やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

本書の特徴とねらい
(序にかえて)
 本書の特徴は,すでにこうして手にとられている皆さんにはお気づきの通り,巷間にあふれている他の参考書等と比べて,厚さがとても“薄い”ということにあります.
 薄いことにはメリットがあります.薄ければカバンに入れて持ち歩くことができますから,電車での移動中や食事休憩中などわずかな空き時間に気軽に本を開いて勉強ができるようになります.これは,「ちりも積もれば山となる」効果をもたらし,あなたの勉強時間をいつのまにか大きく増やしてくれるでしょう.さらに,薄いことは勉強への取組みに対する心理的抵抗感を弱くしてくれます.皆さんは,ぶ厚い長編小説を前にして気軽に読んでみたくなるでしょうか? おそらく,“ぶ厚い”というだけで圧倒され避けてしまったり,途中であきらめてしまったりする人が多いのではないかと思います.勉強だって同じです.あなたは,果してあのぶ厚い『四訂 介護支援専門員基本テキスト』や参考書を前に勉強への意欲が湧きますか?
 学習には,“要領(質)”以前の問題として,取組む意欲(の継続)とある程度の勉強時間(量)が必要ですが,日々ハードなケアの現場で頑張られ,余力も時間も限られている皆さんにとっては,そもそもこれをクリアすることが実は最も難関なハードルといえます.ましてや,家庭をもたれている方はなおさらです.本書のこの薄さは,必ずやそのハードルを取り除いてくれることでしょう.
 しかし,いくら薄くても内容まで薄いのでは意味がありません.そこで本書が目指し,実現したのは,「(本は)“薄く“(内容は)“ぶ厚く”」です.そして,それを実現するために採用した2つのスタイルこそが,実は本書の真の特徴なのです.
 一つは,CD-ROM「飛翔」(以下CD)を添付したことです.今の時代,多くの人がパソコン環境に身を置いて生活しています.仕事はもちろん,家庭でも,インターネットを楽しんだりデジカメで撮った写真を見たり,最近ではテレビや映画をパソコンで観る人も多いようです.そこで,本書ではCDを使用することで,“パソコンの画面上”でも勉強ができるようにしました.
 CDには本書記載の内容に加えてたくさんのリンクが設定してあり,むずかしい用語や重要な項目なども,ワンクリックだけで説明が表示されるようになっています.また,自分が学習したい項目へも目次からワンクリックで“飛ぶ“こともできますので,いちいち本を引っ張り出したり,ひっくり返したりする手間が要らなくなり,極めて効率的に学習を進めていくことが可能です.また,過去問や練習問題もCDに豊富に入っていますので,勉強を進めながら理解度の確認もできるようになっています(きっと,皆さんを「合格へと“飛翔”させてくれることでしょう!).
 つまり,今皆さんが手(目)にしている本書は180頁の薄い本ですが,真の姿(内容)は1000頁を超えるような“ぶ厚さ“をもっている本なのです.これは,CDを添付することによって初めて実現できたことであり,本書の最大の特徴であるといえましょう(本書を手に取られた方には「パソコンは苦手」という方もいることと思います.でも,使うのはマウスの左クリックのみでキーボードは使いませんから,苦手な方でも全く心配いりません.ただし,本書はパソコンを使って効率的に学習を進めたい人向けの本ですから,「勉強にパソコンは一切使わない」という方には残念ながらお役には立てません.居並ぶ別の“ぶ厚い”参考書をお選びいただき,ぜひ孤軍奮闘ください).
 もう一つは,本書は巷間にあるような『基本テキスト』の“まとめ本“ではないということです.内容は『基本テキスト』に準拠していますが,編立てや章立てなどは必ずしも一致していませんし,また内容についても,まったく触れていない部分もあれば,理解を深めるために『基本テキスト』以上に解説を加えている部分もあります.これは,出題予想をしているわけではなく,過去問の出題傾向を分析し,それをエビデンス(論拠)として学習箇所の重点配分をした結果そうなったのです.まさに,合格のための“必修ポイント”を抽出して皆さんにお届けするためなのです.ですから,この本はまとめ本でも予想本でもなく,“エキス本”とよんだほうが的確かもしれません.
 このように,本書は“他とは一味も二味も違う”画期的参考書です.忙しいなかで合格を目指す皆さんにとっては,最適の参考書であると自信をもってお奨めさせていただきます.
