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第22回新御茶ノ水摂食嚥下研究会 開催される
 1月10日(木),東京医科歯科大学(東京都文京区)において,標記研究会が開催された.今回は東京医科歯科大学内で行われている脳卒中患者に対する他職種連携による口腔機能管理について,同大学大学院の古屋純一氏と,同大学医学部附属病院看護部の川崎つま子氏の2名が演台に立った.
左から古屋氏,川崎氏,新御茶ノ水摂食嚥下研究会を主催する戸原 玄氏
 まず,古屋純一氏(東京医科歯科大学大学院 地域・福祉口腔機能管理学分野)が『TMDU型・多職種と地域でつながる脳卒中の口腔機能管理』と題する発表をした.古屋氏は,脳卒中の基本的な事項や発症後の治療の流れを解説し,そのなかでも口腔機能を管理することの重要さや,多職種が関わることの大切さを強調.そうしたなかで,東京医科歯科大学の病院で行われている,脳卒中患者に対する口腔機能管理の流れを解説した.
 多職種による介入の実際では,入院後早期(入院当日~3日以内)の歯科による評価,主に口腔ケアやリハビリに当たる看護師や言語聴覚士とも情報共有ができる情報ツール(OHAT)の使用,歯科医師・歯科衛生士と看護師,リハビリテーション職,管理栄養士などがクロスオーバーした口腔ケアや嚥下訓練,食形態の調整の流れを紹介.脳卒中では急性期病院から回復期病院,施設などへの転院も多いことから,転院先や他の地域に患者さんが移ってからでも繋がれる,口腔機能管理のシームレスな地域連携の形も示した.
 続く川崎つま子氏(東京医科歯科大学医学部附属病院看護部)は『多職種連携で行う脳卒中患者の口腔機能管理マニュアル』と題して,同病院内で行われている脳卒中患者に対する口腔機能管理の流れとそれをまとめたマニュアル,さらにはマニュアル作成事業の概要を解説した.
 同マニュアルは,病院内の多職種が参加したワーキンググループにより,「各職種が患者さんに介入する時期や病態に応じた対応・連携が滞りなく展開されるように」というコンセプトで作成され,川崎氏はベッドサイドや研修での実際の活用方法なども紹介.今後の効果検証やさまざまな教育の場での活用などの見通しを示した.
●『多職種連携で行う脳卒中患者の口腔機能管理マニュアル』は以下のアドレスから閲覧が可能(医学部附属病院,歯学部附属病院で内容は同じ)

・東京医科歯科大学医学部附属病院
http://www.tmd.ac.jp/medhospital/topics/180905/index.html

・東京医科歯科大学歯学部附属病院
http://www.tmd.ac.jp/dent_hospital/news/180905/index.html

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