やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

訳者まえがき
 本書の原書である『MINOR EMERGENCIES』の初版は,2000 年に出版された.その評判が日本にも伝わり,2007 年に出版された第2 版をわれわれが翻訳して2009 年に日本語版が出版された.原書は米国でたいへん好評だそうであるが,おかげさまで日本語版も予想以上に多くの方々に購入していただいた.今回お届けするのは,2012 年に出版された第3 版を翻訳したものである.
 この本を初めてお読みになる方は,“マイナーエマージェンシー“というタイトルから,どのような内容を想像されるだろうか.これは外来診療で遭遇するさまざまな急患への対応をまとめた本であり,その内容は極めて幅広く,収載されている外傷や疾患などの項目数は184 に及ぶ.ただし,そこには「ショック」「脳出血」「心筋梗塞」「急性腹症」といった,救急医学の主要な疾患・病態は含まれていない.“ただちに命にかかわるほどではないが,すぐに対応しなければならない”さまざまな疾患や病態が数多く記載されている.「とにかくできるだけ何でも診なければならない」救急や初診外来で診療するには,とても役立つ内容である.
 プライマリ・ケアを担当する医療者に求められる能力の特徴の1 つが,いろいろな疾患や外傷に幅広く対応できることである.事前にすべてのことに対応できる能力を身につけておくことが理想的だが,実際には無理である.話には聞いたことがある疾患を,あるいはずっと以前に診療したことのある病態を,急に1 人で診なければならないことがプライマリ・ケアでは少なくない.それが命にかかわるような状態であれば,とにかく転送することが最善の診療ということもあるが,大半の,それほどでもない「急患」には,書籍やインターネットなどの資料を参考にしながら,自分で診ることが求められる.
 “cookbook medicine”とは,ガイドラインや教科書をやみくもに患者に適用する医療を,揶揄する表現である.しかし,医療者が幅広い診療をしようとした場合に,その現場に参考資料がなければ,実はその医療者の得意な限られた領域以外については,cookbook medicineさえ行えないのである.日本では,新たな専門医制度が始まろうとしているが,原則としてすべての医師が「専門」を持つようになることにより,「狭い専門以外は診ようとしない」医師がさらに増えることを私は強く危惧している.本書の内容の幅広さと的確な情報が,「急患」を診ることに医療者を前向きにさせる一助となることを願っている.
 本書は前版までは単著である.驚異的なことに,これだけの量を1 人で執筆されている.超人的な著者が本書をつくった動機や本書にかける願いは「第2 版まえがき」に記されている.ぜひご一読いただきたい.もとが単著なので表現や判断や方針が一定していて読みやすいのも本書の特長である.「臨床像」「するべきこと」「してはいけないこと」というように簡潔に整理された構成と,わかりやすいイラストは,要点を急いで理解する必要のある現場に適している.ぜひ活用していただきたい.ただし利用する際に注意したいのは,本書の内容をそのまま盲目的に適用する,まさにcookbook medicine的な使い方をしないことである.なかでも薬物療法の記載については留意する必要がある.本書はおもに米国内の診療を想定して書かれている.薬品の名称や使用量には注釈をつけたが,必ず日本国内向けの医薬品集などでも確認してから使用していただきたい.
 基本的な構成は前版を踏襲しているが,今回は,前版では収載しなかった歯科領域など新たに13 項目を追加した.前の版で収載されていた項目についても,内容の見直しによる大幅な改稿や加筆がなされている.また,QRコードによるビデオアクセスで,関連動画を閲覧することも可能になった.
 前回と同様に,今回も翻訳にはかなりの時間と手間をかけた.訳者の人選や分担の割りふりを担当してくれた齊藤氏をはじめ,内容の批判的吟味も含めていろいろとご尽力いただいた訳者の諸氏に感謝申し上げる.監訳作業には今回もほぼ半年をかけて,おもに東京と札幌を往復する飛行機やモノレールの移動時間を利用して行った.できるだけ平易で明快な文章になるよう配慮して作業したが,翻訳や注釈の不備など,お気づきの点があれば,ぜひご教示いただきたい.
 医歯薬出版の遠山邦男氏をはじめとする関係者の皆様には,今回も手厚く支援していただいた.あらためて感謝申し上げる.
 2015 年3 月 札幌にて
 訳者を代表して
 大滝純司


 患者の立場からみると,「マイナーエマージェンシー(軽微な緊急事態)」などというものは存在しません.救急治療が必要な問題や軽症とされる緊急事態は,患者にとっては「メジャー(重大)」な問題であり,迅速かつ正確な判断が下されることを患者は期待します.さらに,医療提供者側に管理に関する最新の情報が求められたり,最良のケアを提供するために追加の情報が必要となったりする場合には,マイナーエマージェンシーは一筋縄ではいかない難題となります.
