6月13日(金),14日(土),九州歯科大学講堂(北九州市小倉北区)において標記学会が開催され,延べ250名が参加した(大会長:鱒見進一氏/九州歯科大学口腔機能再建学講座顎口腔欠損再構築学分野教授).
初日の特別講演「顎顔面領域の再建のための顎骨延長法の応用」(座長:鱒見氏)では,高橋 哲氏(九州歯科大学口腔顎顔面外科学講座形態機能再建学講座教授)が,仮骨にメカニカルストレスを与えることで骨形成を促す「仮骨延長法」について解説するとともに,それを上下顎骨の再生に応用した症例を供覧.遊離骨移植術や骨皮弁移植などの従来法と比較した場合の利点,欠点を整理した.また,自身が着手している新研究である「骨膜伸展形成法」について概説し,“顎骨延長法”の臨床応用の展望を示した.
2日目の教育研修会『顎顔面補綴治療の変遷 上顎腫瘍』(座長:舘村 卓氏/大阪大学大学院歯学研究科高次脳口腔機能学講座顎口腔機能治療学分野准教授)では,まず「顎補綴治療のための手術での考慮」として松浦正朗氏(福岡歯科大学咬合修復学講座口腔インプラント学分野教授)が外科医の立場から登壇.診断法と治療法の発達によって治療成績が向上したがん患者の社会復帰を後押しするためには,後遺症害の低減と顎顔面補綴物の装着を事前に考慮した腫瘍切除・形成術が必要になるとして,上顎欠損部の積極的な再建を応用した腫瘍切除術や,上顎へのインプラント顎義歯装着症例を紹介した.
続いて,石上友彦氏(日本大学歯学部歯科補綴学Ⅱ講座教授)が「上顎腫瘍摘出後の補綴治療」との題で,かつて外科から顎顔面補綴物の製作を依頼された患者の元の顎位に関する情報が得られなかったために,適切な補綴処置を施せなかったなどの実体験に基づいて,術前からの外科医-補綴医の連携の必要性を補綴医の立場より訴えるとともに,同大歯学部附属歯科病院における,歯科衛生士も含めたチームアプローチの取り組みを解説した.
最後に,山口能正氏(佐賀大学医学部歯科口腔外科学講座)が「当科における上顎顎補綴の変遷─歯科技工の立場から─」と題して,顎義歯の維持源として欠損部のアンダーカットを利用したもの,自家製アタッチメントやインプラントを応用したものについてそれぞれの製作法を示し,機能・形態面で適切な顎顔面補綴物を完成させるためには,製作者である歯科技工士が外科医,補綴医の意図を理解しておくことが重要になると訴えた.
その後のディスカッションでは,顎顔面補綴分野における後継者育成の必要性と歯学部教育との連携などについて活発な議論が交わされた.

次回大会は,2009年6月26日(金),27日(土)に三重県北勢地域地場産業振興センター(三重県四日市市)にて開催される予定である(総会長:下郷和雄氏/愛知学院大学歯学部口腔外科学第二講座教授).
※本学会については月刊『歯科技工』8月号誌上にて記事掲載いたします.また,後続号にて参加者によるレポート記事を掲載いたします.