことができるとし,その実践を示した.「失敗症例から考察する歯周組織再生療法の優先事項」の演題で登壇した脇田祐輔氏(大分県)は,歯周組織再生療法を行ううえで患者にどのようなことを遵守してもらうか,術式をどんな基準で選択すべきかといった観点について,エビデンスに基づいて論じた.
左から,脇田氏,宮園氏
 咬合の分野は「知っておくべき!咬合の基礎知識と臨床応用」をテーマとして,3名の演者による発表が行われた.
 「解剖学的構造から咬合を考える」の演題で登壇した駒澤 誉氏(福岡県)は,咬合を構成する要素の個々に着眼し,その理想像を理解することによって有効な治療介入に繋がっていく可能性を示唆した.「ゴシックアーチを用いた咬合再構成―水平的顎位の道しるべ―」の演題で登壇した深町太伊地氏(福岡県)は,重度歯周炎によって咬合崩壊を起こした高齢者に対し咬合再構成を行った症例を検討し,ゴシックアーチの有効性を語った.「筋肉位による下顎偏位の治療と評価」の演題で登壇した山尾康暢氏(福岡県)は,顎変形症に対し矯正治療で不正咬合を改善した自身の症例を振り返り,筋肉位による顎位決定をどう行っているか解説した.
左から,駒澤氏,深町氏,山尾氏
 デジタルの分野は「デジタルデンティストリーの現状とこれからの展望」をテーマとして,3名の演者による発表が行われた.
 「デジタルデンティストリーで変わる修復治療~限界と対策~」の演題で登壇した田代 剛氏(佐賀県)は,デジタルで作製された補綴装置と従来のものを比較検討し,マテリアルの違いなども考慮したうえで臨床における要点を話した.「デジタル時代の前歯部審美補綴」の演題で登壇した川谷温美氏(福岡県)は,院外技工士との連携しながら前歯部審美補綴修復をIOSで行った症例を紹介し,今後の展望を語った.「咬合再構成におけるデジタルデンティストリーの有用性」の演題で登壇した布巻純治氏(山口県)は,技術進歩やダブルスキャンテクニックによって,全顎治療においてもデジタルデンティストリーが効果的であることを示し,咬合再構成における勘所とあわせて解説した.
左から,布巻氏,川谷氏,田代氏
 特別講演として,正木千尋氏 (九歯大)が「インプラント治療におけるトラブルとその対応~デジタルの有用性や問題点~」の演題で登壇し,インプラント治療におけるデジタルワークフローの有効性について検討を行い,トラブルを防ぐうえで注意すべき点について,さまざまな文献をもとに示唆した.
特別講演を行う正木氏

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