 本書は,各種のマイナーエマージェンシーを網羅的かつ詳細に記載した解説書であり,救急治療の現場ではきわめて有用な情報源となります.
 本書『Minor Emergencies』は,医療の最前線で働く医師に役立ててもらえるよう,わかりやすく書かれています.臨床的な問題が系統別にまとめられ,目次からトピックを見つけることができます.本書に目を通すと,問題の確認が容易で,詳細に検討すべき領域をピンポイントに特定できるようになっていることに気づかれるでしょう.背景色で他と区別されている考察部では,臨床的な予後のほか,病態生理や損傷の機序が簡潔に説明されています.
 各セクションには,慎重に選択された推奨文献と,関連するイラスト,図,画像などが掲載されています.また個々の事例ごとに,重要な注意事項が記載されているほか,医療提供者が質の高いケアを提供していくうえで考慮すべき手順と方略が明示されています.どのパートにも,臨床での実践と救急医療に関する教育セッションで得られた経験が反映されており,実用的な方略を織り交ぜた,最新の科学的アプローチが解説されています.さらに補足事項として,マイナーとメジャーの別を問わず,緊急時に有用となる重要処置のプロトコルと推奨文献が掲載されています.『Minor Emergencies』は,医学生だけでなく経験豊富な医師にもご利用いただける,非常に優れた救急治療のツールです.
 私はこれまでに,学生の健康問題を扱うプライマリケア医療からスポーツ分野の医療,へき地での野外医療まで幅広くこなし,応急処置から救急治療室での診療にいたるまで,さまざまな実務を経験してきました.そうした自らの経験から,医師必携の資料として本書を強く推薦します.包括的な内容を簡潔かつ正確に記載した実用的な書籍となっています.
 Thomas C.Peterson,MD
 Professor and Chair of Family Medicine
 University of Vermont College of Medicine
 Burlington,Vermont

まえがき
第2 版のまえがき
 “Good judgment comes from experience,and a lot of that comes from bad judgment.”
 ―Will Rogers
 1960 年代後半,当時バーモント大学(University of Vermont)の医学生で救急治療(当時は特殊な分野とみなされていました)に興味をもっていた私は,自分が受けていた医学教育では(それ以外の点では例外なく非常に優れていたものの)単純な軽症の救急治療の部分が抜け落ちていることに不満を感じていました.その思いを抱いたまま時は過ぎ,1975 年のこと,ジョージ・ワシントン大学医療センター(George Washington University Medical Center)救急部門のメディカル・ディレクター(medical director,ワシントンDC地区で初の,レジデントとしての研修を修了した救急医)となっていた私は,同大学の医学生を対象に“Common SimpleEmergencies”と題した救急医療に関する1 時間の講義を行う機会を与えられました(当時は,救急医療の全範囲を扱うのにも1 時間で十分と考えられていたのです).
 結局,このスライド上映と講義は6 時間の枠に拡大され,ジョージタウン大学医療センター救急科(Georgetown University Medical Center Emergency Department)で定期的に行われることとなりました.その講義で扱ったトピックは,関連データの報告などまだほとんどないものが大半でしたが,1985 年には,救急科の指導医であったDr.Thomas Stairの助けを借りて,“Common Simple Emergencies”について300頁の書籍にまとめることができました.この書籍に掲載された情報は,大部分が一般的な慣習や個人的な経験に基づくものでした.
 それから15 年後,この書籍は,その後発表された多くのデータを加え500 頁に増え,現在の書名となって再出版されることとなりました.基本的な構成(“するべきこと/してはいけないこと”)はそのまま踏襲しました.情報量はかなり増えましたが,旧版と同様に実用的な手引きになっています.
 今日では,初版が出版された1985 年とは対照的に,『Minor Emergencies』で扱われているテーマのほぼすべてについて,過剰ともいえるほどの大量の科学的データが存在しています.今回,本書は800 頁を超えました[訳注:英語版].あまりに膨大な量のデータに圧倒されることも度々ありましたが,内容が増えてもなお有用かつ実用的な手引書となるように各項目をまとめました.
 旧版の簡潔な基本構成は踏襲し,それぞれのパートで重要な情報は目立つように,今回も太字にしています.また新たに赤字を使って,本文内の異なるトピックをみつけやすくしています.考察については,今回から背景に色をつけて目立つようにし,文字を小さく2 段組みにして全体をコンパクトにまとめました.これらの変更で,本書はさらに幅広い充実した書籍になりましたが,一目でわかるという利便性も保っています.