 さて,本書を執筆した3人は,平成10年から群馬県内で毎年試験対策講座を開催してきました.受講生は延べ4,000人に上ります.この講座は,講師一人ひとりが工夫を凝らして作成した独自資料や講義のわかりやすさでたいへん好評をいただいており,手前味噌ではありますが,群馬では受験対策講座の定番となっています.講座は,勉強時間がなかなか取れない皆さんを対象とすることから,日祭日を利用した3日間で開催されます.内容は,全体を網羅しつつも学習箇所の重点配分を考慮し,“3日“で受験のための素地を作り上げられる(わかる)ように構成されています.本書のタイトルである「3日でわかるケアマネ受験」のネーミングもまさしくそこからきたものです(「3日でわかる」は,単なる耳障りの良いキャッチコピーなどではなく,じつは実績に基づいたネーミングなんです!).今回本書でわれわれが目指したのは,このまさに“群馬スタイル”といえる講座を皆さん一人ひとりへお届けすること,すなわち“講座の出前”です.本書の独自(独特)のスタイルもその実現のために生まれたものなのです.
 ここで,ケアマネジャーを目指す皆さんにお願いしておきたいことがあります.本書を含めて『基本テキスト』の学習は,あくまで介護保険制度上の“介護支援専門員“の資格を取得するための学習であることを認識しておいて下さい.「ケアマネジメントってこんなもの?」なんて思われていたとしたら,それは大きな間違いです.晴れて合格した暁には,ぜひケア(ケース)マネジメントを学び直していただきたいと思います.そうした学びのあり方についても,われわれは群馬の地でまさに“群馬モデル”として取り組んでいますので,いずれご紹介できればと思います.本書にも,試験対策テキストという制約があるなかにあって,随所にケアマネジャーの本来あるべき方向に導くためのエッセンスの一滴を入れているつもりです.ぜひ,それを感じとって今後に活かしていただければと思います.
 最後に,こんな前例のない参考書に対して出版の英断を下していただいた医歯薬出版株式会社と,編集を担当していただいた岸本舜晴氏に深く感謝を申し上げます.岸本氏の的確なアドバイスなくして本書はありえませんでした.ありがとうございました.

 2008年4月
 筆者を代表して 新井健五
 ・巻頭展開図:介護保険制度概要図−全体を俯瞰する(安藤 繁)
 ・巻頭展開図:制度論の整理−概念・財政から(安藤 繁)
 ・巻頭展開図:制度論の整理−要介護認定から(安藤 繁)
 本書の特徴とねらい(序にかえて)(新井健五)

第I編 介護保険制度と介護支援・高齢者福祉の必修ポイント 安藤 繁
 はじめに 第I編の構成と本編の効果的な学習方法について
第1章 介護支援分野の必修ポイント
 その前に「社会保険を知る−身近な医療保険を例に」
 第1節 保険原理と社会保険
  保険とは?/保険事故/保険事業運営のためには/社会保険
 第2節 医療保険と介護保険
  医療保険と対比してみる/わが国の社会保険
第2章 介護保険制度の登場人物と
 性格・役割・関係の必修ポイント
 CD-ROM「飛翔」(安藤展開図)について
 第1節 介護保険制度の登場人物とその性格・役割を知る
  介護保険制度における主な「登場人物」/各登場人物の性格と役割 国/保険者/被保険者/各種サービス提供事業者/年金保険者/医療保険者/社会保険診療報酬支払基金:通称「支払基金」/国民健康保険団体連合会:通称「国保連」/都道府県/地域包括支援センター(1)
 第2節 登場人物の関係と制度論の理解
  安藤展開図(CD-ROM飛翔)を解説する まずは被保険者から/申請から調査/介護認定審査会/審査判定と認定/サービスの利用(保険給付を受ける)/法定代理受領/保険給付とサービスの種類/サービス事業者・施設の基準/支給限度基準額/区分支給限度基準額/利用料/低所得者対策/介護報酬/審査・支払/保険給付通則/文書の提出等/介護保険事業計画/地域支援事業/地域包括支援センター(2)/保険財政/財政安定化基金/介護サービス情報の公表/第1・2章の練習問題
第3章 ケアマネジメントの必修ポイント
 第1節 介護保険制度におけるケアマネジメント
   定義と必要性/介護支援サービスの過程/介護支援サービスのありかたと利用手続き/2005年法改正とケアマネジメント/介護支援専門員の基本理念と意義等/介護支援専門員の基本姿勢等
 第2節 居宅介護支援・基準関係
  基準・基本方針/人員基準/サービス利用に関する基準/利用料等に関する基準/居宅サービス計画作成に関する基準/その他の基準/居宅介護支援の介護報酬
 第3節 居宅介護支援・具体的内容
  居宅介護支援サービスの開始過程/アセスメント/ニーズの導き出しかた/ケアプランの作成目的/ケアプラン作成の手順/ニーズのとらえかた/サービスの調整/サービス担当者会議/モニタリング/再アセスメント/終結/関係者等との連携
 第4節 介護予防支援
  基準/介護報酬/介護予防支援サービス・総論/介護予防ケアマネジメントの流れ/介護予防ケアマネジメントの手順/介護予防ケアマネジメントの特徴
 第5節 施設介護支援
  過程/計画担当介護支援専門員/インテークから一連の過程へ
第4章 高齢者福祉の基礎知識の必修ポイント
 第1節 ソーシャルワーク
  相談・面接技術/相談・面接における8つの実践原則/コミュニケーションの知識と技術/インテークワーク/隠されたニーズの発見/ソーシャルワークの概要
 第2節 社会資源の活用および関連諸制度
  障害者福祉制度/生活保護制度
 第3節 高齢者の権利擁護
  高齢者虐待/成年後見制度/地域福祉権利擁護事業/第3・4章関連の過去問

第II編 介護保険サービスの必修ポイント 新井健五
第1章 保健医療サービスの必修ポイント
 第1節 訪問看護および介護予防訪問介護
  まず,はじめに!/訪問看護とは?/訪問看護の役割(特徴)とは?/訪問看護の利用者(対象者)とは?/訪問看護の利用の流れ/訪問看護の内容とは?/訪問看護の介護報酬は?/介護予防訪問看護とは?/介護予防訪問看護の報酬は?
