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日本ヘルスケア歯科学会 電子たばこセミナー開催される
 3月5日(日),東京八重洲ホール(東京都中央区)にて,「火もない,煙もない,というけれど…電子タバコに健康被害はあるか?」をメインテーマに標記セミナーが開催された.まず,学会長である杉山精一氏(千葉県・開業)が登壇し,「患者さんから新型タバコについて尋ねられたことがきっかけとなって,本セミナーを企画した」と述べ,歯科医師,歯科衛生士ともに,新型タバコや電子タバコの危険性について知っておく必要があると訴え,開会の挨拶とした.
開会の挨拶を行う杉山氏
 「禁煙後の歯肉の色調変化」と題し,加藤智崇氏(福岡歯科大学口腔・歯学部門総合歯科学講座高齢者歯科学) が登壇.喫煙により着色した歯肉は禁煙後どのように変化するのかについて,日本ヘルスケア歯科学会が開発した新規の歯肉着色評価法「GMR(Gingival Melanosis Record)」を用いた研究について発表した.20代ではあまり禁煙の効果が歯肉着色の変化としてみられない点や,約4.5年の禁煙で歯肉着色は半減する点などが示された.
講演中の加藤氏
 次に「脱タバコ社会における新型タバコ製品の登場と攻防」と題し,望月友美子氏(公益財団法人日本対がん協会)が登壇した.望月氏は日本におけるタバコ製品の変遷や,この約1世紀の間に世界的なタバコの消費量は100倍にもなっている点について解説した.そして,新型タバコや電子タバコを構成する成分や特徴,身体への影響などを詳説し,それらの製品に対して法律の整備が追いついていないと言及した.最後に望月氏は「新型タバコに対する研究はいまだ不十分ではあるが,ニコチンといった有害成分が含まれているのは事実であり,タバコを新型タバコに代えたところで,身体に悪影響を及ぼす点では何も変わらないこと歯科医院からも発信してほしい」と訴えた.
講演中の望月氏
 満員となった会場では活発な質疑応答が交わされ,盛況なセミナーとなった.

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