 臨床的な内容はすべて更新し,さらに新たなトピックを追加し,可能な限り科学的根拠に基づくデータを使用しました.また読者の理解を助けるために,数多くの写真とイラスト(カラー)を追加しました.さらに,索引を使いやすくするために,私が自ら索引を再検討し,見たい項目を見つけやすいように,手がかりになる症状を数多く掲載しました.
 私がここまでやってきたのはすべて,読者の皆さんが医師として患者のケアにやりがいを感じられるようになってもらいたいとの思いからです.軽症の救急患者が来院したとき,この本があれば落ち着いて治療に臨むことができ,患者を癒す喜びを味わえるでしょう.患者は,痛みや不安を取り除き,思いやりをもって治療を行い,ときには笑わせてもくれる,そんなユーモアのセンスと自信に溢れた臨床医に診てもらえるようになるのです.医師の助けを必要とする軽症の救急患者が受診したとき,緊張せずに適切なケアを行うのに必要な知識が,本書から得られるのです(ユーモアは読者が自分で身につけなければなりません).そして,患者がよくなれば,その笑顔と感謝の言葉で,あなたの診療は報われるのです.
 Philip M.Buttaravoli,MD,FACEP

第3 版のまえがき
 最新版の『Minor Emergencies』に学術的な要素を取り入れるため,私は母校であるバーモント大学に戻りました.これで本書は原点回帰を果たしたことになります.そこで私は,救急部門のメディカル・ディレクターを務めるStephen M.Leffler MDに,彼自身をはじめとする救急部門の医療スタッフは,『MinorEmergencies』の臨床的な内容を更新するとともに,動画コンテンツを収録した電子書籍としてデジタル版を作成するという仕事に関心はないだろうかと尋ねました.
 すると彼と救急部門のスタッフは,この難題を熱意をもって受け入れてくれました.
 こうした協力により,この最新版の『Minor Emergencies』は,さらに正確さを増すとともに,読者にとって一層便利な書籍になっているはずです.本書の電子版は定期的に更新され,臨床に関する情報を継続的に改訂していく予定です.
 第3 版の書名は, 以前の版では副題として添えられていた「Splinters toFractures」を削って,短く改めました.この副題については,その情報的な価値よりも読者に与える誤解による影響のほうが大きいと思われ,短縮した新しい書名のほうが本書の本質をよく表していると考えたのです.
 常日頃から一般市民に生じたマイナーエマージェンシーに対応している世のすべての臨床医にとって,版を改めた本書が引き続き助けとなることを願っています.
 Philip Buttaravoli,MD FACEP

著者からの注記
 本書に記載されている各種商品について,その販売元と我々との間には個人的にも経済的にも一切関係がないことを宣言しておきます.
 Philip Buttaravoli,MD FACEP
 (Butter ah'voli)
 Stephen M.Leffler,MD FACEP

謝辞
 今回私は,Kate Dimockと一緒に仕事をするという特別な機会を楽しむことができました.彼女はいつも喜びを携えて仕事に取り組み,この第3 版の制作において非常に有益で協力的な貢献を果たしてくださいました.さらに,KateCrowley,Angela Rufino,Claire Kramer,Michael Fiorettiの諸氏をはじめとする,本企画にかかわってくださったElsevier社の皆様から,きわめて有益で効率的かつ精力的な多大なる支援を賜りましたことに心より感謝いたします.
 最後に,フレッチャーアレン医療センター(Fletcher Allen Health Care)およびバーモント大学(University of Vermont)の救急部門のスタッフの皆様にも深く感謝いたします.