 第2節 訪問リハビリテーションおよび介護予防訪問リハビリテーション
  まず,はじめに!/訪問リハビリテーションとは?/訪問リハビリテーションの内容とは?/訪問リハビリテーション計画の作成は?/訪問リハビリテーションの介護報酬は?/介護予防訪問リハビリテーションとは?/介護予防訪問リハビリテーションの報酬は?
 第3節 居宅療養管理指導および介護予防居宅療養管理指導
  まず,はじめに!/居宅療養管理指導とは?/居宅療養管理指導の利用者とは?/居宅療養管理指導の内容とは?/居宅療養管理指導の介護報酬は?/介護予防居宅療養管理指導とは?/高齢者における口腔管理の重要性とは?/口腔の3大機能とは?/高齢者の口腔機能の状態とは?/高齢者における薬剤管理指導とは?/薬剤管理に関する高齢者の特徴とは?/高齢者における薬剤の作用に関する注意点とは?/薬剤服用の仕方の指導とは?
 第4節 通所リハビリテーションおよび介護予防通所リハビリテーション
  まず,はじめに!/通所リハビリテーションとは?/通所リハビリテーションが対象となる人とは?/通所リハビリテーションの内容とは?/通所リハビリテーションの介護報酬は?/介護予防通所リハビリテーションとは?/介護予防通所リハビリテーションの報酬は?
 第5節 短期入所療養介護および介護予防短期入所療養介護
  まず,はじめに!/短期入所療養介護とは?/短期入所療養介護の内容とは?/短期入所療養介護の介護報酬は?/介護予防短期入所療養介護とは?
 第6節 介護老人保健施設
  まず,はじめに!/介護老人保健施設とは?/介護老人保健施設サービスの内容とは?/入退所の支援のありかたとは?/介護老人保健施設の介護報酬は?
 第7節 介護療養型医療施設
  まず,はじめに!/介護療養型医療施設とは?/介護療養型医療施設サービスの内容とは?/老人性認知症疾患療養病棟について/介護療養型医療施設の介護報酬は?
第2章 福祉サービスの必修ポイント
 第1節 訪問介護および介護予防訪問介護
  まず,はじめに!/訪問介護とは?/訪問介護の内容とは?/訪問介護の利用者とは?/訪問介護の介護報酬は?/介護予防訪問介護とは?/介護予防訪問介護の報酬は?
 第2節 訪問入浴介護および介護予防訪問入浴介護
  まず,はじめに!/訪問入浴介護とは?/訪問入浴介護の目的とは?/訪問入浴介護の内容とは?/訪問入浴介護の介護報酬は?/介護予防訪問入浴介護とは?/介護予防訪問入浴介護の介護報酬は?
 第3節 通所介護および介護予防通所介護
  まず,はじめに!/通所介護とは?/療養通所介護とは?/通所介護の介護報酬は?/介護予防通所介護とは?/介護予防通所介護の報酬は?
 第4節 短期入所生活介護および介護予防短期入所生活介護
  まず,はじめに!/短期入所生活介護とは?/短期入所生活介護の内容とは?/短期入所生活介護の介護報酬は?/介護予防短期入所生活介護とは?
 第5節 特定施設入居者生活介護および介護予防特定施設入居者生活介護
  まず,はじめに!/特定施設入居者生活介護とは?/特定施設入居者生活介護の介護報酬は?/介護予防特定施設入居者生活介護とは?/介護予防特定施設入居者生活介護の報酬は?