 訳者まえがき
 序
 まえがき
 謝辞
 ビデオ内容
 クイックリファレンス(QR)ビデオアクセス
 監訳者・訳者一覧
 略語一覧
第1部 神経・精神科領域の急患例
 事例
  1 薬物誘発性ジストニア
  2 熱中症(熱浮腫・熱失神・熱痙攣・熱疲労)
  3 過換気
  4 ヒステリー性の昏睡・偽てんかん発作
  5 特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)
  6 片頭痛
  7 てんかん発作(痙攣・ひきつけ)―成人
  8 痙攣発作(痙攣・ひきつけ)―小児の熱性
  9 緊張型(筋収縮性)頭痛
  10 軽微・軽度の頭部外傷(脳震盪)
  11 血管迷走神経性失神・神経心臓性失神・神経調節性失神(気絶・卒倒)
  12 めまい(めまい感・頭部ふらふら感)
  13 脱力・衰弱
第2部 眼科領域の急患例
 事例
  14 結膜炎(赤目)
  15 コンタクトレンズ合併症
  16 角膜上皮剥離
  17 異物―結膜
  18 異物―角膜
  19 麦粒腫(ものもらい)
  20 虹彩炎(急性前部ぶどう膜炎)
  21 眼窩周囲の浮腫・結膜の浮腫
  22 眼窩周囲の斑状出血(眼瞼皮下出血)
  23 位置がずれたコンタクトレンズの取り外し
  24 結膜下出血
  25 紫外線角結膜炎(溶接工の熱傷・日焼け用ベッドにおける熱傷)
第3部 耳鼻咽喉科領域の急患例
 事例
  26 耳垢塞栓(耳垢の詰まり)
  27 鼻出血(鼻血)
  28 異物―耳
  29 異物―鼻
  30 異物―咽頭
  31 喉頭気管気管支炎(クループ)
  32 単核球症(伝染性単核球症)
  33 鼻骨骨折
  34 外耳炎(スイマーズイヤー)―急性
  35 中耳炎―急性
  36 漿液性(滲出性)中耳炎(膠耳)
  37 鼓膜穿孔(鼓膜破裂)
  38 咽頭炎(咽頭痛)
  39 鼻炎―急性(鼻水)
  40 鼻副鼻腔炎(副鼻腔炎)
第4部 口腔・歯科領域の急患例
 事例
  41 アフタ性潰瘍(口腔潰瘍)
  42 脱臼歯・歯の亜脱臼・歯の脱臼
  43 歯科外科後出血
  44 口腔内灼熱症候群・舌灼熱感(舌痛症)
  45 歯の疼痛―根尖周囲膿瘍(歯の膿瘍)
  46 歯の疼痛―歯冠周囲炎
  47 歯の疼痛―抜歯後歯槽骨炎(ドライソケット)
  48 歯の疼痛―歯髄炎
  49 歯牙外傷(骨折・亜脱臼・移動)
  50 歯肉炎・急性壊死性潰瘍性歯肉炎(塹壕熱口内炎)
  51 口腔・口唇の裂傷
  52 粘液嚢胞(粘液瘤)
  53 口腔カンジダ症(鵞口瘡・酵母感染症)
  54 口腔単純ヘルペス(口腔ヘルペス・熱のはな)
  55 歯列矯正に伴う合併症
  56 口角炎
  57 唾石症(唾液腺管結石)
  58 顎関節症(TMD)(顎関節症候群)
  59 顎関節脱臼
  60 口蓋垂浮腫―急性
第5部 肺・胸部領域の急患例
 事例
  61 気管支炎(気管支炎型の感冒)―急性
  62 肋軟骨炎・筋骨格系胸痛
  63 吸入性障害(気道熱傷)
  64 刺激性のある無能力化剤への曝露(催涙薬・暴動鎮圧剤・催涙ガス)
  65 肋骨骨折・肋軟骨損傷(あばら骨の骨折)
第6部 消化管領域の急患例
 事例
  66 裂肛
  67 便秘・過敏性腸症候群・疝痛(胃痙攣)
  68 下痢(急性胃腸炎)
  69 蟯虫症(蟯虫・線虫)
  70 食塊による食道閉塞(ステーキハウス症候群・カフェコロナリー症候群)
  71 異物―直腸
  72 異物―誤飲
  73 痔核(痔)
  74 無害な誤飲
  75 しゃっくり(吃逆)
  76 嘔吐(食中毒・胃腸炎)
第7部 泌尿器科領域の急患例
 事例
  77 陰嚢の鈍的外傷
  78 着色尿
  79 精巣上体炎
  80 性器ヘルペス
  81 包茎・嵌頓包茎
  82 急性細菌性前立腺炎
  83 尿道炎(淋病・淋疾)
  84 急性尿閉
  85 単純性下部尿路感染症(膀胱炎)
  86 上部尿路感染症(腎盂腎炎)
第8部 婦人科領域の急患例
 事例
  87 バルトリン腺膿瘍
  88 尖圭コンジローマ(性器疣贅)
  89 接触性外陰腟炎
  90 月経困難症(月経痛)
  91 腟内異物
  92 “モーニングアフター”緊急避妊薬
  93 骨盤内炎症性疾患(PID)
  94 腟出血
  95 腟炎
第9部 筋・骨格系領域の急患例
 事例
  96 肩鎖関節(肩関節)離開
  97 足関節捻挫(足首の捻挫)
  98 輪状靱帯の転位―橈骨頭の亜脱臼(肘内障)
  99 指のボタン穴変形
  100 第5 中手骨骨折(ボクサー骨折)
  101 滑液包炎
  102 手根管症候群
  103 頸部捻挫(むち打ち損傷)
  104 橈骨神経浅枝の絞扼障害(手錠神経障害)
  105 鎖骨骨折
  106 尾骨骨折
  107 ドゥケルバン腱傍組織炎(母指腱滑膜炎)
  108 伸筋腱剥離―末節骨(野球指・槌指)
  109 手指の脱臼(PIP関節)
  110 手指の捻挫(PIP関節)
  111 指尖部(Tuft)骨折
  112 深指屈筋腱剥離―末節骨(スプレーフィンガー)
  113 ガングリオン嚢胞
  114 痛風性関節炎―急性
  115 膝関節捻挫
  116 外側上顆炎・内側上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘)
  117 靱帯捻挫(関節包の損傷を含む)
  118 膝のロッキング
  119 腰椎捻挫―急性(“機械的”腰痛・仙腸関節機能障害)
  120 単関節炎―急性
  121 痙攣(こむら返り)
  122 筋挫傷・筋断裂
  123 筋筋膜痛症候群―線維筋痛症(トリガーポイント)
  124 膝蓋骨の脱臼
  125 足底筋膜炎(“踵骨棘”)
  126 “足底腱”断裂―腓腹筋断裂(ふくらはぎの筋肉の断裂)
  127 リウマチ性多発筋痛症
  128 橈骨頭骨折
  129 橈骨神経麻痺(土曜の夜麻痺)
  130 舟状骨骨折
  131 肩関節脱臼
  132 腱障害:腱症・腱傍組織炎(腱炎)
  133 足趾骨折(ブロークントー)
  134 斜頸
  135 母指の尺側側副靱帯断裂(スキーヤー母指・ゲームキーパー母指)
第10部 軟部組織領域の急患例
 事例
  136 スポーク損傷とその他の挫滅損傷
  137 挫傷(打撲傷)
  138 手指または足趾の爪剥離
  139 指尖部の浅い皮膚・軟部組織欠損創
  140 釣り針の除去
  141 爪下異物
  142 異物のある刺創―軽傷
  143 裂傷─単純
  144 哺乳類による咬傷
  145 海洋生物による毒物注入
  146 爪床裂傷
  147 爪根の位置異常
  148 足底の伏針(異物)
  149 爪囲炎
  150 鉛筆の芯による刺創
  151 刺創
  152 指輪の除去
  153 とげ―表層部(細長い異物)
  154 皮下異物(金属片・歯の破片・ガラス片・砂利・硬いプラスチック片)
  155 爪下出血斑(テニス趾)
  156 爪下血腫
  157 耳垂の裂創・耳垂裂
  158 外傷性刺青・擦過傷
  159 ファスナーの食い込み事故(陰茎・顎)
第11部 皮膚科領域の急患例
 事例
  160 アレルギー性接触皮膚炎
  161 クモ類による毒物注入(クモ咬傷)
  162 節足動物による刺咬(虫刺され・虫刺症)
  163 皮膚の膿瘍・膿疱
  164 皮膚幼虫移行症(皮膚爬行症)
  165 おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)
  166 丹毒・蜂巣炎・リンパ管炎
  167 ファイアーアントによる刺傷
  168 摩擦による水疱(靴まめ)
  169 軽度凍傷・凍傷・軽度低体温症
  170 帯状疱疹(帯状ヘルペス)
  171 ハチ(ミツバチ・スズメバチ・アシナガバチ)刺症(ハチ刺傷)
  172 膿痂疹
  173 II度(部分層)熱傷・タール熱傷
  174 シラミ症(シラミ・ケジラミ)
  175 バラ色粃糠疹
  176 化膿性肉芽腫(毛細血管拡張性肉芽腫)(増殖性肉芽)
  177 疥癬(ヒトヒゼンダニ)
  178 海水浴客の発疹(Sea Lice)
  179 日焼け
  180 マダニ刺咬・マダニの除去
  181 足白癬・股部白癬・体部白癬(水虫・いんきんたむし・ぜにたむし)
  182 ウルシ類によるアレルギー性接触皮膚炎(ツタウルシ・アメリカツタウルシ・ドクウルシ)
  183 蕁麻疹―急性
  184 疣贅(尋常性疣贅・足底疣贅)

 補足事項
  A 詳細な眼の検査
  B 指ブロック
  C 指尖部のドレッシング法―簡易
  D 口腔神経ブロック
  E 処置時の鎮静・鎮痛
  F 狂犬病予防
  G 日本中毒情報センター
  H 破傷風予防

 索引
  和文
  欧文