 第6節 福祉用具および介護予防福祉用具
  まず,はじめに!/福祉用具貸与・特定福祉用具販売とは?/福祉用具の適用についての考えかたとは?/福祉用具貸与および特定福祉用具販売に特有の取扱い方針とは?/福祉用具貸与の介護報酬は?/介護予防福祉用具とは?
 第7節 住宅改修および介護予防住宅改修
  まず,はじめに!/住宅改修の目的とは?/住宅改修の内容とは?/住宅改修費の支給額とは?/住宅改修費の支給申請の流れとは?/介護予防住宅改修とは?
 第8節 介護老人福祉施設
  まず,はじめに!/介護老人福祉施設とは?/介護老人福祉施設サービスの内容とは?/入退所の支援のありかたとは?/介護老人福祉施設の介護報酬は?
第3章 地域密着型サービスの必修ポイント
 まず,はじめに!
 第1節 夜間対応型訪問介護
  夜間対応型訪問介護とは?/夜間対応型訪問介護に特有の基準・方針とは?/夜間対応型訪問介護の介護報酬は?
 第2節 認知症対応型通所介護
  認知症対応型通所介護とは?/認知症対応型通所介護に特有の基準・方針とは?/認知症対応型通所介護の介護報酬は?/介護予防認知症対応型通所介護とは?
 第3節 小規模多機能型居宅介護
  小規模多機能型居宅介護とは?/小規模多機能型居宅介護に特有の基準・方針とは?/小規模多機能型居宅介護の介護報酬は?/介護予防小規模多機能型居宅介護とは?
 第4節 認知症対応型共同生活介護
  認知症対応型共同生活介護とは?/認知症対応型共同生活介護の基準・方針とは?/認知症対応型共同生活介護の内容とは?/短期利用共同生活介護とは?/認知症対応型共同生活介護の介護報酬は?/介護予防認知症対応型共同生活介護とは?
 第5節 地域密着型特定施設入居者生活介護
  地域密着型特定施設入居者生活介護とは?/地域密着型特定施設入居者生活介護の基準・方針とは?/地域密着型特定施設入居者生活介護の介護報酬は?
 第6節 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
  地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護とは?/地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護の介護報酬は?

第III編 高齢者保健医療の基礎知識と医療総合の必修ポイント 折茂賢一郎
 はじめに
第1章 高齢者保健医療の基礎知識の必修ポイント
 必修ポイント1
  高齢者の考えかた
  骨粗鬆症を例に
 必修ポイント2 高齢者の特性
 必修ポイント3 高齢者を取り巻く疾患や病態
  糖尿病を例に/パーキンソン病を例に/認知症を例に/高齢者の精神疾患を例に/在宅酵素療法を例に
第2章 保健医療総合分野の攻略法の必修ポイント
 必修ポイント4 保健医療総合分野の攻略法
  Aさん問題の例
 必修ポイント5 知っておくべきKey Word
  ターミナルケアを例に
 必修ポイント6 出題されやすい分野
  尿失禁を例に/ふたたび認知症の例/褥瘡を例に/口腔ケアを例に/栄養と薬剤管理を例に/在宅医療を例に
 必修ポイント7 リハビリテーションとケア
 必修ポイント8 注意するべき点
  緊急時の対応を例に
 必修ポイント9 高齢者虐待問題
  高齢者虐待を例に
 必修ポイント10 医療総合問題
  初期対応を例に
 必修ポイント11 ターミナルケアのまとめ
  ターミナルケアを例に
 必修ポイント12 居宅療養管理指導および介護予防居宅療養管理指導
  薬剤管理指導を例に/口腔ケアを例に
 必修ポイント13 メタボリックシンドロームのまとめ
 おわりに
 CD-ROM「飛翔」の使いかた

 CD-ROM「飛翔」収載内容と順序
 『3日でわかるケアマネ受験 ★ CD-ROM飛翔』
 1.安藤展開図およびそのリンク(安藤 繁)
  (1) 介護保険制度概要図−全体を俯瞰する
  (2) 介護保険制度概要図−関連する過去問とのリンク
  (3) 介護保険制度概要図−具体的な説明と理解・項目説明
  (4) 制度論の整理−概念・財政から
  (5) 制度論の整理−要介護認定から
 2.目次
 3.本文およびそのリンク
  (1) 第I編 介護保険制度と介護支援・高齢者福祉の必修ポイント(安藤 繁)
  (2) 第II編 介護保険サービスの必修ポイント(新井健五)
  (3) 第III編 高齢者保健医療の基礎知識と医療総合の必修ポイント(折茂賢一郎)